■マーケット
NYダウ 小幅に反落
13日のNY株式市場は高安まちまちでした。今週は市場にとって今年にて一番の山場。アメリカの金融政策、そしてヨーロッパの行方などビッグイベントが満載です。金融政策に関しては今年の利上げペース加速への警戒が高まっていて、アメリカの10年債利回りは2.6%台と高い水準で推移しています。経済指標の発表はほとんどなく反応できる材料も限られた中、株価は引けにかけて下げ幅を縮めました。オランダ総選挙やブレグジットの手続きなど今週は様子見を誘う材料が盛りだくさんです。12日からアメリカは夏時間で、日本時間の朝5時にNY株式市場は取引を終えました。では終値です。ダウは3日ぶりに反落し21ドル安の2万881ドル。ナスダックは4日続伸し14ポイント上昇の5,875。S&P500は3日続伸し0.8ポイントプラスの2,373でした。13日のセクター別騰落率、全体的に動きは小幅でした。金などの商品価格の上昇で素材セクターがしっかり。一方、株価が底堅い動きでいわゆるディフェンシブのヘルスケアなどはさえない動きでした。
13日のNY株式市場は高安まちまちでした。今週は市場にとって今年にて一番の山場。アメリカの金融政策、そしてヨーロッパの行方などビッグイベントが満載です。金融政策に関しては今年の利上げペース加速への警戒が高まっていて、アメリカの10年債利回りは2.6%台と高い水準で推移しています。経済指標の発表はほとんどなく反応できる材料も限られた中、株価は引けにかけて下げ幅を縮めました。オランダ総選挙やブレグジットの手続きなど今週は様子見を誘う材料が盛りだくさんです。12日からアメリカは夏時間で、日本時間の朝5時にNY株式市場は取引を終えました。では終値です。ダウは3日ぶりに反落し21ドル安の2万881ドル。ナスダックは4日続伸し14ポイント上昇の5,875。S&P500は3日続伸し0.8ポイントプラスの2,373でした。13日のセクター別騰落率、全体的に動きは小幅でした。金などの商品価格の上昇で素材セクターがしっかり。一方、株価が底堅い動きでいわゆるディフェンシブのヘルスケアなどはさえない動きでした。
【NY証券取引所中継】米 利上げ後の株は?
解説はSMBC日興セキュリティーズ・アメリカの尾坂将司氏
--週明け、高安まちまち、やはり様子見が強いですかね。
はい、インテルによるモービルアイ買収が話題となりましたが、FOMCなどのイベントを控え、マーケット全体としては小動きとなりました。
--さてアメリカには足下の状況を暗示するような格言があるようですね。
はい、「Three steps and a stumble」(3回の後はつまづく)。つまり「3回目の利上げの後は株価が下落する」といことです。
(フリップ:「3回利上げ」後のS&P500(1971年~))
実際、調べてみると1971年以降、3回以上の利上げは10回ありましたが、3回目の利上げから、3か月後の株価を見ると、6回は株価が下落していて、平均の下落率は2.2%です。利上げは金融引き締めを意味するため、株価にとって短期的な悪影響を反映したものと思われます。
--ということはやはり格言通りなんですね。
ただ、半年後のパフォーマンスを見ると、10回中7回は上昇で、格言の指摘は利上げ直後の短期的な反応のようです。また過去10回のうち、1~2回目の利上げは平均で111日、2~3回目の利上げは平均で64日でした。これに対して今回は、1~2回目が364日、また今秋利上げをすれば、2~3回目は約90日です。つまりFRBは慎重な利上げで、利上げの影響を吸収する時間を市場に与え、結果として株価への影響は限定的になる可能性が高いと思います。
【NY証券取引所中継】米 利上げで景気は?
解説はSMBC日興セキュリティーズ・アメリカの尾坂将司氏
解説はSMBC日興セキュリティーズ・アメリカの尾坂将司氏
--やはり様子見が強かったですね。
はい、インテルによるモービルアイ買収が話題となりましたが、FOMCなどのイベントを控え、マーケット全体としては小動きとなりました。
--さて今週の利上げはほぼ確実とみられる中、金利の動きに警戒との声もありますよね。
(フリップ1:年3回利上げで10年債利回り2.8%予想)
はい、利上げの折り込み度合いを示すFFレート先物と10年債利回りには一定の関係があり、市場が年内3回の利上げを完全に織り込むと、10年債利回りは2.8%程度まで上昇すると見ていますが、今はまだ完全に織り込めてはいないようです。今回の会合で、最低4人のメンバーが利上げ見通しを年4回に変更すれば、中央値でも4回が示唆され、長期金利はさらに上昇する可能性が出てきます。
--なるほど、ただ、金利上昇が景気を冷やす懸念が台頭してきませんか。
はい、目先予想されている水準であれば、そんなに心配はいらないと思います。例えば、金利(10年債利回り)が3%まで上昇したとすると、前年比で1.3%~1.5%上昇することになります。
(フリップ2:金利上昇も景気に逆風なし)
10年債利回りの前年比とIMS製造業景気指数には相関性がありますが、過去に10年債利回りが前年比で1.3%~1.5%程度上昇した局面でも、ISM製造業景気指数は上昇していて、景気の逆風にはなっていません。
--なるほど、ただ他にも金利上昇に敏感な業界はありますよね。
はい、住宅市場もその1つです。家計が住宅取得に必要な所得水準を上回っているかどうかを見る住宅取得能力指数というものがあります。100を超えていれば環境は良好で、現在は160を上回っています。住宅用品大手「ホーム・デポ」の幹部は「住宅ローン金利が7%まで上昇しなければ、100を割ることはない」と指摘していて、現在はまだ4%強の水準です。つまり目先、長期金利が上昇しても、住宅や製造業などに深刻な影響を与えるまでには至らないと考えられます。
【為替見通し】注目ポイントは「“イエレンドット”の行方」
解説は野村証券の池田雄之輔氏
解説は野村証券の池田雄之輔氏
--NY市場も動きづらい展開でしたね。
そうですね。雇用統計、先週金曜日にありましたけれども、これを消化し、そして明日のFOMC待ちということで様子見といった具合です。
--今日の予想連委は、114.30-115.50円です。
上値のほうとしては、やはり金曜日の115円51銭を受けるには材料不足ですし、かといって、下のほうは114円30銭辺りにテクニカルなサポートレベルがありますので、ほぼ横ばいのような相場になると見ています。
--そしてFOMCでは利上げが確実視されていて、焦点はメンバーが想定する利上げ回数、いわゆるドット・チャートに移っていますよね。そんな中で注目ポイントは「“イエレンドット”の行方」です。
(フリップ1:イエレンドットはどこへ?)
ドット・チャートではそれぞれのメンバーが利上げの回数をどのように考えているかということが分かるわけなんですけれども、イエレン議長はFOMCのメンバーン中で、利上げの回数は少なくていいと考えているハト派から数えまして、おそらく5番目辺りに位置しているというのが、メンバーン発言などから判断できます。12月の時点では、イエレン議長は5番目ということですと、17年は2回の利上げでよいという考えであった可能性が高いんですね。ところが最近の発言では3月の利上げにもかなり前向きになっていますので、おそらく今年3回の利上げを念頭に置き始めている可能性が高いと思います。そのようなことが今回のドット・チャートで、もし1回、2回のメンバーが大きく減ってきますと、イエレン議長はやっぱりここ(3回)に移ったんだということで、市場の見方が変わってくる可能性があると思います。イエレン議長でさえ3回の利上げを指示しているということになりますと、それを織り込んで1ドル116円台というのが目安になってくると思います。
【日本株見通し】注目ポイントは「嵐の前の静けさ」
解説はコモンズ投信の糸島孝俊氏
--今日の予想レンジは、19500円~19700円です。
明日のFOMCや米国債務上限期限の到来、オランダ総選挙などの重要イベントを前に、米国市場は小動きとなりました。今日の東京株式市場も昨日と同様に小動きで、19600円を挟んだ狭いボックス内での動きを想定します。多くの投資家はイベント後の動きに備え、ポジション調整に終始すると思われます。
--その日経平均株価は、昨年来高値を更新してはいますが、小幅な値動きなんですよね。
(フリップ:日経平均、高値更新せず)
そうですね。このグラフはアベノミクス相場が始まって以降、日経平均高値20952円を付けた2015年6月第4週の終値を100とした日経平均の各指数の推移です。東証2部指数、日経ジャスダック平均ともに先週末までに高値更新が続きましたが、日経平均は未だ更新できていません。
(フリップ2:日経平均銘柄、海外依存高い)
世界的な景気敏感株である日経平均は、採用銘柄の海外売上高比率が、東証2部や日経ジャスダック銘柄に比べ高く、約半分の48.8%です。海外イベントを前に日経平均の売買が手控えられていることが原因と思われます。
--ということは注目ポイントにもあるように、日経平均は15日の重要イベント後に「春の嵐」がやってくる可能性が高いのでしょうか。
はい、上下に500円程度、変動してもおかしくありません。基本的にはイベントの無事通過で株価上昇シナリオを見ていますが、内容があまり新鮮味がなければ、材料出尽くしから、投機的筋による仕掛け的な動きもあると思います。まさかの展開も頭に入れておきたいところです。
■【プロの眼】米政権の「日本たたき」はあるのか
3月17~18日に開かれるG20声明の為替をめぐる文言が大きく修正される可能性が浮上しているが、為替や通商政策をめぐって、日本たたきはあるのか。野村証券の池田雄之輔氏は日本への言及は他国と比べて少なく、日本たたきはないと見ている。また、4月に予定されている日米経済対話での批判もないとみる。
--アメリカ政権の「日本たたき」はあるのでしょうか。もちろん今週はビッグイベントがたくさんあるんですけれども、なかでも今週末のG20声明の為替をめぐる文言が大きく修正される可能性が浮上してきていますが、まず為替に対する日本たたきというのはどうでしょうか、無いですか。
「はい、基本的にないと思っている。今回は、アメリカの新しく財務長官に就任したムニューチン氏がデビュー戦ということになるわけなんですが、今までの発言からすると、日本をたたくということは基本的にないと考えています。それから注目ポイントとしては、G20の文言が変わるかもしれないという合意事項なんですけれども、もともとは必ず『保護主義に対抗する』というような言葉を盛り込んでいたんですが、今回それを修正して、『公正な貿易』という言い方に変えるような、いわばアメリカの新政権の意向を若干反映させるということはあるかもしれないと思います。あとは今回、開催地がドイツということですので、ドイツの対米貿易黒字に対して何らかのコメントがあるかもしれないということも言われているんですけれども、基本的にユーロ・円を批判するということは、可能性は低いんじゃないかと思いますね。」
--そうですか、ただ、振り返ってみますと、為替や通商問題に関して、トランプ大統領は日本を名指ししたこともありますし、そのうえでの日本たたきはまだ懸念しなけれいけないんじゃないですか。
「そうですね。ただ、名指しでの日本批判というのは、トランプ氏の場合は1月中に2回あっただけで、いずれも自動車メーカーのトップや医薬品メーカーのトップなどのビネスマンの前での、いわばリップサービス的なものであって、本当の政府の方針ではないと思うんですね。」
(フリップ1:日本への言及は5回)
「通商チームの本当の方針という意味では、私が非常に重要だと思っていますのが、昨年の9月にある共著のレポートというのが発表されていまして、それはアメリカのロス商務長官、ナバロ貿易担当補佐官が30ページぐらいのホワイトペーパーというものを昨年9月に書いているんですけれども、その中で国ごとにどれぐらい言及があるか、それによってどれぐらい批判されているか、されていないか、1つの目安になると思うんですけれども、中国は39回も言及があるんですよね。そのあとにドイツ(ユーロも低めて)が16回、メキシコ12回で、日本はわずか5回しか言及がないんですね。しかもその中でも、日銀への言及はゼロです。そして円安あるいは円ということも全く触れられていなくて、さらには自動車貿易についても一切批判がないんですね。」
--そうですか。それではちょっと私たちも神経質になり気味だったのかという気もしますね。ただ一方で4月中旬には日米経済対話も始まる見通しですし、ここでは2国間という上での日本たたきということは考えられませんか。
(フリップ2:「日米経済対話」で日本たたきは?)
「今回の4月の最初の日米経済対話では、そこまでの何かギリギリとした交渉ということは多分ないと思うんですね。そう考える根拠は3つほどあると思うんですけれども、まず第1に、今回の日米経済対話という新しい枠組みのアメリカ側のトップをだれがやるのか、ということなんですが、ペンス副大統領なんですね。ペンス氏は昨年までインディアナ州の知事をやっていた。これが重要だと思いますね。インディアナ州というのは日本の自動車メーカーが最も進出して、現地に工場をいっぱい建てているところなので、いかに日本車メーカーが現地生産でアメリカのコミュニティ、そして雇用に貢献しているかというのを、一番分かっているのがペンスさんだと言っても過言ではないと思うんですね。そこは安心感があると思います。」
--それからアメリカ政権発足間もないということで、ここはまだ話が詰まっていないということですか。
「そうですね。しかもここからアメリカにとって一番重要なのは、NAFTAの再交渉と、それから6月の米中戦略対話なんですね。ですので対日の交渉にかける時間と人材の余裕はあまりないのではないかということですね。さらには、そもそも日米経済対話の中には、為替というのは議題から外れてまして、これは財務省間で別途やるということになっていますので、4月の経済対話では特に日本たたきはないと考えています。」
■日経朝特急
退位、特例法制定へ
今の天皇陛下の退位を認める特例法が今の国会で制定される見通しになった。皇室典範の付則に特例法の根拠規定を設けることで、恒久制度化を主張してきた民進党が容認する方針を固め、与野党合意のめどが立った。
今の天皇陛下の退位を認める特例法が今の国会で制定される見通しになった。皇室典範の付則に特例法の根拠規定を設けることで、恒久制度化を主張してきた民進党が容認する方針を固め、与野党合意のめどが立った。
フリーランス失業に保険
政府はフリーで働く人への支援を手厚くする。失業や出産の際に所得補償を受け取れる団体保険の創設を提言する。副業も含めた広義のフリーランス人口は1064万人に膨らんでいて、政府は損害保険大手と商品を設定し、来年度から民間で発売してもらう。介護や子育てを理由に、自宅で働く人も増えていて、若年層や女性の多様な働き方を支える。
政府はフリーで働く人への支援を手厚くする。失業や出産の際に所得補償を受け取れる団体保険の創設を提言する。副業も含めた広義のフリーランス人口は1064万人に膨らんでいて、政府は損害保険大手と商品を設定し、来年度から民間で発売してもらう。介護や子育てを理由に、自宅で働く人も増えていて、若年層や女性の多様な働き方を支える。
新規流通、2016年度ゼロ
新たに流通する1円玉は、今年度は4年ぶりにゼロになりそうだ。スマートフォンでの決済や電子マネーの普及で、1円玉を使った取引が少なくなったためで、流通量の減少傾向が続くとの見方が強くなっている。
新たに流通する1円玉は、今年度は4年ぶりにゼロになりそうだ。スマートフォンでの決済や電子マネーの普及で、1円玉を使った取引が少なくなったためで、流通量の減少傾向が続くとの見方が強くなっている。
家庭紙1割値上げ
家庭で使用する紙が1割値上げ。大王製紙は、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの出荷価格を5月1日から10%以上引き上げる。電力料金やガスなどの燃料費上昇に加え、円安による輸入パルプの価格上昇が理由だ。家庭紙国内首位の大王製紙が値上げに踏み切ったことで、他社にも動きが広がる可能性がある。
家庭で使用する紙が1割値上げ。大王製紙は、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの出荷価格を5月1日から10%以上引き上げる。電力料金やガスなどの燃料費上昇に加え、円安による輸入パルプの価格上昇が理由だ。家庭紙国内首位の大王製紙が値上げに踏み切ったことで、他社にも動きが広がる可能性がある。
■日刊モーサテジャーナル
英EU離脱交渉、難題に直面も(ウォールストリートジャーナル)
英メイ首相が早ければ今週にもEUに対し正式に離脱を通知すると見られている中、ウォールストリートジャーナルは、「イギリスはいよいよ難題に直面することになるだろう」、と伝えている。記事は、「EU離脱決定後もイギリスの経済は堅調で、悪影響はほとんどなかったように見えるが、それはまだ離脱問題が現実のものになっていないからで、その証拠に先週発表されたイギリスの経済成長率見通しが今年の2%から来年以降は鈍化する。」、と指摘している。また国内を見ると、スコットランドが独立を問う住民投票実施の意向を示しているほか、北アイルランドでは陸続きで、主要な貿易相手であるアイルランドとの関税障壁などへの懸念からアイルランドとの併合機運が高まり、イギリスの火種となる恐れがある、と見ている。
ユーロ圏国債利回り、上昇続く見通し(ウォールストリートジャーナル)
ドイツの10年債利回りのグラフをみるとBNPパリバ、JPモルガンなどの債権専門家は今年、ユーロ圏諸国の債権の利回りは上昇を続けると予想している。記事は、その理由として、「ユーロ圏のインフレ率の上昇や堅調な経済成長が背景にある」、と指摘。今後、オランダ総選挙やフランス大統領選など、政治的リスクを抱えているものの、ある社債の専門家は、「どんな結果が出ても、ユーロ圏の国債の利回りは上昇を続け、結果として社債と国債の差が6月までは広がると見ていて、債権取引には注意が必要がある。」、と警鐘を鳴らしている。
ドイツの10年債利回りのグラフをみるとBNPパリバ、JPモルガンなどの債権専門家は今年、ユーロ圏諸国の債権の利回りは上昇を続けると予想している。記事は、その理由として、「ユーロ圏のインフレ率の上昇や堅調な経済成長が背景にある」、と指摘。今後、オランダ総選挙やフランス大統領選など、政治的リスクを抱えているものの、ある社債の専門家は、「どんな結果が出ても、ユーロ圏の国債の利回りは上昇を続け、結果として社債と国債の差が6月までは広がると見ていて、債権取引には注意が必要がある。」、と警鐘を鳴らしている。
米ニューヨークなど北東部に猛吹雪
アメリカでは観測史上2番目に暖かかった2月から一転、今晩から明日にかけNYやワシントンを含む北東部が、激しい吹雪に見回られることについて、USAトゥデイなどが報じている。既に中西部に雪をもたらしている今回の猛吹雪は、強い風と積雪が特徴で、瞬間最大風速は時速80キロを超え、多いところで45センチ以上の雪が積もると予想されている。USAトゥデイによると、今回のような猛吹雪が3月にやってくるのは1960年以降、3度目とのこと。前回の1993年にはフロリダ州やメーン州を襲い、約300人が亡くなったという。既に12日(日曜日)から100便以上の欠航が相次いでいて、14日に予定されていたトランプ大統領とドイツのメルケル首相との会談も、17日に延期が決まった。
アメリカでは観測史上2番目に暖かかった2月から一転、今晩から明日にかけNYやワシントンを含む北東部が、激しい吹雪に見回られることについて、USAトゥデイなどが報じている。既に中西部に雪をもたらしている今回の猛吹雪は、強い風と積雪が特徴で、瞬間最大風速は時速80キロを超え、多いところで45センチ以上の雪が積もると予想されている。USAトゥデイによると、今回のような猛吹雪が3月にやってくるのは1960年以降、3度目とのこと。前回の1993年にはフロリダ州やメーン州を襲い、約300人が亡くなったという。既に12日(日曜日)から100便以上の欠航が相次いでいて、14日に予定されていたトランプ大統領とドイツのメルケル首相との会談も、17日に延期が決まった。
・ ユーロ圏の金利上昇、今後も続くわけとは
--池田さんはユーロ圏の金利の上昇というのはかなりしっかりと上がっていくと見ていますか。
《野村証券/池田雄之輔氏》
「確かに今指摘もありました通り、景気見通しとインフレが上がってきているというのは事実だと思うんですね。ただ、もう1つは、やはり物理的に国債をECBが買いたくないというのが出てきているので、それによって金利が上がりやすくなっているということもあると思います。」
--ということは今後の金融政策次第ということもあるわけですか。
「ただ、それについてはまだ失業率が高すぎるということがありますので、早急な利上げはないと考えていいと思いますね。」
--ただ、テーパリングというのは来年以降の予定は見えてないですもんね。
「そうですね。そこは9月にはおそらく決定されるんですが、それを巡っての思惑が揺れ動くと思います。」
■今日の予定
日・サウジ ビジネスフォーラム
中国1~2月鉱工業生産、小売売上高など
米2月生産者物価指数
米FOMC(~15日)
中国1~2月鉱工業生産、小売売上高など
米2月生産者物価指数
米FOMC(~15日)
■ニュース
トルコ大統領「オランダに制裁も」
オランダとトルコの関係が急速に悪化しています。トルコのエルドアン大統領はオランダに対し制裁を課すことを辞さない構えを示しました。トルコでは来月、大統領権限の強化を問う国民投票が予定されていて、オランダに住むトルコ系住民の政治集会が予定されていました。しかし参加予定だったトルコの閣僚の入国をオランダが拒否したため、非難合戦となっていたものです。トルコが課す制裁の影響は、経済だけでなく、文化・軍事面などにも及ぶ可能性があるとみられます。
米 インテル モービルアイ153億ドルで買収
アメリカの半導体大手インテルは、自動運転技術の開発を進めるイスラエルのモービルアイを153億ドル=およそ1兆7,500億円で買収すると発表しました。モービルアイは、カメラのセンサーを使った事故回避の技術などで定評があります。スマートフォン市場で出遅れていたインテルですが自動運転の分野では、去年7月にドイツのBMWと提携するなど技術開発に力を入れています。
アトランタ連銀総裁にボスティック氏
アメリカのアトランタ連銀は、退任したロックハート総裁の後任として、南カリフォルニア大学教授のラファエル・ボスティック氏を指名すると発表しました。就任は6月5日付で、アフリカ系アメリカ人の連銀総裁は初めてです。ボスティック氏はFRB連邦準備制度理事会の元シニアエコノミストで都市開発が専門です。
スコットランド 再び住民投票の意向
スコットランド行政府のスタージョン首相は13日、イギリスからの独立を問う2回目の住民投票を実施する意向を示しました。来週に法的手続きを開始し、早ければイギリスがEUを離脱する前の来年秋にも投票を行うとしています。これに対しイギリスのメイ首相は「政治はゲームではない」とけん制し「住民投票はスコットランドにさらなる分断と不透明感をもたらすだろう」と言いました。
安倍総理が要請 残業「月100時間未満」で決着へ
安倍総理大臣は、経団連と連合の労使のトップと会談し、時間外労働の上限規制について、繁忙期の例外を月100時間未満とするよう要請し決着する見通しとなりました(安倍総理)「ぜひ(時間外労働の上限を)100時間未満とする方向で検討していただきたい」時間外労働の上限規制については「100時間以下」としたい経団連と「100時間未満」としたい連合で折り合いませんでしたが、経団連は安倍総理の要請を受け入れる方向です。これに対し過労のため自殺した電通元社員の高橋まつりさんの母・幸美さんは、「まったく納得できません。繁忙期であれば、命を落としてもよいのでしょうか」などとコメントを発表するなど、過労死遺族は強く反発しています。
4月~12月期 東芝 決算発表を再延期へ
経営再建中の東芝が、きょう予定していた2016年4月から12月期の決算発表を再び延期する見通しとなりました。経営陣に不正の疑いが浮上しているアメリカの原発子会社に関する調査が長引き、監査法人の最終的な承認が得られていないことが原因とみられます。東芝の綱川社長は、きょう記者会見を開いて、経緯などを説明する予定です。
三越伊勢丹 杉江次期社長 対話不足など反省
(三越伊勢丹ホールディングス・杉江次期社長)「対話、コミュニケーションが不足していた」三越伊勢丹ホールディングスは来月、社長に就任する杉江俊彦氏が会見し従来の経営方針を引き継ぐとしながらも従業員らとの対話不足や矢継ぎ早の多角化を「反省点」と指摘しました。事業の撤退や縮小など構造改革については5月に予定している決算発表で公表すると述べるにとどめました。
日・サウジ首脳会談 「脱石油」へ9分野の協力で合意
安倍総理大臣は、サウジアラビアのサルマン国王と会談し、エネルギーやインフラなど9つの分野で日本が協力していくことで合意しました。サウジアラビアが進める「脱石油」の経済改革を後押ししていきます。両政府は日本企業の進出を促す経済特区の創設や、トヨタ自動車が現地生産の可能性をサウジアラビア政府と共同で調査するなどの協力を進めます。
シャープ 戴社長 高い業績でボーナス最大8ヵ月
経営再建中のシャープの戴社長は「シャープの人材がモチベーションアップしてスピードアップすれば業績回復は問題ない」と会見で述べ、2017年度のボーナスについて、高い業績を挙げた社員に最大年8ヵ月分を支給すると明らかにしました。平均は年4ヵ月分ですが業績に応じて最大2倍にする一方、最も少ない場合は年1ヵ月分とし、信賞必罰の処遇を一段と徹底させます。
DeNA情報サイト 記事2万本 画像74万件著作権侵害か
IT大手ディー・エヌ・エーはずさんな管理が発覚した情報サイトについての調査結果を公表し最大2万本の記事と画像74万件あまりで著作権侵害の疑いがあることが分かりました。第三者委員会の調査報告書によりますとDeNAが運営していた10のまとめサイト約37万件をサンプル調査をしたところ、記事で最大約2万本、画像で74万件あまりに著作権侵害の疑いがあるとしました。また、10本の記事では医薬関連の法令に違反した可能性があると認定しています。調査結果を受けて守安社長は、責任を取って月額報酬の減額幅を拡大するほか、創業者の南場会長に再び代表権を与え、法令遵守を徹底するとしています。
国連本部で会見 北朝鮮次席大使 正男氏殺害に言及
北朝鮮のキム・インリョン国連次席大使が13日ニューヨークの国連本部で記者会見しました。金正男氏がマレーシアで殺害された事件ついてキム次席大使は殺害に猛毒の神経剤VXが使われたのが事実であれば、韓国から持ち込まれた可能性があると根拠を示さずに主張しました。また遺体は北朝鮮国籍の「キム・チョル」だと強調し、事件は全てアメリカと韓国の作り話だとしています。
トランプ大統領 初の閣僚会合
アメリカのトランプ大統領は先ほど、ホワイトハウスで初めてとなる閣僚会合を開きました。(トランプ大統領)「この内閣はアメリカ国民を守るためにある」トランプ大統領は、これまでにおよそ50万人分の新たな雇用を創出したと強調した上でメキシコから不法に入国する人がおよそ4割減ったことを成果としてアピールしました。一方で、野党・民主党の抵抗で労働長官など4人の閣僚がまだ就任できていないとして民主党を強く批判しました。
4月にも中国 習主席訪米 首脳会談へ
アメリカ・ホワイトハウスのスパイサー報道官は、中国の習近平国家主席が近くアメリカを訪れトランプ大統領と会談する方向で調整していることを明らかにしました。アメリカメディアによりますと両首脳は来月6日から7日にフロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の別荘、「マールアラーゴ」で会談する方向で調整していて、経済や安全保障の幅広い分野について協議し両国の関係改善を目指すということです。
アメリカ・ホワイトハウスのスパイサー報道官は、中国の習近平国家主席が近くアメリカを訪れトランプ大統領と会談する方向で調整していることを明らかにしました。アメリカメディアによりますと両首脳は来月6日から7日にフロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の別荘、「マールアラーゴ」で会談する方向で調整していて、経済や安全保障の幅広い分野について協議し両国の関係改善を目指すということです。
■【リーダーの栞】WHILL(ウィル) 杉江理(すぎえさとし)社長
電動車いすを手がけるベンチャー企業、WHILL(ウィル)の杉江社長が進める1冊はソニーの創業者のひとりで、長らく日本の国際的な顔であった故・盛田昭夫氏の自伝「メードインジャパン・わが体験的国際戦略」。ウィルは会社設立の翌年の2013年、電動車いすの市場が日本の10倍とも言われるアメリカに進出します。自動車メーカーの開発出身の杉江社長はアメリカ進出当時、セールスやマーケティングの経験や知識は全くなかったと言います。知識がない部分をどう補うかのヒントがこの本にありました。
電動車いすを手がけるベンチャー企業、WHILL(ウィル)の杉江社長が進める1冊はソニーの創業者のひとりで、長らく日本の国際的な顔であった故・盛田昭夫氏の自伝「メードインジャパン・わが体験的国際戦略」。ウィルは会社設立の翌年の2013年、電動車いすの市場が日本の10倍とも言われるアメリカに進出します。自動車メーカーの開発出身の杉江社長はアメリカ進出当時、セールスやマーケティングの経験や知識は全くなかったと言います。知識がない部分をどう補うかのヒントがこの本にありました。
電動車いすベンチャーのWHILLの杉江理CEO。乗ってきたのは主力商品の電動車いす。9時間充電で20キロの走行が可能、前輪に24個のタイヤを使い小回りが可能に。操作はレバーだけで行う。4輪駆動により、7.5cmまでの段差を乗り越えられる能力があり、悪路の走行もこなせるという。価格は99万5千円。世界最大の車いす市場の米国に拠点を置き、本格販売を目指す。
杉江理CEOの今回の一冊は、ソニーの創業者の一人で長らく日本の国際的な顔であった故盛田昭夫氏の自伝「MADE IN JAPANわが体験的国際戦略」(朝日新聞社)。ソニー設立から国際的企業に成長までの記録、そしてグローバル展開で培った経営論が綴られている。
WHILLは会社設立の翌年の2013年、電動車いすの市場が日本の10倍と言われるアメリカのシリコンバレーに進出。しかし自動車メーカーの開発出身の杉江CEOは、アメリカ進出当時、セールスやマーケティングの経験や知識は全くなかったという。
知識を補うヒントがこの本にあった。印象に残ったのがソニーのしたたかな価格戦略だった。アメリカでのトランジスタラジオの売り込みで、初めて10万個もの大量注文に対して、森田氏は価格を下げるのではなく、あえて値上げして見積もり、アメリカ人を驚かせた。
■【コメンテーター】野村証券/池田雄之輔氏
・ アトランタ連銀新総裁、ボスティックの役割は
--今週のFOMCが注目を集める中で、アトランタ連銀のロックハート総裁の後任が決まりましたけれども、こういった人事というのも大事ですよね。
「そうですね。もともとFRBの高官という意味では、重要なのがイエレン議長、フィッシャー副議長、それからニューヨークのダドリー総裁だったんですけれども、アトランタ連銀のロックハートさんも執行部にかなり近い意見を持っているので、非常に参考になったんですよね。今回、ボスティックさんという方が後任と目されていますけれども、元FRBシニアエコノミストということなので、おそらく同じように執行部に近い見方になるんじゃないかなという感じで見てます。」
--結局、私たちに対する手がかりを見せてくれるような方であるといいですね。
「そうですね。そのほうが分かりやすくなりますね。」
・ きょうの経済視点 「プロレス通商」
「やはりアメリカのトランプ政権の通商政策と言えば、ターゲットになるのはおそらく中国ですね。アメリカと中国というヘビー級同士の対決が本格化してしまって、それこそ関税率の引き上げ合戦みたいになってしまっては大変だという心配はあるんですけれども、私はキーワードはやはりトランプ氏ですね。実際にリングに上がっていたこともありますけれども、プロレス通商ということで、うまく力を抜きながら、とにかくアメリカ国民、特にトランプ氏を支持した層に向けて、見せる演出のような形の通商政策になってくるのではないか、と考えています。」
--ちょっとショー的な要素もありつつ、これって双方が分かっていないとダメ、ということは中国とアメリカで納得しているところがないとダメですよね。
「そうですね。例えば、中国でしたら、過剰的な設備をスクラップするということをやってダンピングを抑えるとか、そういうことですね。」