木の駅プロジェクト というのを知りました。
http://kinoeki.org/
間伐材利用の仕組み・体制づくり ~搬出から利用・商品化まで~ 「木の駅プロジェクト」の顛末 というPDFもリークされています。
www.green.or.jp/bokin/download/tokutei10-ref04.pdf
丹羽 健司((NPO)夕立山森林塾 副理事長)さんの基調報告の概要です。
「土佐の森・救援隊」林地残材活用システムを参考に、岐阜・恵那地域の人工林再生、地域再生をめざす「木の駅プロジェクト」を立ち上げた。2009 年12 月 10 戸から2週間余で軽トラ150 台分、計56tの林地残材がチップ工場等に売られる・・・・丹羽さんはこれまでに、「足助きこり塾」「とよたオイスカ森林塾」「矢森協」「伊勢・三河湾流域ネットワーク」「(NPO)都市と農山村交流スローライフセンター」「(NPO)夕立山森林塾」「(NPO)山里文化研究所」「矢作川森の健康診断」「森の健康診断」運動 09 年から夕立山森林塾で「木の駅プロジェクト」を開始、という経緯で活動されてきています。
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プロジェクトの
柱は軽トラ この木の駅プロジェクトの柱は
軽トラだと思っています。
軽トラは山村の必需品です。
チェーンソーもどこの家にもあります。6,000 円/t では人を雇っても商売にはなりませんが、自分の小遣い程度にはなります。地域住民、山主たちが
主人公になります。これまで我々は、そこになかなかアプローチ出来ませんでした。
「木の駅」という名前を付けました。
出荷には
50cm 以上、末口6cm 以上であればOKとしました。集荷場所は、地域に1,400ha ある財産区の議長さんが「うちの土場を使ってくれ」と、1ha を二枚をポンと提供してくれました。計量機が無いので、末口長さを検尺して、一年364 日開店しているスーパーに伝票を提出す・・・
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すいませんね、字が細かくて。ちょつとの間ご辛抱を
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◆ ①>軽トラで出せる。 ②切り捨て間伐とも有効にリンクでき、
プロとアマが補完しあえる。 ③人を雇っての商売にはならないけど、
自分のこずかい程度にはなるほどほどの仕事「
半業」がgood! ④自分だけでない、地域を丸ごと元気にする
モリ券効果は絶大 ⑤人間を信頼して
効率を追わない優しいシステム。 ⑥住民が
主人公!ヨソ者も大切。
◆ 巨大プラントがなくても、恵那でも
日本のどこの山村でも設置でき持続可能なモデル構築を目指した。
事前・事後の徹底調査が命
土佐の森方式があまりにも素晴らしいので、細かいところまでも出来るだけ真似しようと思ってやりました。どこでも出来るシステムにするには、森の健康診断も同様ですが、
事前・事後の調査を徹底にやります。そうすれば、ノウハウも伝えられます。
事前調査では、林家の多くは小規模でした。これはどこも同じで、豊田も土佐も本当一緒でした。商店は
がけっぷち状態で、十数軒しかありません。
事後調査では、搬出については、全員が予想通り、あるいは思ったより簡単、と好評でした。検尺については、大変だが、面白い、またやりたい、なんでもっと長いことやらないのか、などの意見が多かったです。モリ券にお釣りが出ないことが結構あるかと思ったのですが、みなさんお釣りが出ないように、
頭を使いながらやっていました。そのゲーム性も楽しいようです。
これを機に、これまで行かなかった商店へも行くようになりました。自分使いきれんかった
モリ券は、嫁さんや孫へあげるという形で、いろいろなコミュニケーションも生まれていきました。
商店もすごい喜びました。
たった1 年でこれだけ出来たというのは、言うだけは簡単ですが、こんな歴史があります。2005 年に恵那の地域で森の健康診断をやりたいということで、我々が森の健康診断のリーダーを養成するために地域に行くことになりました。しかし、毎回我々から地域に派遣するわけにはいかないので、地域で自給するため、2006 年に夕立山森林塾を創りました。夕立山森林塾は5 回で100 人を養成し、森の健康診断から、山里の木々の地元学、石積み塾、炭・・・・・
◆「 木の駅」に出荷・・・
軽トラとチェーンソーくらいはどこも所有している。タンころ(C材)を搬出するくらいの体力と時間はある。片手間で気の向いたときに軽トラで出荷できるから気楽→儲けにならなくても、小遣いや晩酌代ぐらいには十分なる!→やる気満々→山林も時間も活用、人も地域も少し元気になる・・・・・
軽トラとチェーンソーくらいはどこも所有している> ・・・MHも、幸い、両方持っています。
林業における「木の駅」効果
下地が5 年かかりました。システムだけがいきなりポンと出来たわけでないことは知ってほしいです。目指すは流域内フェアトレード。
木の駅でC 材は年間2,000 万円になります。このお金が、「地域から一歩も出ない金として回っていくんだよ」、「その分地域が元気になるんだよ」と言うと商店の方は唾をゴクリと飲みます。しかも、C 材だけでなく、A 材もB 材も広葉樹も集めて、木の駅を中間ステーションにして仕分けしようと考えています。今後は炭窯や木工教室、薪ストーブ・薪ボイラーなどの販売斡旋という動きも出てくるだろうと思います。そういう可能性をいっぱい秘めています。
私たちは今まで、森を見て村を見ずだったのですが、聞き書きや森の健康診断など地域とのやりとりから、地域と一緒になるというのはどういうことなのか、ということが少しずつわかってきました。将来は、モリ券みたいな形で流域内フェアトレードがこれから出来ていくだろうと思っています。
・・・・・・(チェーンソーについて)認識の道具だと思いました。それまでは、手ノコでギコギコやっていた絶望感で終わるような間伐体験はやめようということで、チェーンソーを持つと認識が変わるんです。 それと同じように、地域通貨券を使い始めると考え方が変わるんです。例えば、「忘年会やろうよ」というと、いつもなら恵那の街中の駅前でやるのですが、「地域でやろうよ」という話になるのです。これは確実に人間を変えていて、そういう効果は想定外でした。この地域通貨券が一番大きな起爆剤となっています。コンクリートの中で頭デッカチでグジュグジュ考えているところから、いっぺんスパンと抜けられる、そういう認識の道具です。実際やってみてここだけは思ったのと全然・・・・
そうなんだー、キーワードはチェーンソーと軽トラ、だったんだー。なんだか勇気が湧いてきました。