無理矢理予定を作って、人に会いに行く。
その予定をこなしているときだけは、すこしだけ悲しみから遠ざかることができる。
しかしそれも終わり、夕暮れの街を帰宅するために歩いている内に、帰っても誰も待っていてくれないことを考え、脚が鉛のように重くなる。
そう、私がひとりで気ままに街で散策、飲んだくれても、私には帰る場所があったのだ。いつでも祥一郎が待っていてくれていた場所が。
その当たり前のように思っていた環境がどんなに貴重で素晴らしいものだったか。
祥一郎が逝ってしまってからそれに気付き、そしてそれに苛まれる。
いや、わかっていたのだ。
今更独り暮らしはもう不可能に違いないと。
あまりに当たり前のようにあった環境に、その貴重さを頭の隅に置き忘れて暮らしてきた。
そしてその貴重なものを失い、感謝をわすれていた私は罰を受けているのかもしれない。
祥一郎………もう遅い、遅かったんだね………
寂しいよ………
その予定をこなしているときだけは、すこしだけ悲しみから遠ざかることができる。
しかしそれも終わり、夕暮れの街を帰宅するために歩いている内に、帰っても誰も待っていてくれないことを考え、脚が鉛のように重くなる。
そう、私がひとりで気ままに街で散策、飲んだくれても、私には帰る場所があったのだ。いつでも祥一郎が待っていてくれていた場所が。
その当たり前のように思っていた環境がどんなに貴重で素晴らしいものだったか。
祥一郎が逝ってしまってからそれに気付き、そしてそれに苛まれる。
いや、わかっていたのだ。
今更独り暮らしはもう不可能に違いないと。
あまりに当たり前のようにあった環境に、その貴重さを頭の隅に置き忘れて暮らしてきた。
そしてその貴重なものを失い、感謝をわすれていた私は罰を受けているのかもしれない。
祥一郎………もう遅い、遅かったんだね………
寂しいよ………