リスボンに行かれる機会があれば是非とも路面電車28番にご乗車あれ。周回電車なので乗車駅まで戻れるし、歴史ゆたかなアルファマ地区を民家の軒をかすめて走ってくれるので、その醍醐味と言ったらない。まさに民家の壁と30センチほどしか離れていないところを走り抜けるのだ。それにいつもきまって見られるのは電車の外壁にぶら下がって移動する無賃乗車たちの姿だ。これなど絶対に日本の常識では通らない風景だが、そういう行為を大目に見ているポルトガル人のおおらかさが僕にはたまらない魅力なのだ。それと都会の真ん中にケーブルカーがあるのは世界中でこことサンフランシスコだけだと言われている。僕は三か所でケーブカーが運転されているのを目撃したが利用するには至らなかった。年老いた今ならばきっと利用したことだろう。