毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

野性イノシシとの出会い

2025-01-26 05:11:36 | 動物画

油彩 15x20㎝ 2019年

外国のビデオでは大きく成長しない仔豚サイズのぶたをペットにしている絵をよく目にするのだけど、日本人がこれをやっているのはまだ見たことがない。僕はぶたはとても良い性格をしていてペットにすればきっと可愛い生き物だと見ているのだけど、トイレのしつけは出来るのだろうか、そこがネックだと思う。数年前にオーストラリアの友人を案内して奈良公園を散歩していたら東大寺の裏当たりの静かな庭園に真昼間猪が現れたのには驚いた。あたりには草をはむ鹿の集団がいたから安全だと思って出てきたのだろうか。それとも己れ自身を鹿と間違えてのことか、意表を突くたいへん面白い光景だった。

僕はどういうわけかイノシシとは縁があるようでよく山を散歩していては彼らに遭遇したものだ。次の写真は芦屋のロックガーデンを登り詰めたところで出会ったはぐれイノシシだった。完全に成長した巨体だったけれど少しも暴力的な感じはしなかったので、連れのカナダ人女性ともども我らの昼食を分け合ってひと時を過ごした。

このロックガーデンのイノシシはまた別の機会に今度は10頭近い大家族で移動していたのに遭遇したことがある。細い山道のことなのでこの真正面での出会いはお互いに驚きだったようだ。こちらは二人だったけど相手は10頭ほどの大所帯だ、それでも驚いて山から地響きを立てて降りてきたのが急ブレーキをかけて立ち止まったのだから面白い。とてもすれ違えるような山道ではなかったから、僕たちは斜め後ろの大木の陰に後退しafter youと声をかけて道を譲った。すると彼らは素直にその道を駆け降りて行ってなんの騒ぎにもならなかった。しかし彼らを写真に収める余裕はなかった。それが今思えば残念ではある。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海外で初めて見た野生動物

2025-01-22 08:51:56 | 動物画

油彩 26x36cm 2010

僕は一生を通じて一度も出会ったことのない野生動物を海外で初めて見て感動することが幾たびかあった。その最初は野生のリスで、ニューヨークのセントラルパークでベンチに腰を下ろし本を読んだいたら、肩のあたりをちょろちょろする生き物があったので見ると可愛いリスだった。すぐにポケット中のビスケットを細かく割って進呈したら僕の手の中で食べてくれた。これに味を占めて次の日はピーナッツを持っていったらこれも喜んでくれた。これはカナダやイギリス、台湾、マレーシアでも体験して楽しい旅の伴侶となった。ところが不思議にも日本では野性のリスに一度もお目にかかったことがないのである。皆さんはお目にかかった体験がありますか。

その次に感動したのがハミングバードでこれはマレーシアで初めて目にすることになった。花に近寄って蜜を吸う様子はミツバチに似ているが巨体なのでハッと驚いたらこれが初めて見るハミングバードという生き物だった。これも日本では見たことがないのだけど、日本には全くいないのかしら。

日本にも昔はいたが今はまれにしか見られない生き物に家守がいる。これは東南アジアの国に行けばどこでもふんだんに見られ、僕は屋台街で夕食をしているときはこれを観察しながら食べるというのが楽しみだった。餌を捕まえるのも交尾をするのもひどく敏捷で次の行動を読むのが面白かった。大きな家守の低音の鳴き声もいまだに僕の耳には残っている。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

竜宮城

2025-01-22 06:13:04 | 動物画

油彩 26x36㎝ 2014

20年近くも外国を放浪して帰国してみればもう自分の存在などはすでに忘れ去られてい、帰国の報告を書いても返事ももらえなかった。もう旧の友情は復活しなかった。こちらからも彼らを訪ねようという気持ちにはなれなかった。だから正真正銘孤独の中で還暦を迎えた。それが2009年でそれからこっち日本人と親しく会話を交えた記憶がない。だから電話も持たないことにしている。最近住民の戸別訪問をしに来た地元の警察官が電話番号を訊くから、電話を持っていないことを告げると、そうですかそれなら振り込み詐欺の心配はありませんね、と笑っていた。振り込み詐欺など全くそんなものに引っ掛かる人間のいることが僕には理解困難だったのだけど、水道局や何やら市の職員と偽ってドアを開けさせすぐに強盗に変身するグループ犯罪などを聞くにつけ、日本の社会が非常に物騒になっているのを体感する始末だ。それも闇バイトと呼ばれるインターネット利用の犯罪組織に若者が引きずりこまれている現状を思えば、哀れでならない。僕は海外ではそんな不安を覚えることもなく、友人にも恵まれ、いつも美人に囲まれて生活していたのだから、あとでそれを振り返ればまさに竜宮城のお話のように思われてならない。年齢的にも40代前半から60前であるからまだ男盛りだといってよい時期だったのは実に幸運だった。高齢者となった今では例え金と時間がふんだんにあったとしても、あのような甘い体験はできなかったにちがいないからだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奈良公園の鹿

2025-01-21 06:14:58 | 動物画

油彩 30x30cm 2012

数年前の夏オーストラリアの友人を案内して奈良公園へ出かけたら日本人の観光客の数より多い外国人観光客の数に驚かされた。鹿の群れの中にも異種が混じっていてこれまた驚きだった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

親離れ子離れ

2025-01-15 02:44:22 | 動物画

水彩 10x15cm 2016

旧のアパートはベランダと台所が直結していたので、台所の床の上にお米をばらまいて雀を呼び込んでいた。本当はベランダで餌付けできればフン害がなくてよいのだけど、それをやればアパートの住人から苦情が出そうだったので、台所の開き戸を開けて人目につかないように台所に招き入れて生米をシェアーしていた。初めはたった一羽の訪問だったのだけど、2,3日もすれば友達や家族を引き連れて押し寄せてくるようになった。しまいには50羽くらいに膨れ上がって、自分の主食であるコメは完全に彼らに食べられてしまう有様だった。それでも彼らを追放できなかったのは自分を訪ねてくる友が一人もおらず、孤独と貧乏のどん底を味わっていたのでやけくそになっていたのかもしれない。(笑) 彼らは雪の日も雨の日も日中2時間おきにやってきた。それが数年続いたので何回も母親に連れ添ってひな鳥がやってくるのを目撃した。みんな1羽か2羽の子供を従えていたが、この雛たちはピヨピヨと甲高い声を張り上げ、両の翼を小刻みに震わせ母親に餌をねだるのである。その都度親鳥は休みなしに働いて子供に口移しで米を与えるわけである。この子供たちは随分と成長して自分で食べられそうになってもやはり親からの口移しを要求するのである。米の小山の上に陣取った子供が自分より低い位置にいる母親に餌をねだっている光景はちょっと見ものであった。もう体つきも羽根の生え具合も親鳥とそう違わない子供が頑強に口移しをねだるのである。そして親鳥は自分が食べるのも忘れたかのように子供に尽くしているのである。親離れ子離れの難しさはこんな小さな生き物にまで及んでいるのかもしれない、と思ったものである。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする