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《ほとんどの人が意識していないCRPという数値》
くすぶり型の「慢性炎症」が少しずつ体を蝕んで深刻な病気を引き起こしてしまうので、それを防ぐために「抗炎症」はとても大切になります。それを調べる決定的な検査は今のところありません。ただ、手がかりになる数値はあります。
その手がかりになる数値の一つが「高感度CRP(C-reactive-protein)」です。炎症が起こると、肝臓がいくつかのタンパク質を作って、血液に乗せて全身に送り込みます。その一つが「CRP」というタンパク質です。
人間ドックや健康診断の血液検査でも、この「CRP」が測定項目に入っていることはあります。血糖値やコレステロール値などとは違い、あまり馴染みのないアルファベットなので、気に留めていない人がほとんどだと思います。
「CRP」は0.3mg/dl以下が基準範囲です。0.31〜0.99mg/dlは要注意。1.00mg/dl以上は異常とされています。
一般的に医療現場では「CRP」は、急性炎症があるかどうかの目安として使われています。どこかに急性炎症があると、CRPの数値は一気に上がるからです。例えば、普通の風邪に罹っただけでも異常値まで上がることもあります。
一方、慢性炎症は「炎」ではなく「くすぶり」なので、CRPの数値もそこまで高くは上がりません。やや高くなる程度です。0.30mg/dl以下であれば「基準範囲」ではありますが、「0」に近ければ近いほど安心です。
アメリカ食品医薬局(FDA)は高感度CRP測定法を慢性炎症である動脈硬化の指標として承認しており、近年では人間ドックでも心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクを評価するものだとして高感度CRPが行われています。具体的には0.20mg/dl以上になると冠動脈疾患のリスクが高いと言われています。
CRP測定には、「一般のCRP検査」と「高感度CRP検査」の2種類があります。従来の一般CRP検査では、0.1mg/dl以下は測定することができず、くすぶり型の弱い炎症を捉えることはできませんでした。
測定技術が進歩して、とても高い感度を持つ「高感度CRP測定」が登場して、0.01mg/dlまで測定することができるようになりました。風邪や怪我や歯周炎などでもCRPの数値は上がるので、断定はできませんが、一つの目安にはなります。
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