マラッカは僕にとって英語道場であり絵画指南場でもありました。ここに足掛け3年ほど滞在していたのですが、この三年間は外大と美大へ進んだほどの成果がありました。30年前には日本の物価の6分の1くらいでしたから、100万円持ってゆけば二年間優雅に暮らせたのでした。その後世界遺産に登録されてからは一変して商業主義に変化してしまいましたが、それでも日本の比ではなくいまだに人情と詩情のある街だと思っています。この街に落ち着くことがなかったら、日本脱出を果たしていなかったら、僕は今頃何をしていたかと思うと惨めな想像しか浮かんできません。夢のない貧困老人を演じていたことは間違いがないでしょう。僕は本当にラッキーだったと思います。ありがとう、マラッカの街と人々。
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