昨日はバス停での「バス停飛ばし」という運行事故について説明しました。
折角運行事故についてふれたので、良くあるものとして「運行経路逸脱」という運行事故についても説明したいと思います。
これは単純に道間違えのことで、良くあるものとしては、例えばある運転士がA路線とB路線、C路線を日替わりで運行していたとします。
この路線は、途中までは同じルートを通行していて、ある場所に来ると其々の路線に分岐します。
前日までA路線を3日連続で担当していた場合など、当日B路線にも関わらず惰性でA路線側を走行してしまうなどを云います。
バスは運行経路に沿って必ず運行する大前提があるため、このような単純なミスも運行事故になり運行記録に残ることとなります。
「運行経路逸脱」を犯した運転士は、その間違いに気付いた時点で直ぐに路肩に停車し、運行管理者に事の顛末を報告し、回復ルートの指示を受けます。
間違っても、バス運転士の自己判断で回復しては行けません。
万一、報告なしに回復中の事故を犯した場合や乗客がクレーム電話を入れた場合、バス運転士の自己責任が発生する場合があることはもちろん、バス会社も行政処分の対象になる可能性があります。
バス会社は、予め運行経路を運輸局に届け出た上で運行しています。
この運行経路を逸脱することは、本来はあってはならないことで、適切な対応なしに運行経路外をバスが通行することは許されません。
この事は運行以外の回送ルートにも同様に適用されます。バスは、予め決められたルートのみ通行が可能な乗り物なのです。
「間違えました」とアナウンスして元のコースに戻るバスに乗った事があります。
こんな事もあるんだなあとホッコリしました。
昔と違って最近はカスハラが増えたのでどんな仕事も大変ですよね?
このあいだ25分間高速バスで吠えていたクレーマーがいたことがニュースで流れましたが、今の時代コースを間違ったらあんな人にギャーギャー言われそうですね。
私の場合、大声のカスハラはそうはありませんが、嫌みを言われることはしばしばあります。
路線バス運転士になりたてのころは、社内マイクのアナウンスが暗く不機嫌に聞こえたため、大声のクレームはありました。
しかし、営業職を行っていたときの様に、半音高いトーンで笑顔感で明るくアナウンスをしてからは、あからさまなカスハラは無くなりました。
逆に乗車時に乗客からの労いの言葉を頂いたり、ファンになってくれる女性(高齢者が多いのが残念)なども出てきています。
路線の相性もありますが、頻繁なカスハラに悩む運転士は運転士側の責任が多いように感じます。