前述の画家ホセは油絵よりも水彩に才能を発揮していつも水彩でシントラの風景を描いて人気を得ていました。それで2009年には僕も心が動いて水彩を何とかものにしたいと思い立ったのです。それでいつものように名画と思われる水彩のお手本を見て模写を試みたのですが、自分にはこの画材は使いこなせないのではないか、不向きなのではないか、という批判的な内心の声に脅かされ続けました。
oil 26x36cm 2016
彼はポルトガルで僕が最も親しくお付き合いをさせてもらった画家であります。シントラという世界遺産の街に住んでいて、有名なパレスが真ん前に見えるに位置に豪華なアトリエ兼ギャラリーを構えています。当時彼は自作の絵の販売と13人の生徒にレッスンを施して生活を立てていました。知り合った当時は二人の子供を抱えてシングルの生活をしていましたが後に再婚をしました。もう二度と西洋夫人とは結婚しない、次は東洋の女性を妻にする、と口癖のように言っていました。そしてそれは現実になったのでした。