天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

『源氏物語』(1951年大映)長谷川一夫主演

2012年03月20日 | 時代劇(テレビ・映画)
源氏物語(1951年大映)長谷川一夫主演

監督・吉村公三郎
脚本・新藤兼人
音楽・伊福部昭

出演・長谷川一夫 木暮美千代 水戸光子 京マチ子 乙羽信子 大河内伝次郎 本間健太郎 菅井一郎 進藤英太郎 長谷川裕見子

帝の寵愛を一心に受け、桐壺の宮はあまり身分が高くなかったため、里に帰って光の君を生むがまもなく病死。
光の君は源氏の姓を賜り都で立身出世の道を歩むが、類まれな美貌で宮中の女性の憧れの的。
彼が心奪われたのは桐壺にそっくりだった藤壺だった。しかし彼女は帝の女御であった。
光の君にも葵の上という正室が居る。
帝の正室と右大臣の策略が渦巻く中、光の君は藤壺と一夜を過ごす…。

2時間3分の超大作です。
白黒作品であるがゆえの想像を超える美しさがあります。
人物はもちろん、セット(特に御簾)、お衣装、楽器…。御髪を梳くシーンもリアリティがあります。
特に光源氏と藤壺、葵上、紫、淡路の4人の女性がとても美しく、ただ「はあぁ。」とため息がでました。

長谷川一夫さん作品は『地獄門』しか見たことがなく、有名な美しい流し目の良さがよくわかっていませんでした。
これは、本当に美しいです。
淡路をみそめた時のちょっといやらしい目つきがたまりませんでした。
あれをスクリーンで観た日には大変だったでしょう。

淡路の京マチ子さんがいやらしくすばらしい。
右大臣の一味にやられた源氏の傷口を吸うシーン、たまりませんでした。

紫の乙羽信子さんもかわいらしくすばらしい。
淡路が源氏ではない子を身ごもり立腹する源氏を説得するシーン、「ご自身と葵上様とのことをお考えになって。」とかたくなに二人を守ろうとする表情がかわいい。

古くて、白黒、しかも平安時代で2時間を越えるとなると睡魔が襲ってくるはずなのですが、すんなり見続けられたのは、セリフが現代口調だったからだと思います。
ちょうど、大河の「草燃える」のような雰囲気でした。

宮中の男たちが好みの女性について語り合うシーンで「女は平凡がいいよ。」とか、源氏が女性に「どうしたの?」とか、「赤ちゃん。」とか時代劇には似つかわしくない表現でしたが、特に違和感は感じませんでした。おそらく当時の口調が現代に比べると上品に感じるのと、役者さんの演技力と所作の素晴らしさにあると思います。

源氏物語の雰囲気を感じるのには一番の作品かと思います。


源氏物語(1951) [DVD]
長谷川一夫,木暮実千代,京マチ子,乙羽信子
角川書店

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