2016年には自分流に水彩画が分かったと思った勢いでたくさん模写にも挑戦してみた。油彩で描かれた古典名作を水彩で真似てみることもしたが、これはいつも自分が油絵でやっている出発の過程と同じことなので格別の趣はなかった。これ以後今に至るまでぷっつりと水彩画から離れている。もう9年間も空きになっている。本人は水彩画を描きたいつもりでいるのだけど、時間が許さないのである。年寄りになると本当に時間が少なくなっていくのである。だから若い人たちには言葉を重ねて言いたい、若いうちにうんと励んでほしいと。
2016年には自分流に水彩画が分かったと思った勢いでたくさん模写にも挑戦してみた。油彩で描かれた古典名作を水彩で真似てみることもしたが、これはいつも自分が油絵でやっている出発の過程と同じことなので格別の趣はなかった。これ以後今に至るまでぷっつりと水彩画から離れている。もう9年間も空きになっている。本人は水彩画を描きたいつもりでいるのだけど、時間が許さないのである。年寄りになると本当に時間が少なくなっていくのである。だから若い人たちには言葉を重ねて言いたい、若いうちにうんと励んでほしいと。
2010年まで何とか水彩画が好きになりたいと思ってその上達を願っておりましたが、どうしても自分が考えているような美しい絵が描けないので、ストレスがたまる一方でした。それでとうとう水彩画習得は断念してもっぱらパステル画に傾倒していきました。それで水彩画は2016年末まで一枚も描きませんでした。2016年の末になって急に水彩を再び始めたのは自分独自の画法を編み出したからなのです。これは日本の水彩画家の描き方とは大いに異なると思うのですが、まずはモノクロで下絵を描きこれが完全に乾燥してから色を載せるという伝統的油絵と同じ方法を採用してみたのです。これが自分にはひどくしっくりと感じられ、今後はこれで行こうということになりました。これでやっと水彩が好きになり自信も持てるようになりました。水彩の利点は絵筆の洗浄が実に簡単であるということです。だから老後は水彩画家になりたいとこのころから考え始めたのですが、油絵の具のチューブがまだ大量に残っているのでこれを何とか死ぬまでに消費してしまいたいと考えて、今は水彩で描きたいにも拘わらず油絵にこだわっている次第です。
風景画はあまり得意でないと思ったので好きな人物画で勝負をしようと思って2010年からたくさん人物を水彩で描くことにしました。ところがやはり油絵に比べて発色が劣るので、ストレスがたまるばかりでした。
2009年は更に水彩に挑んだのですが、どうしても満足できるものが描けません。それはそのはずで始めて数か月でマスターできるほど水彩は生易しい画材ではないのでした。ことに自分のようにパステルや油絵になじんだ身には水彩はどうしても発色が悪いように思えて何枚描いても自信が持てないのでした。
前述の画家ホセは油絵よりも水彩に才能を発揮していつも水彩でシントラの風景を描いて人気を得ていました。それで2009年には僕も心が動いて水彩を何とかものにしたいと思い立ったのです。それでいつものように名画と思われる水彩のお手本を見て模写を試みたのですが、自分にはこの画材は使いこなせないのではないか、不向きなのではないか、という批判的な内心の声に脅かされ続けました。