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キリシタンはなぜ迫害されたか? その④

2017-03-27 22:40:16 | 歴史諸随想

その①その②その③の続き
 他県は不明だが映画「沈黙」は、仙台で2ヶ月以上ものロングラン上映となっている。上映しているのはフォーラム仙台というミニシアターだが、外国映画で最も多く公開されるのは韓国映画という劇場でもある。
 それほどヒットしているとは思えぬ作品にも関わらず、これほど長く上映されているのも不可解だ。私のメル友の男性は映画「沈黙」について、こんな感想を漏らしていたが、少なからぬノンクリスチャン(以下ノンクリ)日本人は同じ思いを共有していると思う。

今、遠藤周作の「沈黙」が上映中ですが、見たいとも思いませんね。私が学生の時分、徳川政権がキリスト教を弾圧した理由は「平等」をうたい、身分制度に都合が悪いから、というものもありましたが、キリスト教会にも立派な身分制度がありますよね。そして、徳川政権の弾圧の理由も、もっと別でしょうね。
 この映画は韓国の反日映画と同じく、歴史を元にしたイデオロギー的フィクション映画のように思えますが。ま、最初から歴史ファンタジーとして見るのでしたらいいかもしれませんが、こんなつまらないものにお金をかける気がしれません

 私も単なる歴史ファンタジーとは到底思えない。これは日本は過去に大々的なキリシタン弾圧を行なった邪悪の国という印象を、徹底して喧伝する目的の、反日プロパガンダ作品と見ている。監督が巨匠マーティン・スコセッシというのも重い意味を感じる。ハリウッドには莫大なチャイナマネーが投入され、有名監督や俳優を使っての反日映画が制作される可能性も高い。
 2009-8-15付の記事でも書いたが、中国に渡った宣教師達は日中戦争では全面的に中国側を擁護、実際の本国への報告には中国に寛大で日本に厳しい見方をしていたのだ。「韓国のお笑い「三・一独立運動」」というブログ記事にも、「日本と朝鮮の分裂をはかる欧米宣教師に煽られた朝鮮人キリスト教徒たち」のことが紹介されている。欧米諸国が現代も進行中の中共によるキリスト教徒弾圧を非難した例は、まず聞かない。

 はじめにキリシタン側が異教の施設への破壊行為を重ねたことに言及した日本の報道を、私は未だに見たことがないし、新聞に寄稿する知識人で、それに触れた者も見たことがない。おそらくこの先もメディアは絶対に言わないだろう。他国の代弁者となっている日本のメディアに不都合な事実は、報道しない自由対象なのだ。
 キリスト教研究者は同教徒若しくはシンパのよしみもあり、イスラム教のテロは嬉々として取り上げつつも、キリスト教のそれには及び腰である。「欧州の根幹思想となっているため、キリスト教には是々非々でいきたい」等とお茶を濁す程度。こんな姿勢ではノンクリの信用は決して得られず、所詮は教会の提灯持ちと見なされるはず。

 昨年秋に読んだ『宗教の復讐』(ジル・ケペル著、晶文社)に載っていたチェコの例は興味深かった。国民の25%強がカトリック信者にも拘らず、この国では常にカトリック教会には厳しい目が向けられているという。その原因は前近代のフス戦争にあり、戦争終結後チェコを支配したドイツのカトリック教会やドイツ人貴族による圧政は、チェコ人に深い恨みを刻むことになった。
 共産主義時代にカトリック教会はかなり弾圧され、共産主義体制崩壊後でもカトリックの信仰に帰依する者は至って少なかったらしい。教会は布教する際、先ずヤン・フスの焚刑(1415年)を謝罪することから始まるという。対照的に日本の教会は、開口一番キリシタン迫害のようだ。

 匿名ゆえに本音が出やすいネットでは、クリスチャンの本性も伺える。キリシタンの敵対的テロを知っていたかは不明だが、キリシタン迫害を未だに憎んでいる者を結構見かけたし、拙ブログにアラシ同然のコメントをしてきた者もいる。これでは東日本大震災を天罰と喜んだのは当然だ。1人でも多くの人に福音が伝えられるようにと祈り、地震が起こることを許されたのも神様だが、その後の復興を許されるのも神様という(2012-3-16付記事から)。
 ハワイから嬉しそうに、「私は今回の災害は神様が、私たちに大事なことを気付かせるために起こしたものだと思っています…今こそ隣人を愛し信仰を深めるべきなのではないでしょうか」と書き込んだ信者もいた(2013-3-12付記事)。

 このような意見を見るにつけ、心底敵意が湧いてくる。私がしばしばキリスト教やクリスチャンへの批判記事を書くのは、震災時での怒りがあるのだ。私自身執念深い人間だし、「むしろmugiさんの方が相当キリスト教徒に近い」というコメントがあったが、私もそれは十分自覚している。キリシタン迫害の先頭に立ったのは、皮肉にもキリシタンよりもキリシタン的な異教徒だったのだ。日本がイヤで堪らないキリスト教徒には、1月24日付BBC日本語サイトに載っていた現オランダ首相マルク・ルッテの言葉を捧げる。
もしこの国に住んでいて、お互いへの接し方にそれほどイライラするなら、打つ手はある。出ていけ!ここにいる必要はない!

 尤もネットには、無能暇人としか思えぬクリスチャンを結構見かける。2ちゃんねるには1日中ネットに張り付いているクリスチャンがいたし、「この記事を見た人はこんな記事も見ています」にも、「2015年現在、46歳 女性 独身 カトリックのクリスチャン」のブログ記事が幾つかリンクされていた。
体重の重みに負けるなペトロ!」だけで、情けないの一言。暇だから「食欲は留まることを知らず…」となるのだ。卑しくもクリスチャンなら、“七つの大罪”を知らぬはずはなく、よくまあ、これだけ貪食と怠惰の罪を犯していると呆れる。そんな怠け者こそ聖書の御言葉を実践せよ。
働こうとしない者は、食べることもしてはならないテサロニケ人への第二の手紙3:10

◆関連記事:「良心的な日本人
 「自衛隊は下等な職業
 「日中戦争と欧米人宣教師
 「中国に対して謝罪し続ける覚悟

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんな時間に失礼 (のらくろ)
2017-03-29 03:12:31
関連ありと思うので、一応貼りつけておきます↓
ttps://www.youtube.com/watch?v=6Ksu3ZHXKXc
ttps://www.youtube.com/watch?v=SHa3L_MgsNc
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Re:こんな時間に失礼 (mugi)
2017-03-30 00:21:12
>のらくろ さん、

 面白動画の紹介、有難うございました!2番目の動画は非公開になっていましたが、ある筋への「忖度」のため?

 足立康史という政治家は初めて知りました。「維新のトランプ」の異名のある人物だそうですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%B3%E7%AB%8B%E5%BA%B7%E5%8F%B2

 クリスチャントゥデイには福島へのインタビューが載っていますが、やはり辻元も耶蘇ですかね?
http://www.christiantoday.co.jp/articles/21525/20160723/fukushima-mizuho.htm

 河北新報は例により、森友学園騒動で発覚した辻本の疑惑を一切報道していません。民進党から「忖度」を求められてのことでしょう。
それにしても、「逃げも隠れも致しません」は大笑いさせられます。辻元はかつて秘書給与流用事件で、一時期メディアから逃げ隠れしまくっていた。今回も同じパターン。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BB%E5%85%83%E6%B8%85%E7%BE%8E%E7%A7%98%E6%9B%B8%E7%B5%A6%E4%B8%8E%E6%B5%81%E7%94%A8%E4%BA%8B%E4%BB%B6
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