ウォーク更家の散歩(東海道・中山道など五街道踏破、首都圏散策)

根岸界隈 散策 2015.3.4


(写真は「笹の雪」)

今回は、前回の谷中散策に続いて、根岸界隈を
散策します。

前回は、谷中霊園を抜けて芋坂を下り、羽二重
団子で一休みして、その向かいの善性寺まで
ご案内しました。
今回はその善性寺の前の道をスタートして、
山手線沿いの曲がりくねった、分かり難い路地
を、鶯谷方向へ向かいます。

鶯通りと呼ばれるその分かり難い路地沿いに、
写真の「子規庵」があります。

(公開:水土日、500円)
俳人・正岡子規が明治35年に亡くなるまで住んでいました。
ここでホトトギス、アララギを創刊しましたが、
また根岸派の俳句、短歌の会場でもありました。
建物の中を見学していると、病魔に苦しみながら
創作を続ける子規の様子が見えてくる様な気が
しました・・・
(建物内は撮影禁止)
 ”物思う 窓にぶらりと ヘチマかな”

建物は、戦後の復元ですが、子規好みの庭は
当時の雰囲気を残しているそうです。

(子規庵の庭のヘチマ棚)

子規庵を出て直ぐに路地を左折し、少し戻ると、
写真の「根岸三平堂」があります。



(公開:水土日、600円)
ここは、林家三平の愛用品やネタ本を展示した
資料館です。
毎月第三土曜日には落語会を開催しています。

根岸三平堂の前の道を入谷方面へ真っ直ぐに
進みます。
この道を、尾久橋通りを斜めに横切ってそのまま
直進し、根岸4丁目の信号を左折すると、直ぐに
写真の「御行(おぎょう)の松」があります。



御行の松は、江戸名所絵図や、広重の錦絵にも
描かれた江戸名松の一つです。
現在の松は三代目ですが、初代の松の枯株も
残っています。境内には、落語「お若伊之助」
の「狸塚」があります。

御行の松の前の道を、JR鶯谷駅方面へ真っ直ぐに
進むと、右手に写真の「西蔵院」があります。

西蔵院は、「根岸小学校発祥の地」で、小学校は
江戸時代に境内にあった寺子屋を引き継いだのだ
そうです。

西蔵院の前の道を更に歩いてゆくと、信号の左手
に、写真の「手児奈せんべい」があります。
ここで、お土産に写真の手焼き煎餅を買います。

手児奈せんべいの横の路地を少し戻り、金杉通り
を渡ると、写真の「小野照崎神社」があります。

平安時代の漢詩学者で歌人の小野篁(たかむら)
を祀っています。



戦災を免れた社殿は、1866年の創建です。

拝殿の横の高さ5メートルの「富士塚」は、国
重要有形民俗文化財で、江戸時代に、富士山の
溶岩を運んで造られたそうです。

富士開きの6/30と7/1には入山出来ます。

小野照崎神社の近くに、下谷七福神の一つで
毘沙門天を祀る「法昌院」があります。


本堂の前には、赤塚不二夫が建てたという
元ボクサーでタレントのたこ八郎の「たこ
八郎地蔵」があります。


写真の様に、髪型と、かじられて耳が欠けている
ところまで再現されたリアルなお地蔵様です。


法昌院の近くに「英信寺」があります。


英信寺の賽銭箱の上から下がっているのは、
珍しい108個の数珠です。


また、ここの大黒様は、変わったかたちの
「三面大黒天」です。




英信寺の前の通りは金杉通りですが、この辺りの
通り沿いは、写真の様に、大正時代の商店が並び、
懐かしい雰囲気が溢れるエリアです。

金杉通りを渡り、子規庵を目指して戻ります。
子規庵の手前の尾久橋通りと尾竹通りの交差点に、
有吉佐和子や林家三平が卒業した”下町の学習院
(?)”と言われる「根岸小学校」があります。

校舎の側面のレリーフは「御行の松」です。
根岸小学校の斜め前が、写真の元禄年間創業
「笹の雪」です。



当時、上野の宮様が、当店の豆腐を好まれ、
「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」
と称賛され「笹乃雪」と名付けられたので、
それを屋号にしたそうです。
「朝顔御膳(2,800円)」と焼酎のお湯割りを注文します。

(生け盛り なます)
 赤いお皿は、周りの物を、真ん中の豆腐に少しづつ混ぜながら食べます。

(笹乃雪 冷奴)


(あんかけ豆腐と胡麻豆腐)

あんかけは、2碗で一人前です。

これは、上野の宮様が、大変美味しいので、
来店の都度、2碗ずつ出す様にと仰ったのが
由来だそうです。


(湯葉巻き 豆乳蒸し)

(うずみ豆腐のお茶漬け)

(豆腐アイスクリーム)

井戸水とにがりを使用した昔ながらの豆腐の味
です!
豆腐だけで、こんなに色々な料理が出来るんだ!、と感動しました!

笹の雪で夕食を済ませ、JR鶯谷駅へ向かいます。

鶯谷駅北口の前に「元三島神社」があります。


下谷七福神の一つ寿老人が祀られていますが、
神社の建物の1階が居酒屋という、非常に
珍しい神社です。



JR鶯谷駅から京浜東北線で横浜へ帰りました。





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コメント一覧

更家
散策マップ
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
そう、私は、だいたい降りた駅の観光案内書で無料のパンフレットを貰ったり、観光地の土産屋で散策マップを買ってから散歩をスタートします。

本屋で売っているガイドブックよりも、地元のこういった情報の方が安くつくし、細かく正確だと思います。
Komoyo Mikomoti
ありがとうございます。
http://blogs.yahoo.co.jp/ya3249
散策マップは、現地で手に入るのですね。
更家
富士に二度登るバカ
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
此の記事を丁寧に読んで頂いて、六つものコメントをありがとうございます。
恐縮しますが、頑張りがいがあります。

浅草の石浜神社境内にも富士塚があるんですね。

そうですか、”江戸は多くて八百八講”、”お江戸にゃ講中八万人”と歌われたんですね。

私は、「富士に二度登るバカ」は、”単調な上り下りのコースだから2度は行かない”という意味だと、勘違いしてました。
iina
富士塚
http://blog.goo.ne.jp/iinna
小野照崎神社の拝殿横の「富士塚」が、国重要有形民俗文化財とは富士講の中でも、とくに有名だったのですね。

   江戸は広くて八百八町
   江戸は多くて八百八講
と、歌われた八百八講は富士講の数だそうで、八万人もの信者を数えたといわれます。

次にご案内する富士塚は、浅草北の石浜神社境内にありますが、先週4日に花見のときに友を観光案内したときに寄りました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/c73a7074bbd56aaf6ad1ae493f7e4428

(更家)さんの此の記事に、今度で6コメントを残してしまいました。それほど内容が豊富です。^^

更家
六道珍皇寺の庭
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
そうですか、小野道風は、小野篁の孫でしたか。

小野篁は、京で、夜はあの世とこの世を行き来していた、という話は、私も聞いたことがあります。

でも、京都の六道珍皇寺の庭に、あの世と行き来していた井戸が残ってるんですね、驚き!
iina
小野篁
http://blog.goo.ne.jp/iinna
「小野照崎神社」は、 平安時代の漢詩学者で歌人の小野篁(おのの たかむら)を祀っているのですか。

小野篁は、京で昼は朝廷に出仕し夜は閻魔の庁に出仕していたらしく、六道珍皇寺の庭にはあの世にいくために使った
井戸が残っています。
珍皇寺辺りが、平家の六波羅第跡なのだそうです。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/c734ab227c1449c64ef2f561301a3519

更家
「他を抜く」で「狸」
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
「他を抜く」で「狸塚」が芸事の護りに奉られているんですね、なるほどねえ!!

それにしても、この辺りは、彰義隊と官軍の上野戦争にまつわる生々しい話が多いですね。

もっとも、江戸名所絵図や広重の錦絵にも描かれた有名なお寺だというのは、このお寺の案内板で知ったんですけどね・・・
iina

http://blog.goo.ne.jp/iinna
江戸名所絵図や、広重の錦絵にも描かれた「御行 (おぎょう)の松」のある境内に「狸塚」もあるなんて、有名なお寺なのですね。

狸は愛嬌があって、古くから愛されていろいろな話によく出てきます。

伝法院通り浅草公会堂の斜め前には、そんな「お狸様の鎮護堂」があります。「他を抜く」と、芸事の護りに奉られてます。http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/5086e4bfcb2fe5ff6b76ea72a09882e9

更家
坂の上の雲
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
そう、子規と言えばドラマ「坂の上の雲」の印象が強いですよね。
終焉の地の子規庵を見学したとき、子規の最後が目に浮かんで胸が痛くなりました・・・

コースを決めるときの参考書は本屋で色々と売っています。
しかし、根岸みたいに道が複雑でごちゃごちゃしている場所は余り参考にならないので、私は現地でマップを買いました。(300円)
→ご参考までに、この地図をブログの最後に追加しました。
Komoyo Mikomoti
子規庵
http://blogs.yahoo.co.jp/ya3249
ドラマ「坂の上の雲」を思い出します。
ここが正岡子規終焉の地だったんですね。

こういう町歩きができると楽しいですね。
何か、コースを決めるときの参考書はあるのでしょうか?
更家
子規庵
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
ホント、子規庵の正岡子規が使用していた机、部屋を見てはじめて、子規は命を削って俳句を作ったのだ、というのを実感しました。

手児奈煎餅は、やはり手焼きの素朴な味でしたが、種類が色々取り混ぜてあったので楽しかったです。

手児奈の名前自体、みなりんさんのブログで知ったくらいですから、分かりませんでした。
店名の由来について、煎餅屋のおばあちゃんに聞いてみればよかったです。
みなりん
正岡子規の命削る俳句
http://blog.goo.ne.jp/greenblue7778
こんんいちは、更家さん。

すっかりご無沙汰しています。
東京巡りはずいぶん歩いたのですね。いい勉強になりました。
正岡子規は命を削るように俳句を創作したので、ほんとうにすごいなあと思います。
しかし、「藤の花房短ければ畳の上に届かざりけり」という名句は子供に解釈するのは非常に難しく、それでいて非凡な感性を示すので、よく覚えています。

真間の手児奈はどんな味のおせんべいでしょうか?
せんべいにどうして、その名前がついたか気になりました。
更家
坂の上の雲
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
私は、「坂の上の雲」はテレビドラマで見ましたが、感動しました。
明治の人は偉いですよね。

そう、日露戦争でバルチック艦隊に勝ったのは偶然ではなくて、勝つべくして勝ったんだそうですね。
その様子を、横須賀の戦艦三笠の中の戦闘模型の前で、説明員の方から聞きました。
iina
正岡子規
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/28fac46c709bb09be83965d0a8277700
正岡子規を人間らしき感じたのは、『坂の上の雲』を読んだからです。その主人公を松山出身の子規と秋山好古、秋山真之の兄弟
の3人にして、日露戦争を描いていました。
日露戦争でバルチック艦隊等を劇的に勝ち進んだのは、偶然だと思ってましたが、この小説を読むと勝つべくして勝ち進んでいます。

>東京オリンピックの際の埋め立てという事は、陸続きになったのは割と最近なんですねえ。
江の島の聖天島が埋め立てられて、伝説も島内に張られた電線の下に埋もれて、そろそろ50年が経とうとしています。

更家
ねぎし三平堂
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
私の予定では、「ねぎし三平堂」は予定になかったんですが、子規庵を探してウロウロしていたら、偶然、ねぎし三平堂の前を通った次第です。

なるほど、”正蔵”だから”肖像”にうるさいですか、上手い!
iina
林家三平
http://blog.goo.ne.jp/iinna/
一世を風靡した林家三平の「ねぎし三平堂」を、たまにタレントたちが訪ねてロケしますが、根岸にあったのですね。
ホームページを開くと二代目 林家三平を前面に出していました。(^^ゞ

二代目を何度か聞いてますが、ものまねの印象です。兄の正蔵は、いちど客が写真を撮ったので高座から注意しました。
そのときの言い分が「興行主が注意するはずです」とそんなはずはない云い方でした。(^^ゞ 

後に、三平が兄の性格を次のように紹介しました。
「兄は肖像権にうるさいです。なにしろ「正蔵=肖像」ですから。」チャンチャン

更家
東京は奥が深い
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
そう、東京は広い !、奥が深い!、私もつくづく実感しています!

この広い東京を少しでも多く、少しでも深くレポートしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
hide-san
東京は広い
http://blog.goo.ne.jp/hidebach
東京に60年も住んでいるのに、ボクは
上野から浅草、江東区葛飾区江戸川区方面はからきし縁がなかったのか、
ほとんど知りません。
有り難うございました。また一つ行く場所が増えました。
更家
値段的に優しい豆腐
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie
そう、笹の雪の豆腐は、色々な種類が盛りだくさんで、見た目の色彩も味も抜群、豆腐だけでお腹いっぱいになり値段的にも大満足でした。

「一兆円」のクリックは、札束ならぬ豆腐で、思わず笑ってしまいました!
iina
1丁2丁
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/98b19eccfddf75699635c84c29273860
庶民に、値段的に優しい豆腐は嬉しいです。でも、京都のように高価だったりすると、ガッカリさせられます。
まぁ、豆腐はおいしい水が命ですね。

庶民に、ご縁のない兆ものお札ですが、ご覧にいれまする。次の記事の末尾をクリックして見てチョウだい。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/8b9b293c83d6bdad7ebb9c61794f1b3b

チョウど時間となりました。(^.^)/~~~

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