2009年に帰国した僕はポルトガルの優雅な画家生活から一転してどん底の貧乏生活に陥ったのでその悲しみと言ったらなかった。とてもこんな国では住めないと思って到着したその足でHISに走り格安航空券を求め、帰国後一週間で古巣であるマレーシアを目指した。しかし、そこでもポルトガルで体験したような画家生活は夢のまた夢であって、僕はポルトガルで引き留めてくれる友人があったにもかかわらずあんなに簡単にポルトガルを捨ててしまったことに対する後悔の日々が続いた。そんなある日僕は懐かしいリスボンを背景にしたファドのビデオをみたのだった。歌手は美しいKatiaだった。僕は彼女にぞっこんとなり彼女の甘い歌声を毎日聴き続け、そして彼女の美しい姿を50点余りも描いたのだった。そしてポルトガルにもう一度帰り着けることを願い続けたのだった。