『君戀しやと、呟けど。。。』

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No Title

2007-12-03 12:02:30 | なつこのはこ管理人[創作]
 真冬の屋外にあって、君は暖かかった。
 そんな君を抱きしめたい、という衝動が襲った。
 その君に手を伸ばした途端、振り向かれた。
 なんで、そんなに驚くかな。
 伸ばした手。引くタイミング、失ったじゃん。
「何?」
 と首を傾げた君。
 握手じゃないよ。
 でも、握ったまま離すことのなかった右手。
 思わず、そのまま引っ張った。

 腕の中で、固まる君。
 思いのありたけを込めて、心底から抱きしめる。
 木枯らしの吹くなか、やっぱり君は暖かい。

 「好きだよ…」
 ごめんな、不安にさせて。
 君の手が、おずおずと背中に回る。
 もう、離さない。この温もりは、俺だけのもの――。
            【終わり】

著作:紫草
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