2011年3月、僕は日本の原発爆発放射能漏れを恐れて上海へ脱出したのですが、初めて街を見て歩いた時画材屋さんばかりが軒を連ねる通りに出て、その値段の安いことに驚いて即刻これらを買い求めました。手前の簡易イーゼルが日本円で1000円前後、48色ソフトパステルセットがやはり1000円前後、ヒクサ―スプレー缶、スケッチブック2冊、ナイロン筆セット、全部ひっくるめても3000円以内といえばその安さを皆さんにも納得してもらえるでしょう。日本でなら手前のイーゼルだけで一万円以上とられるでしょう。これまではダイソーの100円パステルしか使ったことがなかったのでこの48色セットがとても嬉しく、子供のようにはしゃいで毎日人物スケッチにいそしみました。滞在期間は40日だったのですが、鉛筆スケッチを含め随分の数描きました。本当に紙と鉛筆さえあれば退屈しない経済的な人間なのです。
2009年に帰国してからはスターの絵をよくパステルで描いています。これはタクシー家業に復帰したので持続力を要する油絵よりも数時間で仕上がるパステル画のほうが手軽に思えたからでしょう。
カナダで油絵を始めてからは人物描写にばかり力を入れていましたが、ポルトガルでは風景をスケッチするために度々外に出ました。鉛筆やペンでもたくさんスケッチしましたが、パステルでもたくさん描きました。しかしいくら風景スケッチをしても女の人を描くようには進歩しませんでした。これはやはり情熱の問題なのですが、僕はやっぱり女の人に最大の関心が向いていたのでした。(笑)女の人こそが僕にとっては終生変わらない主題でありました。(笑)