理工系は違うかもしれないが、「ソ連水爆の父」と呼ばれたアンドレイ・サハロフ博士を今の若い方の多くは知らないだろう。「ソ連水爆の父」の異名通り水爆開発を行った物理学者で、32歳の若さでソ連科学アカデミーの正会員となった人物。
だが、核実験による放射能汚染を目の当たりにし、核実験の中止を進言するに至った。1960年代後半から民主化を求めて社会的発言をするようになり、当然ソ連当局から冷遇されるばかりか、ついには一切の栄誉を剥奪され流刑となる。人生後半は物理学者よりも人権活動家として知られるようになり、「ペレストロイカの父」とも呼ばれた。
そんなサハロフ博士のコラムが、1980年代前半だったと思うが、雑誌『文藝春秋』に掲載された。父がこの雑誌を購読していたので私も読んでいたが、実は私自身、この時初めてサハロフ博士の名を知った。あのソ連にこのような人物がいたこと自体驚いたが、ロシアのウクライナ侵攻で、久しぶりにサハロフ博士のコラムを思い出した。
サハロフ博士のコラムの大半は忘れてしまったが、ソ連当局の方針への批判と、ロシア人が抱える人種差別意識について言及していたことは憶えている。
サハロフ氏は人種差別は他の国々でも見られる、と断った後にロシア人の人種差別を語っていた。ロシア人は己を地球のどの民族よりも優秀であるという思い込みがあり、それは暗いヒステリーになっているというのだ。サハロフ氏もロシア人であり、同胞の差別意識をこうも率直に述べていたことは意外だった。
地球のどの民族よりも優秀であるという思い込みとは選民思想に外ならず、ナチスやユダヤ人と遜色ない。ナチスに先駆けてポグロムという集団的迫害を行っていたのもロシアだった。ただ、世界初の共産主義国家を樹立したためなのか、ロシア人の選民思想は案外知られていない。
1975年、サハロフ氏はソ連での活動を評価されてノーベル平和賞を受賞している。これもソ連国内で受賞は批判の対象となり、批判キャンペーンが党の主導で起こされた。それでも屈せず、活動を止めなかったのだ。
サハロフ氏の流刑が解除されたのは1986年、ゴルバチョフからの電話だった。流刑解除から3年後の1989年12月14日、心臓麻痺のため急死する。享年68歳。死の前日に夫人に語った言葉は「明日は戦いだ」。まさに人権と民主化を求めて戦い続けた半生だった。
現代のプーチン支配化のロシアで、サハロフ氏の功績が評価されるはずがなく、朝日新聞電子版の記事「プーチン強権のロシア 平和賞サハロフ氏の展示許さず」(2021年5月22日付)には、「サハロフ氏が晩年設立に尽力した人権団体「メモリアル」も2016年法務省に「外国の代理人」に指定され、活動を制限されている」という一文がある。もちろんソ連時代から、反体制活動家と見なされた人物は「外国の代理人」呼ばわりされていたが。
総じてロシア人は苛政を敷くお上にも従順だが、時に硬骨漢が出てくるのは興味深い。私は未読だが、『チェチェン やめられない戦争』の著者アンナ・ポリトコフスカヤは、チェチェンを取材した書籍を何冊か著述し、第二次チェチェン紛争やプーチンを批判していた女性ジャーナリストである。
国外では高い評価を受けたポリトコフスカヤだが、ロシア内での評判は芳しくなかった。ベスラン学校占拠事件(2004年9月)発生後、取材のため現地に向かったが航空機内で意識を失った。彼女は機内で飲んだ茶に毒を盛られ、そのために意識を失ったとして、これをロシア当局による毒殺未遂と主張している。ロシア当局はこれを認めないのは書くまでもない。
2006年10月7日、ポリトコフスカヤはモスクワ市内の自宅アパート建物エレベーター内で射殺体で発見された。10月7日は、奇しくもプーチンの誕生日。一応実行犯は捕まったが、犯人に金を渡したとされる黒幕は明らかになっていない。
サハロフ氏だって当局は殺そうと思えばやれたのに、流刑で済ませている。ソ連と言えば独裁制のイメージがあるが、実際はスターリン時代を除いて共産党トップによる合議制だったという。独裁制が強まったのはプーチンからとか。
海外で暮らしているロシア人作家ボリス・アクーニン氏がいる。プーチンの強権体制を批判、ロシアがクリミア半島を併合した2014年、アクーニン氏は祖国を離れた。アクーニン氏へのインタビュー記事「プーチンはウクライナ人を殺し、同時にロシアも殺している」にあった日本人向けメッセージは悲痛さが表れている。
「日本人の方々に言いたいと思うのは、皆さん、プーチンのロシアと本当のロシアは全く違うことだと覚えておいてください。本当のロシアは、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフの国です。プーチンの国ではありません。明日はプーチンがなくなります。“本当のロシア”は残りますよ。是非よろしくお願いします、本当のロシアを。」
但し私はこの主張に違和感を覚える。本当のロシアとは、ドストエフスキー、トルストイ、チェーホフの国ばかりではない。プーチンの国でもあり、イワン雷帝を誕生させた国でもあるのだ。双方いてこそ本当のロシアである。
アクーニン氏の小説『トルコ捨駒スパイ事件』を読んだことがある。小説に登場したトルコ人はロシアを以下のように非難していたが、不気味なほど現代に通じている。
「君の生まれた強大な帝国は、文明にとって最も危険な存在となっている。その広大な領土と、膨大な数の無数の国民と、愚鈍で暴力的な国家システムによってね…ロシアは文明社会にとって大変な脅威を秘めている。ロシアに滞在する野蛮で破壊的な力が遅かれ早かれ表面化すれば、世界中を不幸に陥れかねない。ロシアは、西洋と東洋の悪い処を全てかけ合わせた、不安定で愚かな国だ…」
◆関連記事:「ロシアの同化政策」
「ロシアとトルキスタン」
「ロシア人の見た露土戦争」
「ロシアの軍国少年・少女たち」
ttps://www.youtube.com/watch?v=KgJ8gNvil08
ちょっと毛色違いでは↓
ttps://www.youtube.com/watch?v=cUYfBOSRJvA
再生回数をご覧あれ!
ジューン・ラブジョイ嬢、4分29秒で「目から鱗がドサドサっと落ちた」と言えれば「日本語完璧!」
1・2本目の彼女らに、心からの安堵感をベースにする屈託のない笑顔がもたらされる日を、少しでも近くに手繰り寄せたい。
同時に、つい・ふぇみやふぇみにすとぎいんれんめいの「分からず屋」どもは、萌え絵にキーキー喚くくらいなら、まとめてクレムリンへ空輸し「赤の広場で「ふぇみ(というなのエゴ)」を叫べ」ということだ。やったらどうなるかは火を見るより明らかだが。
初めの動画で、法律改正でロシアではデモは懲役15年、ウクライナに支援金を送れば同20年というのはぶっ飛びます。いかに戦時にせよ、日本の戦時下で「非国民」はここまで処罰されなかった。今の日本では2人殺しても懲役20年にもなりませんよ。
ウクライナ人とロシア人が共に動画に出て話せるのは日本ならではですよね。ウクライナ人とロシア人は通婚することも珍しくなく、双方に親戚がいるのにプトラ―の始めた侵略戦争で、両国のみならず世界中を不幸に陥れている。本国に住む家族と戦争をめぐり不仲になった在日ロシア人もいるそうです。
「日本人と外国人の夜の営みの違いに驚愕!!!!」は笑えます。キリスト教式解釈で、夜の営みは子を儲けることと本気で思っているアメリカ人が未だにいることに、私も驚愕しました。ポルノ産業を生んだ国なのに、前○は必要ないと思っている庶民がいるとは、、、
プーチンを激怒させたウクライナ女性団体『フェメン』があります。しかし今メンバーは変死、音信不通状態です。
https://news.livedoor.com/article/detail/21969048/
トップレスなので男性が喜びそうな団体ですが、やっていることは真剣そのもの。これぞ真のフェミニストです。つい・ふぇみやふぇみにすとぎいんれんめいの「分からず屋」どもは、プトラ―の忠犬「カディロフ部隊」にでも進呈したい。戦場ではイイ男に出会えるでしょう(藁)
ロシア軍の性犯罪にダンマリのつい・ふぇみやふぇみにすとぎいんれんめいは真のクズ。
外見こそ白人でもロシア人は白いタタールと言った人もいました。今のモンゴルはずっと文明的ですが、ロシアは中世から進化していない。