毎年この頃になると出る、イグチ。食べられるかどうか、今一つ不安なので、ここ数年は獲ってきては写真に撮り乾燥させて保存・・・の繰り返しになっています。 大きさは結構「かさ」があるんですね、15cm長の立派なものです。乾燥させるといい香りはするので、食べたいのですが、自信がない。豊漁の年の乾燥物は、まだいい香りがしています。
図鑑で調べてもわからない。毒かもしれないし、うまいのかもしれない。とにかく、イグチ類はボリュームのある菌体で、管口部、と言って傘の部分が細かなストローのようなものの集合体となっておりまして、いわばスポンジのようなもの。
今年は天候が今一つで、待ち望んでいたタマゴタケも、小さなものがわずか一本出ていただけでした。それも見つけたときはすでに萎びてしまった状態。
このイグチも(名前がわかりませんので、香りイグチ、と言っておくことにします。)、大きかったのですが一本しか生えておらず、しかも元気がありませんでした。
傘の裏側です。
例年のものと比べると、張りが全くありません。天候の影響なのか、湿ってくたーっとしていますので、とりあえずザルにとって乾かすことにしました。
ところが!です。
翌日見てみると、キノコ全体がドロドロに溶けているではありませんか。
管口部に産み付けられた、コバエの卵が一斉に孵ったせいで、哀れ香りイグチはコバエの協力な消化酵素によって敢え無く溶かされていってしまったのでした。黄色い幼虫が、溶けた傘の海で蠢いています。
敷いておいた白い紙にもドロドロがついてしまっています。
イグチ類を食べる時、成菌にはこうしたコバエのタマゴがびっしりと産み付けられていることが多いので中毒や食あたり(キノコ毒より虫の毒)を注意したほうがよさそうです。