愉快とはとてもいえない表情で、ペパーは侵入者を睨めつけた。
「<鍵>を教えるのはかまわんが、お前たちに連れまわされるのは私も我慢がならん。今ここで伝えるから、それが済んだらさっさと私の屋敷から出て行くんだ」
コートの男はペパーの両眼を真正面から見つめた。細めた眼裂の奥のひとみからは、獲物をもてあそぶ獣のような光が漏れ出している。
「将軍様。そうはいかないよ。追われるものになるのは趣味ではないし……それに、鍵はあんたの頭の中にある、という言葉……それは、あんた自身が鍵だ、という意味なんだろう?」
「そこまで知っているのか」
ペパーは苦しそうに顔をゆがめた。
「そうとも。それでも全てを知っているわけじゃない。だからね、色々と聞きたいんだよ。宇宙の中心についてね」
「勝手にしろ」
諦めたというより、疲れ果てたという調子で、ペパーは吐きすてた。
「失礼する」
ペパーの鼻先に、うすい紫の霧が吹きかけられた。ペパーはもう一度、目の前の男たちの顔をぐっと睨んだ。その三つの顔が六つになり、九つになり、水面の上の月のようにくらくらと揺れだした。
そのまま気が遠くなり、かれは眠りに落ちた。
「<鍵>を教えるのはかまわんが、お前たちに連れまわされるのは私も我慢がならん。今ここで伝えるから、それが済んだらさっさと私の屋敷から出て行くんだ」
コートの男はペパーの両眼を真正面から見つめた。細めた眼裂の奥のひとみからは、獲物をもてあそぶ獣のような光が漏れ出している。
「将軍様。そうはいかないよ。追われるものになるのは趣味ではないし……それに、鍵はあんたの頭の中にある、という言葉……それは、あんた自身が鍵だ、という意味なんだろう?」
「そこまで知っているのか」
ペパーは苦しそうに顔をゆがめた。
「そうとも。それでも全てを知っているわけじゃない。だからね、色々と聞きたいんだよ。宇宙の中心についてね」
「勝手にしろ」
諦めたというより、疲れ果てたという調子で、ペパーは吐きすてた。
「失礼する」
ペパーの鼻先に、うすい紫の霧が吹きかけられた。ペパーはもう一度、目の前の男たちの顔をぐっと睨んだ。その三つの顔が六つになり、九つになり、水面の上の月のようにくらくらと揺れだした。
そのまま気が遠くなり、かれは眠りに落ちた。