仙台のマリンピア松島へ行った翌週の7/16-17に1泊2日で福島のアクアマリンふくしまへ行ってきました (1泊2日ですが写真や経験は初日と2日目のものが混在しています)
今回の目的も東北支援(を兼ねて水族館訪問)。アクアマリンふくしまの復興日記を見ていて、営業再開日予想がたった時点で「これは行かねば」と行くことを即決たもの。いわき市の沿岸は津波の影響が大きく、通常なら使える交通機関も使えないなど、気持ちとは裏腹に行けるかどうか怪しい状況でしたが、調べるのにモタついている間に高速バスが予約できるようになるなど状況が変わってなんとか行けることが確定。泉駅で路線バスに乗り換えるのが一番早いのですが、このときは(今もかな?)泉駅で乗降できるほど復旧しておらず、今回はいわき駅で直線ルートの路線バス「小名浜行き」に乗り換えるルートが一番早いと新常磐交通/中央営業所のおじさま従業員さんが電話で丁寧に教えてくれました。(地震以前は水族館前まで行ってくれる高速バスがあったようなのですが今は運休中) 東京駅からバスに乗っていくことを伝えると、電話向こうで喜んでくれているのがわかるくらいだったし、自分の方のが大変な思いをしてるだろうに「気をつけていらしてくださいね♪」と一言添えてくれました。 お宿はアクアマリンふくしまの復興日記で「7/15の再開を目標としている」と書かれた段階で抑えてあったので交通機関さえ手配つけばも~こっちのもん♪(何がだ?)
で、当日
東京駅から8:30の高速バス「いわき号」に乗ってまず目指すはいわき駅 料金は大人ひとり¥3,350。行く道中、「がんばろう日本」のアドバルーンやブルーシートのかかった家や道路を見かけました。道路は地震でヒビが入ったのかな? 少しウトウトして11:30頃いわき駅で新常磐交通さんの路線バス「小名浜行き」に乗り換え、支所入口という停留所で下車。そこから10分程歩きます 道は…もちろんバスの運転手さんに聞きました。地図見てもいまいちわからん…と思って聞いたのですが運転手さんの説明も「突き当ったら右に曲がって次を左、線路渡ったら見えるよ」というザックリしたもの(笑) が、その説明を頭に津波の跡の残る道をキャリーをガラガラ引きながら歩いていくと…ついにアクアマリンふくしまへ到着
入口付近の看板に何やら発見…
しゃがんで見てみると誰が書いたのか、こんなメッセージが…
愛されてる水族館だねぇ…涙ポロリ
そして、ででーん
この形、この形ですよ ついに来ちゃいました
入場料¥1,600。東北支援の一環(のつもり)なので前週のマリンピア松島と同じく割引には目もくれず通常料金で入館。入口入ってすぐ右にある自動券売機でチケットを購入して進むと、キャリーをひいている私を見てスタッフの方が「よろしければ大きな荷物お預かりしますよ」とサッと声をかけてくれた。荷物預かってくれる水族館なんて今まで経験ないなー。とっても助かる
アクアマリンふくしまはしっかりコーナー分けがされている水族館でした。改めてアクアマリンふくしまのHPを見てみると9コーナー+いろんな施設(体験コーナーとか)あるようです。
最初は私の苦手な甲殻類(カブトガニまでいた)やオオサンショウウオ、よくわからない変わった魚が並んでいる「海・生命の進化」コーナー。苦手なものが多かったので…サラーッと見て通り過ぎ、そのコーナーの端からこのエスカレーターに乗って一気に4Fの次のコーナーへ…。
ぼんやりと明るい青い光にドキドキ&ワクワク…。どんな世界が待ってるんだろう?
待っていたのは自然光の入る明るい「ふくしまの川と沿岸」コーナー。その名の通り福島の川や沿岸を再現した展示コーナーです。…虫が展示?されていたり、入っている個体が少ないせいかうまく見つけられなかったりで写真はないですが、自然光が入っている水槽っていいなぁと思います。(考えてみたら意外と無いんだよねぇ) その中を歩いていくと…かの有名な大きな水槽の気配が…
何々…?
「これからはじまる潮目の海の物語をお楽しみください」 もちろんもちろん
じゃーん 潮目の海の最上部です
コチラから見ると水槽の向かい下側の水槽の最下部付近にいるお客様の姿が見えます。深い深い。大水槽の水面付近を泳いでいるシイラを見つつ(右側の小さな水槽の中も見つつ)進みます。すると…次は「北の海の海獣・海鳥」コーナーが
鴨シーへ避難している間、ゴマフアザラシ くらら の出産によって生まれた赤ちゃんアザラシ
震災後の大変な状況の中で生まれた子でお名前は「 きぼう」 元気によく泳いでいました。ふふふ。かわいいな、海獣 母くららは別水槽の岩影に隠れていて、水槽に顔をくっつけたらようやくギリギリ見られるような位置で写真は撮れず。ストレス高かっただろう間に無事に出産という大役を果たした くらら と無事に生まれてきて希望を与えた きぼう が末永く穏やかに暮らせますように(ちなみにこの9月、パパも無事に戻ってきたそうです)
きぼうくんがビュンビュン泳ぐ隣(の隣?)の水槽には…セイウチのゴオさん(8/17他界)とミルさん
う~ん、大きなのが2頭入ってると水槽狭そうだー。どちらがどちらかの見分けはつかないのですが、片方は立ったような姿勢でプカプカしていることが多く、もう片方が潜っては上がってきてクルンと回ってまた潜って…とよく動いていました。上がってきて再び潜るまでの間に話しかけるように「ウォッフ」と声をかけます。それに応えるように「ボフッ」ともう1頭。それを延々と繰り返していました。仲良しだったんだろな~
海獣と並んで展示されているのがエトピリカ
依然、北海道の羅臼へ旅行した時に存在を知った鳥なのですが、なかなか愛嬌のある顔をしていると思いませんか?
海獣コーナーを堪能した後は「海の博物館」コーナー。海についての説明などのコーナーで、ん~、環境水族館らしいコーナーだけれど子供にはちょっと難しいよなー。(小難しくて私もあまりマジメに読まなかったし…) その小難しいコーナーを抜けて次のコーナーへたどり着くまでの途中、こんなのがありました。
…いえ。噛みつきません!(笑)
その後、熱帯コーナーではマングローブだけに反応してほぼ素通り。どうも…アマゾンとか熱帯系は苦手…虫もいるし…。
突然現れたハリセンボン水槽。
青が実にキレイ。
さらに進むと…キレイな「サンゴ礁の海」コーナー
営業再開の翌日だったからかな、展示されている魚の種類も個体数も少なかったし、大水槽ってわけでもないんだけどホッと落ち着けるスペースです。地元民や割と家が近いと思われる方達の会話から察するに、震災前はもっといっぱい生物が入っていたみたい。サンゴももっとキレイに展示されていたらしい。「さびしいね」とか「減っちゃったね~」などがよく耳に入りました。仕方ないよね。うん。これから、これから
ゆっくり眺めて一休憩したサンゴ礁の海に続くコーナーは「オホーツク海」のコーナー。ここに展示されている生物達は羅臼から連れてこられた生物達が多く、私が羅臼へ行った際にお世話になった方々が採取に関係していたので、今回一番楽しみにしていたコーナーでもあります。アバチャンにクリオネ、ラウスカジカ…など、見た目はちょっと変わった生物が小さな水槽に次々と展示されています。中でもナメダンゴは東北?福島県?小名浜周辺?ではちょっと有名らしく、子供が「ナメダンゴどこ~!?」と三角水槽やクリオネに目もくれず探していました。
うまく写せなかったけどナメダンゴ(+アカホヤ)
アバチャン
この少し前に“オジサン”という魚が展示されていたので「オバチャンじゃないの?」なんて会話をよく耳にする(笑)
そして有名な「潮目の海(親潮・黒潮)」の水槽
観たかったんですよ~、この水槽
片方(親潮側と思われる左側)は一日目はかなり濁ってしまっていて残念ながら中の生物はほとんど見えなかったのですが、翌日はスタッフさんが水槽内を掃除していて随分見えるようになり、オオカミウオの全身を見ることもできました。自然光を取り入れているのでコケが生え易いのだとか。
→初日の右側水槽
→2日目の左側水槽
それにしてもこの仕事いいなぁ…やりたい…。土日祝日限定でどこかで掃除要員募集してないかしら。…不思議なことに掃除している人がいるとみんな海の生物よりそっちに反応(笑) うん、まぁ“潜って掃除してる姿”ってレアっちゃレアだものね。ある意味…レア生物なわけだな。うんうん。
エイ(これもなんだか珍しいエイ)やカツオ?のアタックでイワシが慌てる
思っていたより三角部分は高くはなかったけど、やっぱりこの展示の仕方はおもしろい♪ そうそう、2日目はご丁寧に大水槽の前でお昼寝までしてしまったのですが、隣に座っていたおじさまが鳴った携帯電話に出た声で目が覚めたら、なんとその電話、仮設住宅の入居が当たったという電話のようでした 見知らぬ人ながらちょっと嬉しそうなその様子にこちらまで嬉しくなり 今頃はどこかの仮設住宅に住んでいるかも…。少しでも気の楽な生活ができているといいな
大水槽を後にすると「ふくしまの海」コーナーとなり、なんとサンマの展示! 世界で初めて飼育展示に成功したのだそうです。
写真は…
ごめんなさい。この細い白い線が全部“サンマ”です。いろいろ努力してみたが早過ぎてついてけず。(動画の存在を忘れてたのは大失敗!) 小名浜港は本来、サンマの水揚げも盛んなようです。一通り展示が終わった後、館内に「マリンシアター」というミニシアターのようなものがあるのですが、そこで流されている30分程度のドキュメンタリー映像でサンマの水揚げされている光景が流されていました。おそらく地元の方と思われる私の横に腰かけていたおばさまはその映像を見て涙してらっしゃいました。一生懸命抑えてしゃくりあげているその様子に…かける言葉は見つからず… あの姿を思い出すと今でも胸がきゅーっとなります…
地元のお魚メヒカリなどの展示があり(暗すぎて撮れず)…なんと!アオリイカの展示がありました イカ(種類問わず)がいる水族館はさほど珍しくないのですが、ここのアオリイカの展示は本当にイカがキレイで感動 子供もカップルも「イカってキレイなんだ~」と見惚れていました。…水槽に一緒に入っているマアジが時にジャマ(マアジの壁でイカが見えなくなる)なんだけど、マアジが入ってるおかげで良い絵にもなるというか…。いや~、イカってホントにキレイ。今まで行った水族館の中で一番キレイに魅力的に展示されていたイカであることに太鼓判
イカの横で受け付けていたバックヤードツアーに参加しました このツアーは水族館ボランティア?さんによるものなので質にはバラつきがありそう。生物について語るわけではなく、あくまでも水族館のバックヤードのご紹介をしてくれるもの。どこかの劇場やTV局のように広くて迷路みたいになっていて…一人で歩いたら間違いなく迷子です。
一通り、いわゆる“展示”が終わると、生物に触れられるコーナー「潮だまり」、「アクアマリンえっぐ」、「BIOBIOかっぱの里」、「蛇の目ビーチ」という釣り堀まである(しかもその場で揚げて食べさせてくれる)子供向けの場所もあります。楽しそう… 楽しそうだけど日焼けが気になる+虫が極端に苦手な私にはムリ~ ということでアクアマリンえっぐの中の水槽展示部分だけ漏らさず楽しみ、「展望台」に上がりました。
たかーい!
さっきまで自分があの中をふらふら歩いてたんだなー。
あ…あれは…津波の影響かしら…
そんなことを考えつつ360°眺めていたらこの車を発見
んふふ♪ 生で見たかったんですよ~。ちょっと距離があってズーム越しだけど見られた見られた♪
展望室は温室効果で暑かったので短時間で降りてお土産屋さんに寄り、2日間浸かりきったアクアマリンふくしまを後にしました(水族館を去るときはいつもなんだか切ない…)
広くてキレイで実に“学”のある施設や展示の内容が豊富、それでいて子供が思い切り遊べる場もあってとても良い水族館です。(そういえば、マリンピア松島もアクアマリンふくしまも“地元の海”を大事にしてるよなぁ。ほんわかと感じる温かさの正体はその地元愛か?ニマニマ) アクアマリンの復興日記によると、私が行ったときには水槽の底で渦巻いていたイワシも今は“トルネード”が見事みたいだし、その原因は水面をおとなしく泳いでいたシイラだったり…サンゴ礁の海コーナーにも生物が追加されたりと着実に復興しているみたい…。そうそう、水族館周辺の信号機は軒並み壊れていて、片道3車線(だったような?)の広~~~~~い車道を“右見て左見てもう一度右見て”の基本をこなした上で走ってくる車に気をつけながら小走りで渡ったりもしたんだっけ その信号機もついに修理着工したみたいだし…。(車で来るのが通常らしく歩行者はほぼゼロの中、突然現れた小走りで横断する歩行者(私)に気づいて慌てて棒をぐるぐる回してくれた警備員さん?ありがとう) あぁぁぁぁ、また行かなくちゃ
-----余談というかなんというか-----
先程ちらりと出た「潮だまり」の向かいに情報コーナーとされた小部屋があります。海や生物に関する本がずらりと並んでいます。私が行ったときは3.11に撮影された周辺の映像が放映されていたり…全国から寄せられたメッセージの掲示や津波で海水に浸かってしまったポンプ(展示の9割が津波で死滅したそう)が置かれていました。
館外には今回の震災による瓦礫や割れたアクリル板で作ったステージ「がれき座」もあり、イベントが行われていました。
←ちょっとシャチの背びれっぽい
そういえば再オープンイベントのカニ汁ふるまいイベントには間に合わず…。入口で売っていた福島野菜の特売も「支援支援♪ 帰りに買ってこ♪」と思ってたら、早いうちになくなってしまったらしく買えず…
あっ、初日のラディナー(造語:昼ご飯兼夕飯) きぼうカレーです。サラダとドリンクバーが付いて¥800くらいでした。たこ唐の入ったカレー。おいしかったな。次もこれか?
バス停からアクアマリンふくしまへ着くまでの間、周辺、水族館からお宿へ行くまでの通常なら徒歩10分程度の間も、ひどい被災状況を目にしました。日々の営みが一気に壊れてしまったんだなぁ…と痛いほどに伝わってくる光景はやはりショックのあるものでした。「この家は壊さないでください」という一言と連絡先が書かれた紙1枚が貼られたままの家があったり、「取り壊し意思確認済み」という張り紙がしてあったりする建物もあちこちにあり、生活が一瞬で壊されてしまった方、揺れや津波で怖い思いをしたり、苦しい状態で亡くなった方達、その惨状をつらい間に目にしなくてはならなかった助かった人達などを思わずにはいられず、目を潤ませることの多い道中でした。水族館のスタッフさんが「2日も続けて来てくれて嬉しいです。ありがとう」と笑顔で声をかけてくださいましたが、震災から4ヶ月あったから、あの笑顔を出せるようになっていたのかもしれません。
復興は「一日も早い復興を」ではなく「急がず焦らず、被災された方達の気持ちが追いつくペースで」、余力のある周りはいろんな面でサポートしてくことに尽力する。それがベストな形なのではと思います。
今回の目的も東北支援(を兼ねて水族館訪問)。アクアマリンふくしまの復興日記を見ていて、営業再開日予想がたった時点で「これは行かねば」と行くことを即決たもの。いわき市の沿岸は津波の影響が大きく、通常なら使える交通機関も使えないなど、気持ちとは裏腹に行けるかどうか怪しい状況でしたが、調べるのにモタついている間に高速バスが予約できるようになるなど状況が変わってなんとか行けることが確定。泉駅で路線バスに乗り換えるのが一番早いのですが、このときは(今もかな?)泉駅で乗降できるほど復旧しておらず、今回はいわき駅で直線ルートの路線バス「小名浜行き」に乗り換えるルートが一番早いと新常磐交通/中央営業所のおじさま従業員さんが電話で丁寧に教えてくれました。(地震以前は水族館前まで行ってくれる高速バスがあったようなのですが今は運休中) 東京駅からバスに乗っていくことを伝えると、電話向こうで喜んでくれているのがわかるくらいだったし、自分の方のが大変な思いをしてるだろうに「気をつけていらしてくださいね♪」と一言添えてくれました。 お宿はアクアマリンふくしまの復興日記で「7/15の再開を目標としている」と書かれた段階で抑えてあったので交通機関さえ手配つけばも~こっちのもん♪(何がだ?)
で、当日
東京駅から8:30の高速バス「いわき号」に乗ってまず目指すはいわき駅 料金は大人ひとり¥3,350。行く道中、「がんばろう日本」のアドバルーンやブルーシートのかかった家や道路を見かけました。道路は地震でヒビが入ったのかな? 少しウトウトして11:30頃いわき駅で新常磐交通さんの路線バス「小名浜行き」に乗り換え、支所入口という停留所で下車。そこから10分程歩きます 道は…もちろんバスの運転手さんに聞きました。地図見てもいまいちわからん…と思って聞いたのですが運転手さんの説明も「突き当ったら右に曲がって次を左、線路渡ったら見えるよ」というザックリしたもの(笑) が、その説明を頭に津波の跡の残る道をキャリーをガラガラ引きながら歩いていくと…ついにアクアマリンふくしまへ到着
入口付近の看板に何やら発見…
しゃがんで見てみると誰が書いたのか、こんなメッセージが…
愛されてる水族館だねぇ…涙ポロリ
そして、ででーん
この形、この形ですよ ついに来ちゃいました
入場料¥1,600。東北支援の一環(のつもり)なので前週のマリンピア松島と同じく割引には目もくれず通常料金で入館。入口入ってすぐ右にある自動券売機でチケットを購入して進むと、キャリーをひいている私を見てスタッフの方が「よろしければ大きな荷物お預かりしますよ」とサッと声をかけてくれた。荷物預かってくれる水族館なんて今まで経験ないなー。とっても助かる
アクアマリンふくしまはしっかりコーナー分けがされている水族館でした。改めてアクアマリンふくしまのHPを見てみると9コーナー+いろんな施設(体験コーナーとか)あるようです。
最初は私の苦手な甲殻類(カブトガニまでいた)やオオサンショウウオ、よくわからない変わった魚が並んでいる「海・生命の進化」コーナー。苦手なものが多かったので…サラーッと見て通り過ぎ、そのコーナーの端からこのエスカレーターに乗って一気に4Fの次のコーナーへ…。
ぼんやりと明るい青い光にドキドキ&ワクワク…。どんな世界が待ってるんだろう?
待っていたのは自然光の入る明るい「ふくしまの川と沿岸」コーナー。その名の通り福島の川や沿岸を再現した展示コーナーです。…虫が展示?されていたり、入っている個体が少ないせいかうまく見つけられなかったりで写真はないですが、自然光が入っている水槽っていいなぁと思います。(考えてみたら意外と無いんだよねぇ) その中を歩いていくと…かの有名な大きな水槽の気配が…
何々…?
「これからはじまる潮目の海の物語をお楽しみください」 もちろんもちろん
じゃーん 潮目の海の最上部です
コチラから見ると水槽の向かい下側の水槽の最下部付近にいるお客様の姿が見えます。深い深い。大水槽の水面付近を泳いでいるシイラを見つつ(右側の小さな水槽の中も見つつ)進みます。すると…次は「北の海の海獣・海鳥」コーナーが
鴨シーへ避難している間、ゴマフアザラシ くらら の出産によって生まれた赤ちゃんアザラシ
震災後の大変な状況の中で生まれた子でお名前は「 きぼう」 元気によく泳いでいました。ふふふ。かわいいな、海獣 母くららは別水槽の岩影に隠れていて、水槽に顔をくっつけたらようやくギリギリ見られるような位置で写真は撮れず。ストレス高かっただろう間に無事に出産という大役を果たした くらら と無事に生まれてきて希望を与えた きぼう が末永く穏やかに暮らせますように(ちなみにこの9月、パパも無事に戻ってきたそうです)
きぼうくんがビュンビュン泳ぐ隣(の隣?)の水槽には…セイウチのゴオさん(8/17他界)とミルさん
う~ん、大きなのが2頭入ってると水槽狭そうだー。どちらがどちらかの見分けはつかないのですが、片方は立ったような姿勢でプカプカしていることが多く、もう片方が潜っては上がってきてクルンと回ってまた潜って…とよく動いていました。上がってきて再び潜るまでの間に話しかけるように「ウォッフ」と声をかけます。それに応えるように「ボフッ」ともう1頭。それを延々と繰り返していました。仲良しだったんだろな~
海獣と並んで展示されているのがエトピリカ
依然、北海道の羅臼へ旅行した時に存在を知った鳥なのですが、なかなか愛嬌のある顔をしていると思いませんか?
海獣コーナーを堪能した後は「海の博物館」コーナー。海についての説明などのコーナーで、ん~、環境水族館らしいコーナーだけれど子供にはちょっと難しいよなー。(小難しくて私もあまりマジメに読まなかったし…) その小難しいコーナーを抜けて次のコーナーへたどり着くまでの途中、こんなのがありました。
…いえ。噛みつきません!(笑)
その後、熱帯コーナーではマングローブだけに反応してほぼ素通り。どうも…アマゾンとか熱帯系は苦手…虫もいるし…。
突然現れたハリセンボン水槽。
青が実にキレイ。
さらに進むと…キレイな「サンゴ礁の海」コーナー
営業再開の翌日だったからかな、展示されている魚の種類も個体数も少なかったし、大水槽ってわけでもないんだけどホッと落ち着けるスペースです。地元民や割と家が近いと思われる方達の会話から察するに、震災前はもっといっぱい生物が入っていたみたい。サンゴももっとキレイに展示されていたらしい。「さびしいね」とか「減っちゃったね~」などがよく耳に入りました。仕方ないよね。うん。これから、これから
ゆっくり眺めて一休憩したサンゴ礁の海に続くコーナーは「オホーツク海」のコーナー。ここに展示されている生物達は羅臼から連れてこられた生物達が多く、私が羅臼へ行った際にお世話になった方々が採取に関係していたので、今回一番楽しみにしていたコーナーでもあります。アバチャンにクリオネ、ラウスカジカ…など、見た目はちょっと変わった生物が小さな水槽に次々と展示されています。中でもナメダンゴは東北?福島県?小名浜周辺?ではちょっと有名らしく、子供が「ナメダンゴどこ~!?」と三角水槽やクリオネに目もくれず探していました。
うまく写せなかったけどナメダンゴ(+アカホヤ)
アバチャン
この少し前に“オジサン”という魚が展示されていたので「オバチャンじゃないの?」なんて会話をよく耳にする(笑)
そして有名な「潮目の海(親潮・黒潮)」の水槽
観たかったんですよ~、この水槽
片方(親潮側と思われる左側)は一日目はかなり濁ってしまっていて残念ながら中の生物はほとんど見えなかったのですが、翌日はスタッフさんが水槽内を掃除していて随分見えるようになり、オオカミウオの全身を見ることもできました。自然光を取り入れているのでコケが生え易いのだとか。
→初日の右側水槽
→2日目の左側水槽
それにしてもこの仕事いいなぁ…やりたい…。土日祝日限定でどこかで掃除要員募集してないかしら。…不思議なことに掃除している人がいるとみんな海の生物よりそっちに反応(笑) うん、まぁ“潜って掃除してる姿”ってレアっちゃレアだものね。ある意味…レア生物なわけだな。うんうん。
エイ(これもなんだか珍しいエイ)やカツオ?のアタックでイワシが慌てる
思っていたより三角部分は高くはなかったけど、やっぱりこの展示の仕方はおもしろい♪ そうそう、2日目はご丁寧に大水槽の前でお昼寝までしてしまったのですが、隣に座っていたおじさまが鳴った携帯電話に出た声で目が覚めたら、なんとその電話、仮設住宅の入居が当たったという電話のようでした 見知らぬ人ながらちょっと嬉しそうなその様子にこちらまで嬉しくなり 今頃はどこかの仮設住宅に住んでいるかも…。少しでも気の楽な生活ができているといいな
大水槽を後にすると「ふくしまの海」コーナーとなり、なんとサンマの展示! 世界で初めて飼育展示に成功したのだそうです。
写真は…
ごめんなさい。この細い白い線が全部“サンマ”です。いろいろ努力してみたが早過ぎてついてけず。(動画の存在を忘れてたのは大失敗!) 小名浜港は本来、サンマの水揚げも盛んなようです。一通り展示が終わった後、館内に「マリンシアター」というミニシアターのようなものがあるのですが、そこで流されている30分程度のドキュメンタリー映像でサンマの水揚げされている光景が流されていました。おそらく地元の方と思われる私の横に腰かけていたおばさまはその映像を見て涙してらっしゃいました。一生懸命抑えてしゃくりあげているその様子に…かける言葉は見つからず… あの姿を思い出すと今でも胸がきゅーっとなります…
地元のお魚メヒカリなどの展示があり(暗すぎて撮れず)…なんと!アオリイカの展示がありました イカ(種類問わず)がいる水族館はさほど珍しくないのですが、ここのアオリイカの展示は本当にイカがキレイで感動 子供もカップルも「イカってキレイなんだ~」と見惚れていました。…水槽に一緒に入っているマアジが時にジャマ(マアジの壁でイカが見えなくなる)なんだけど、マアジが入ってるおかげで良い絵にもなるというか…。いや~、イカってホントにキレイ。今まで行った水族館の中で一番キレイに魅力的に展示されていたイカであることに太鼓判
イカの横で受け付けていたバックヤードツアーに参加しました このツアーは水族館ボランティア?さんによるものなので質にはバラつきがありそう。生物について語るわけではなく、あくまでも水族館のバックヤードのご紹介をしてくれるもの。どこかの劇場やTV局のように広くて迷路みたいになっていて…一人で歩いたら間違いなく迷子です。
一通り、いわゆる“展示”が終わると、生物に触れられるコーナー「潮だまり」、「アクアマリンえっぐ」、「BIOBIOかっぱの里」、「蛇の目ビーチ」という釣り堀まである(しかもその場で揚げて食べさせてくれる)子供向けの場所もあります。楽しそう… 楽しそうだけど日焼けが気になる+虫が極端に苦手な私にはムリ~ ということでアクアマリンえっぐの中の水槽展示部分だけ漏らさず楽しみ、「展望台」に上がりました。
たかーい!
さっきまで自分があの中をふらふら歩いてたんだなー。
あ…あれは…津波の影響かしら…
そんなことを考えつつ360°眺めていたらこの車を発見
んふふ♪ 生で見たかったんですよ~。ちょっと距離があってズーム越しだけど見られた見られた♪
展望室は温室効果で暑かったので短時間で降りてお土産屋さんに寄り、2日間浸かりきったアクアマリンふくしまを後にしました(水族館を去るときはいつもなんだか切ない…)
広くてキレイで実に“学”のある施設や展示の内容が豊富、それでいて子供が思い切り遊べる場もあってとても良い水族館です。(そういえば、マリンピア松島もアクアマリンふくしまも“地元の海”を大事にしてるよなぁ。ほんわかと感じる温かさの正体はその地元愛か?ニマニマ) アクアマリンの復興日記によると、私が行ったときには水槽の底で渦巻いていたイワシも今は“トルネード”が見事みたいだし、その原因は水面をおとなしく泳いでいたシイラだったり…サンゴ礁の海コーナーにも生物が追加されたりと着実に復興しているみたい…。そうそう、水族館周辺の信号機は軒並み壊れていて、片道3車線(だったような?)の広~~~~~い車道を“右見て左見てもう一度右見て”の基本をこなした上で走ってくる車に気をつけながら小走りで渡ったりもしたんだっけ その信号機もついに修理着工したみたいだし…。(車で来るのが通常らしく歩行者はほぼゼロの中、突然現れた小走りで横断する歩行者(私)に気づいて慌てて棒をぐるぐる回してくれた警備員さん?ありがとう) あぁぁぁぁ、また行かなくちゃ
-----余談というかなんというか-----
先程ちらりと出た「潮だまり」の向かいに情報コーナーとされた小部屋があります。海や生物に関する本がずらりと並んでいます。私が行ったときは3.11に撮影された周辺の映像が放映されていたり…全国から寄せられたメッセージの掲示や津波で海水に浸かってしまったポンプ(展示の9割が津波で死滅したそう)が置かれていました。
館外には今回の震災による瓦礫や割れたアクリル板で作ったステージ「がれき座」もあり、イベントが行われていました。
←ちょっとシャチの背びれっぽい
そういえば再オープンイベントのカニ汁ふるまいイベントには間に合わず…。入口で売っていた福島野菜の特売も「支援支援♪ 帰りに買ってこ♪」と思ってたら、早いうちになくなってしまったらしく買えず…
あっ、初日のラディナー(造語:昼ご飯兼夕飯) きぼうカレーです。サラダとドリンクバーが付いて¥800くらいでした。たこ唐の入ったカレー。おいしかったな。次もこれか?
バス停からアクアマリンふくしまへ着くまでの間、周辺、水族館からお宿へ行くまでの通常なら徒歩10分程度の間も、ひどい被災状況を目にしました。日々の営みが一気に壊れてしまったんだなぁ…と痛いほどに伝わってくる光景はやはりショックのあるものでした。「この家は壊さないでください」という一言と連絡先が書かれた紙1枚が貼られたままの家があったり、「取り壊し意思確認済み」という張り紙がしてあったりする建物もあちこちにあり、生活が一瞬で壊されてしまった方、揺れや津波で怖い思いをしたり、苦しい状態で亡くなった方達、その惨状をつらい間に目にしなくてはならなかった助かった人達などを思わずにはいられず、目を潤ませることの多い道中でした。水族館のスタッフさんが「2日も続けて来てくれて嬉しいです。ありがとう」と笑顔で声をかけてくださいましたが、震災から4ヶ月あったから、あの笑顔を出せるようになっていたのかもしれません。
復興は「一日も早い復興を」ではなく「急がず焦らず、被災された方達の気持ちが追いつくペースで」、余力のある周りはいろんな面でサポートしてくことに尽力する。それがベストな形なのではと思います。