Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

バスの発進保護と運転士の優先意識(復活)

2024-02-26 00:31:40 | 日記
道路交通法では、公共の交通機関である路線バスには、発進保護、専用通行帯、優先通行帯などの他の自動車に比べ一定の優先が認められています。

本日は、その中でも路線バスの発進時の保護(道路交通法第31条の2)について、考えていきたいと思います。

路線バスの発達時は、最も車内事故のリスクが高く、運転士が細心の注意を払うときでもあります。

令和2年のバスの行動類型別車内事故件数割合では、発進時の車内事故が最も多く全体の約4割を占め、次に急停止時、等速時、減速時がそれぞれ約1割5分と多いです。

そのため、この運転士が細心の注意を払う発進時に法令での保護がされることは、非常に路線バス運転士としてありがたいことです。

因に、この道路交通法第31条の2の条文は、「停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車(路線バス)が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図した場合、後方車両は、その減速又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車(路線バス)の進路の変更を妨げてはならない。」と、定められています。

要するに、停留所からか路線バスが出ようとウィンカーを出した場合、後方の車両は進行に無理が発生しない限り、路線バスの進路変更を妨げてはならないと云うことで、違反した場合は、罰金などが科されます。


さて、実際の一般ドライバーは、どうでしょうか?私の感覚では、ほとんどのドライバーが守ってないように感じます。

たまに、路線バスの発進に配慮いただけるドライバーの方がいるときには、ものすごく感謝します。

よく、「警察は、何で取り締まらないのか?」という声を聞きますが、公務員の比例原則から有限な公金を使用して取り締まりをする以上、重要案件から優先順位つけて行うことは当然で、まだ積極的な取り締まりの対象とはなっていないということでしょう。

但し、事故が起こった場合は、発進妨害についても責任追及がされる場合がありますのでご留意ください。

このような状況のなか、事故を防止する方法としては、路線バスの運転士が優先意識を捨てて、大きなものを通行させていただいているという謙虚な態度で運転するしかないのが現状です。

実際のバス会社の新人研修でも、優先意識の排除や譲り合い運転について、厳しく指導されます。

私も、この事に留意し、落ち着いて乗務したいと思いました。

尚、タクシーには発進保護の条文は適用されませんのでご注意ください。たまに、誤解されているタクシードライバーの方もいらっしゃいますが、おそらく、乗合と乗用の違いを混同しているのと思います。



投稿記事が消えてしまった。。。

2024-02-25 23:39:34 | 日記
先ほど投稿した記事が、gooブログ機能の操作ミスで、消えてしまいました。

自分のなかでは、最高の傑作だったので残念です。

本当残念、無念です。

明日からまた更新頑張りますので、よろしくお願いします。

公休出勤と社内の人間関係の調整

2024-02-24 08:21:39 | 日記
バス会社では、休日の次の日が出社の場合、必ず午後に翌日の勤務確認の電話を会社に行います。通常は、事前に予告されていたシフト内容と同じです。

しかし、稀に予定されていたシフトと違う内容を会社からお願いされるケースもあります。

私の場合、事前に通知されていた本日の予定は「午後出社からラストまで」でした。しかし、急遽欠員が出たため、午前のシフトの半分をプラスしたシフトとなりました。

「明日は、午後出社だから家でゆっくりできる!」と、安心しきった心に一瞬冷や水をかけられたような気持ちになりました。

しかし、ここで嫌な顔をせずに快諾することで、会社に対する好印象を積み上げていき、今後のバス人生を円滑にすすめる上での布石となると私は考えています。

今の時代は、20、30年前と違い、官庁の指導も厳しく「快諾=気が弱い」とみなされ、バンバン公休出勤をお願いされるような無茶は考えにくいです。

常識の範囲内ならば、会社のお願いを聞いて協力的であることを印象付けた方が良いケースが多々あります。

バス業界は、古い業界で田舎にいくほど、乗合→高速→貸切とキャリアアップするほど、地元の先輩後輩などの古い人間関係を引きずった人が多いです。

ベテランの中には、中高生の頃の地元の繋がりをいまだに引きずっている方もいて、会社の運営やシフト、人事などにも口を出す運転士もいるほどです。

そうでなくても、上下関係は他の業界に比べ古く厳しい傾向にあります。

特に新人や若い運転士は、しばしば戸惑いがちで退職原因にもなる潜在的で根深い問題です。

こういった人間関係の密かな守り神が、運行管理者だったりします。特に普段から協力的な運転士には、人間関係の間にはいって上手に調整してくれることがあります。

そう考えると、公休出勤の要請もバス人生を長く円滑に続けるための密かなチャンスのように感じます。

運行管理者は、きつくて離職率も高いと云うが。。。

2024-02-23 13:34:43 | 日記
今日は、仕事が休みのため長めにぼやきます。

インターネットで、バス会社の運行管理者の仕事内容や給与、待遇について検索すると、大抵はきつい、給与が安い、ドライバーから激詰めされるなどネガティブな内容が散見されます。

対して、貨物運送の運行管理者は大変さは変わりませんが、バス会社会社ほどきつそうではありませんでした。

貨物運送の場合、バス会社の運行管理者に比べ給与も若干高く設定されている印象がしますし、仕事も比較的楽そうな印象がします。

ここで、断っておきますが、世の中給与が高くて楽な仕事なんて存在しません。

必ずそれなりの理由があり、実際多くの従事者の方は「仕事に対して、給与が安い!」と感じていることが実情です。

一部の大手企業、地元の老舗企業の給与や待遇ばかりがクローズアップされていないか?

人材を集めるために、嘘とはいいませんがデコレーションされた求人内容になってはいないか?

一時的な、バブルのような状態になっっていないか?その他、いろいろありそうです。

そもそも貨物運送は、バス会社に比べ事業者の数も格段に多いです。

平成30年度の全国の貨物運送事業者数は約6万社、です(国土交通省発表)。中でも一般(トラツク)貸切運送事業者が5万7千社で、大半を占めます。

対してバス事業者に至っては、平成30年度で全国の乗合バス事業者数は約2千2百社、貸切バス事業者は4千百社です(国土交通省発表)。

バス会社の場合は、乗合と貸切が重複しているところもありますので、全国5千社位と観るのが妥当と思います。

同じ旅客運送のタクシー、ハイヤー事業者は、平成30年度の法人の事業者数(個人タクシーは除く)は約1万7千社です(国土交通省発表)

バス会社とタクシー、ハイヤー会社を合わせてた旅客運送数(個人タクシーは除く)の合計は、全国で2万2千社と貨物運送数に比べ半分です。

バス事業者数に至っては、貨物運送数に比べて10分の1しかありません。

もっと云えば、社会的に公共性の高いと云われる乗合バスに至っては、トラック事業者と比べて25分の1です。

観てのとおり、貨物運送事業者は乗合バス事業者に比べて、圧倒的に数の上で多いです。

大手の事業者のようにしっかりとした管理体制が確立された事業者もあれば、そうでない中小企業群もあります。

日本は、約9対1の割合でに中小企業の方が大手企業よりも数が多い国です。

貨物運送の運行管理者の求人の一部が好条件だからといって、安易に飛び付くのはいかがかと思います。

勿論、大手貨物運送の運行管理体制のしっかりした運行管理者になれれば数少ない当たりクジですが(普通は、こう云う当たりクジは、新卒の総合職採用者から優先に配属されます。)。

次に、貨物運送事業者と旅客運送事業者の大きな違いは、なんでしょうか?

貨物運送事業者は、荷物(危険物を含む)を運びます。そのため、運転免許証も一般的な普通免許と同じ一種免許で運転が可能です。

但し、危険物や毒劇物、冷凍物品などの特殊な荷物の運送や、フォークリフト使用などの重量物の積込には、それに見合った免許が運転免許証とは別に必要になります。

もちろん、事故を起こした際は、二次的な被害として大惨事になる可能性もあります。

また、多大な損害が発生する責任重大な仕事ではあります。

しかし、直接的に赤の他人を有償で運送をしていないため、運転免許証は一般ドライバーと同じ一種免許です。

対して、旅客運送事業者は、赤の他人の運送を有償で行うため、免許証も一般ドライバーと異なる2種免許が必要です。

事故を起こした際は、二次的に周囲に多大な迷惑が発生することはもちろん、直接的に契約の当事者である旅客の心身や命が危険にさらされる場合もあります

以上のことは、貨物運送事業者と旅客運送事業者の優劣や責任の大小について云っているのではありません。

物を有償で運ぶのか、事故を起こしたら取り返しのつかなくなる可能性を含む人(命)を有償で運ぶのかの違いについて云っているのです。

人の命を有償で運送するため、運転免許証の中に必要な資格が含まれていると云うことです。

当然、旅客運送事業者は貨物運送事業者に比べ、その運行管理責任も監督官庁やその他の公的機関からシビアに責任追及されがちです。

最後に、旅客運送事業の中の「乗合バス事業」と「貸切バス、タクシー、ハイヤー事業」の違いは何でしょうか?

それは、公共性の高さの違いにあると考えます。当然ながら乗合いバス事業が断トツに公共性が高いです。

普通に電車とバスが止まったら、通勤、通学、生活が、相当程度の人に支障が出ることは誰でも分かる自明の理です。

例えば、バスが止まった場合、1日、2日ならタクシーや自転車、徒歩で通うことも考えますが、これからずっととなると生活を困難にすることは目に見えています。

みんながみんなお金持ちや、若者のような体力があるわけではありません。

そうなるとバス事業者の経営状態により、運行が止まったり、バラつきが出ないようにするため、ある程度公的なテコ入れが必要なことは分かると思います。

特に乗合バス事業者の多くは、上記のようなテコ入れがある可能性が高いため、安定運行が確保されやすい反面、運行や運行管理体制については、他の事業者よりも監督官庁やその他の公的機関の厳しい監視を余儀なくされます。

そのため、運転士や運行管理者の募集、選考、採用に至っても、無茶なことはやりづらいことが、安易に想像できます。

ことに運行管理者については、業務の複雑さから直ぐに辞めてしまうため、内部の運転士経験者から採用される傾向が若干増えてきている印象があります。

以上のことを踏まえて、運行管理者を希望される場合には、きつい、最初は給与が安いことを覚悟した上で、いかにして自分の待遇を上げるかを模索することが大切に感じます。

私の場合、国内旅行業務取扱管理者の資格も取得して、観光バスや特定バスの営業職も兼務できる人材になれば、給与面が相当改善されるのでは?と思っています。

特に路線バス会社の運行管理者の場合は、監督官庁の年次監査により、厳しい(激詰め)指摘項目をクリアしていく作業があります。

普通の事業者の場合、ここまで厳しく指摘されないであろう労働安全衛生管理体制なども、容赦なく指摘されます。

但し、これをクリアできる人材になれば、ビジネスマンとして相当強いメンタルと実務能力が身に付くと思います。

運行管理者は、運転士が直接乗客から受けるクレームの類いも一次的に受ける職でもあります。

そのため、運転士は安全運行に注力しやすい環境が整備されています。

運行管理者は、大変ですが運行全体考えると欠かせない重要な仕事です。

今の年齢から20歳引いた感覚で仕事ができます。

2024-02-22 12:58:02 | 日記
バス会社の面白いところは、高齢化社会が業界および利用者が伴に他の業界より進行しており、むしろそれを上手に楽しんでいるきらいがあります。

例えば、45歳からバス運転士に転職したとしても、会社の中の平均年齢が55歳位のため、20年前の常識で云う25歳位の感覚で仕事が始められることです。

会社の平均年齢が他の業種よりも高いため、10年勤務しても平均年齢に到達するぐらいで、何ら無理なくキャリア形成が可能です。

そのため、新卒から約20年間不遇を過ごしたロストジェネレーションなどの世代には、最もおすすめできる業界でもあります。

バス会社は、バス運転士だけで成り立っているわけではなく、運行管理者や内勤のサポート部署の人員などのすべてで運営されています。

未経験で40歳以上の方の場合、最初は運転士として採用される場合が、圧倒的に多いです。

しかし、運行管理者の資格を取得し、内勤の経験を生かしたい、または、経験を新たに積みたいと思った場合、2、3年運転士勤務をすれば比較的簡単に希望が通りやすいです。

但し、大手バス会社の場合は、経理業務や本社の管理部門で働く場合は、新卒で総合職入社の方が優先されがちです。

さて、高齢化しているのはバス業界だけではありません。バスの利用者も伴に高齢化していることが、面白いところです。

昼間の便などは、ほぼほぼ乗客が高齢者の方であることは、しばしばあります。

本当に、男女ともアラフィフ、アラフォー、アラサーなどは、全員若い人です。

多少過去に漂流した経験のある40代など、全く問題のない業界でもあります。