この季節、春の日だまりが公園に人を群れさす季節になってきた。
うちの近所に、清水坂公園という、木々などあまり茂っていない、芝生の広場があるくらいのしょぼい公園がある。
日差しの柔らかいこの時期、祥一郎はよくこの公園で日向ぼっこをしていた。
私が所用で部屋に戻って来て、祥一郎を探すと大概この公園で日向ぼっこをしていた。
とにかく陽に当たることが好きな奴だった。
初めて逢ったあの日も、真っ黒に日焼けして目立っていた。そうでなければ声をかけなかったかもしれない。
亡くなったあと、遺品整理している中で日焼けサロンの会員カードが何枚も。
「この時期の紫外線が、一番肌に優しくてよう日焼けするねん。」とか言いながら、毎日のようにその公園に出掛けて行った。
貧乏で冬の間は日焼けサロンなどあまり行けなかったものね。この季節、太陽を取り返そうとするように、祥一郎は陽の光をいっぱい浴びていた。
部屋に帰って来ては、「あのな、隣で寝ころんでたにいちゃんが、ちょっとイケメンやってん。」とか、「ガキがうるそうてかなわんわ。」とか、「ぼーっとしてたら変なおっちゃんが、家あるんかって聞いてきよったわ。あるっちゅうねん。」とか私に報告しては、シャワーを浴びていた。
祥一郎・・・・・・・・
お前の人生に陽のあたる時期はあったのかい?
46年の短い人生、その半分ほどはおっちゃんと一緒だったけど、おっちゃんは自信を持って
「俺と出逢う前より、いい人生やったやろ?」と言えるだろうか・・・・・・・
二人で暮らし始めても、苦労が絶えなかったものね。
おっちゃんはお前に、目いっぱ明るい陽の光を浴びせてやれなかったのが、悔しい・・・・ごめんね祥一郎・・・・・・・・
でも、でもね、世界で一番お前を愛していたと、それだけは自信をもって言えるよ。
生まれ変わっても、また苦労をしても、お前と一緒に暮らしたいと思うよ・・・・・
それは本当にそう思うんだ・・・・・・・お前がそのおっちゃんの言葉を聞いてつんと横を向いても。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今でもあの公園を一人で歩くことがある。
戯れる家族連れ、暇を持て余す老人達、ボール遊びに興じる若者に混じる中で・・・・・・・・
祥一郎、お前が、
お前が居るんじゃないか、お前の幻が見えるんじゃないかと、何度も何度も振り返りながら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うちの近所に、清水坂公園という、木々などあまり茂っていない、芝生の広場があるくらいのしょぼい公園がある。
日差しの柔らかいこの時期、祥一郎はよくこの公園で日向ぼっこをしていた。
私が所用で部屋に戻って来て、祥一郎を探すと大概この公園で日向ぼっこをしていた。
とにかく陽に当たることが好きな奴だった。
初めて逢ったあの日も、真っ黒に日焼けして目立っていた。そうでなければ声をかけなかったかもしれない。
亡くなったあと、遺品整理している中で日焼けサロンの会員カードが何枚も。
「この時期の紫外線が、一番肌に優しくてよう日焼けするねん。」とか言いながら、毎日のようにその公園に出掛けて行った。
貧乏で冬の間は日焼けサロンなどあまり行けなかったものね。この季節、太陽を取り返そうとするように、祥一郎は陽の光をいっぱい浴びていた。
部屋に帰って来ては、「あのな、隣で寝ころんでたにいちゃんが、ちょっとイケメンやってん。」とか、「ガキがうるそうてかなわんわ。」とか、「ぼーっとしてたら変なおっちゃんが、家あるんかって聞いてきよったわ。あるっちゅうねん。」とか私に報告しては、シャワーを浴びていた。
祥一郎・・・・・・・・
お前の人生に陽のあたる時期はあったのかい?
46年の短い人生、その半分ほどはおっちゃんと一緒だったけど、おっちゃんは自信を持って
「俺と出逢う前より、いい人生やったやろ?」と言えるだろうか・・・・・・・
二人で暮らし始めても、苦労が絶えなかったものね。
おっちゃんはお前に、目いっぱ明るい陽の光を浴びせてやれなかったのが、悔しい・・・・ごめんね祥一郎・・・・・・・・
でも、でもね、世界で一番お前を愛していたと、それだけは自信をもって言えるよ。
生まれ変わっても、また苦労をしても、お前と一緒に暮らしたいと思うよ・・・・・
それは本当にそう思うんだ・・・・・・・お前がそのおっちゃんの言葉を聞いてつんと横を向いても。
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今でもあの公園を一人で歩くことがある。
戯れる家族連れ、暇を持て余す老人達、ボール遊びに興じる若者に混じる中で・・・・・・・・
祥一郎、お前が、
お前が居るんじゃないか、お前の幻が見えるんじゃないかと、何度も何度も振り返りながら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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