『火入れ式』
耳慣れない言葉、ですよね。
私も、初めて立ちあわせていただきました。
屋根に葺く、瓦の火入れにお施主様、そして私たち施工者が立ち会い
願いや祈りを込めて窯入れを行いました。
何十時間と窯の中で焼かれ、燻され
今度お目にかかるのは、建築現場の屋根の上。
自邸の瓦を焼く場に立ち会えるなんて、貴重な体験ですね。
淡路ならではのセレモニーです。
いぶし瓦の製造元『大栄窯業』さんは、工場のお2階にカフェ兼ギャラリーを開設されています。
『土坐』ーつちざーという名前のギャラリーには、屋根瓦とは全く異なる瓦の形がありました。
一見の価値アリ!です。
お施主様のMさまも、何度となくここへ通われ、この日の火入れ式に至ったそうです。
大栄窯業さんでの火入れ式を終えた後、もう一ヶ所立ち寄りました。
鬼瓦を作る鬼板師、川崎さんの工房『鬼忠』さん。
えっ?無添加住宅の住まいに鬼瓦?と驚かれる方もいらっしゃるかと…。
今回、作成を依頼された瓦は、上の写真のように怖ーいものではなく
現代風にアレンジされた鬼面、それも似顔絵面なのです。
こちらは、息子さんお二人の似顔絵面
この日、ご家族4人の鬼面の側面に、年号とお名前を刻まれました。
緊張の一瞬でしたが、おちゃめな次男君の一言で、一同笑顔!
厳かに、かつ和やかな時間を共有させていただきました。
淡路の若い職人さんのエネルギーを垣間見た一日でもありました。
地元を、家業を、伝統を、大事に守りつつ
新しいものへと切り拓いていく力が淡路にはあるようです。
施主のMさま、このようなご縁を繋いでくださったことに感謝いたします。
わくわくの家づくり、いよいよこれからです。