真冬の屋外にあって、君は暖かかった。
そんな君を抱きしめたい、という衝動が襲った。
その君に手を伸ばした途端、振り向かれた。
なんで、そんなに驚くかな。
伸ばした手。引くタイミング、失ったじゃん。
「何?」
と首を傾げた君。
握手じゃないよ。
でも、握ったまま離すことのなかった右手。
思わず、そのまま引っ張った。
腕の中で、固まる君。
思いのありたけを込めて、心底から抱きしめる。
木枯らしの吹くなか、やっぱり君は暖かい。
「好きだよ…」
ごめんな、不安にさせて。
君の手が、おずおずと背中に回る。
もう、離さない。この温もりは、俺だけのもの――。
【終わり】
著作:紫草
そんな君を抱きしめたい、という衝動が襲った。
その君に手を伸ばした途端、振り向かれた。
なんで、そんなに驚くかな。
伸ばした手。引くタイミング、失ったじゃん。
「何?」
と首を傾げた君。
握手じゃないよ。
でも、握ったまま離すことのなかった右手。
思わず、そのまま引っ張った。
腕の中で、固まる君。
思いのありたけを込めて、心底から抱きしめる。
木枯らしの吹くなか、やっぱり君は暖かい。
「好きだよ…」
ごめんな、不安にさせて。
君の手が、おずおずと背中に回る。
もう、離さない。この温もりは、俺だけのもの――。
【終わり】
著作:紫草