スターフォックスにはまるで関係のない話。
仮面ライダーの話です。
2009年に放映されていた『仮面ライダーディケイド』。
物語中、「ディケイド」の行く先々に、「鳴滝(なるたき)」と名乗る怪しい男が現れる。鳴滝は何かにつけ「おのれディケイド!」と口走り、どうやら随分とディケイドを憎んでいるようなのだが、それはなぜなのか、過去に何があったのか等は全く明かされない。
いったいこの鳴滝ってヤツは何もんなんだ? なにか説明がないと納得がいかねえよ。嘘でも、でっちあげでもいいから何か説明が欲しい。
と、長い間思い続け、とうとう今晩フロに入っている間、鳴滝の過去を思いつくことができた。
なんとなく嬉しいからここに書いておきます。スターフォックスにはぜんぜん関係ない上、ディケイドを知らなかったら理解できないと思いますが。
男の名前は「鳴滝」。
だが最初からその名前だったかどうか、もう本人にもわからない。
男は平凡な勤め人だった。ある日、深夜の路地裏で運悪く若者の集団に目をつけられ、 暴行を受ける。そこを救ったのが少年時代の士だった。
士とともに世界を越えたことで男に変化が起き、士と同じように世界を越える力が目覚める。
男はその力を、はじめはひそかな楽しみに使うだけだった。しかしあるとき気づいてしまう。ひとつの世界でどんなに悪事を働こうとも、別の世界に移動すれば誰も自分を追ってはこれないことに・・・。
それに気づいてのち、男はみるみる堕落してゆく。怠惰と快楽の日々の果てに罪を重ねては、また次の世界へと移る。その繰り返し。
一年も経たないうちに、男は苦悩し始める。どんな世界へ移動しても、長く居続けることができない。腐りきってしまった自分は、どこの世界だろうと拒絶される。
無限の世界を手に入れたと思っていたのは間違いだった。それどころか、このまま堕ち続ければ、いかなる世界にも居場所を失ってしまうのだ。
そう悟った男は、ただひとつの世界にとどまる決意をする。世界を越える力は封印し、二度と使わない。今この世界を唯一無二の己の世界と信じ、自身の役割を全うする。
決意を固めてから数年が過ぎた。自分に誓った通りに世界を越えることはせず、平凡ながらも精一杯に生きていた。その甲斐あって、仕事を評価されることも多くなった。
これでよかったんだ。
そう思う男の前に、突如、次元を越えて侵略者たちが現れる。
侵略者たちは「大ショッカー」と名乗り、その組織の頂点に立つのは、かつて自分に世界を越える力を与えたあの少年だった。
大ショッカーの大首領となった士は、世界を越える力をフルに使い、各世界の悪を大同団結させていた。そしてついにすべての世界の征服に乗り出したのだ。
男が唯一無二と心に決めた世界も、無残なまでに破壊される。
男は怨念と憎悪に奮い立つ。いまさら世界がどうなろうと関心はない。
ただ、己の運命と世界を破壊しつくしたあの少年、そして世界を越える力だけは、この地上から葬らなければならない。
『世界の破壊者』ディケイドとなり、ライダー討伐の旅に出た士を追って、男もまた旅立つ。「この世界にあってはならない存在」ディケイドを消し去るために。
……ディケイドという存在も、鳴滝という男も、なにかの暗喩なのかな。
一見意味不明な鳴滝にも、実はちゃんと意味があるのかな。
それともあまり深い意味はないのかな。
はじめは意味がなくとも、後付けで意味が付加されていった結果、確たる存在になるということもあるのかな。
『ディケイド』の放映期間は、キャラクターが意味を得るには短すぎたということかなあ。(平成『仮面ライダー』の放映期間は一年間が普通だが、後番組の放映開始時期を調節するため、『ディケイド』の放映期間は短かったのです)
何にしても僕は、今も『ディケイド』を愛してやみません。
仮面ライダーの話です。
2009年に放映されていた『仮面ライダーディケイド』。
物語中、「ディケイド」の行く先々に、「鳴滝(なるたき)」と名乗る怪しい男が現れる。鳴滝は何かにつけ「おのれディケイド!」と口走り、どうやら随分とディケイドを憎んでいるようなのだが、それはなぜなのか、過去に何があったのか等は全く明かされない。
いったいこの鳴滝ってヤツは何もんなんだ? なにか説明がないと納得がいかねえよ。嘘でも、でっちあげでもいいから何か説明が欲しい。
と、長い間思い続け、とうとう今晩フロに入っている間、鳴滝の過去を思いつくことができた。
なんとなく嬉しいからここに書いておきます。スターフォックスにはぜんぜん関係ない上、ディケイドを知らなかったら理解できないと思いますが。
男の名前は「鳴滝」。
だが最初からその名前だったかどうか、もう本人にもわからない。
男は平凡な勤め人だった。ある日、深夜の路地裏で運悪く若者の集団に目をつけられ、 暴行を受ける。そこを救ったのが少年時代の士だった。
士とともに世界を越えたことで男に変化が起き、士と同じように世界を越える力が目覚める。
男はその力を、はじめはひそかな楽しみに使うだけだった。しかしあるとき気づいてしまう。ひとつの世界でどんなに悪事を働こうとも、別の世界に移動すれば誰も自分を追ってはこれないことに・・・。
それに気づいてのち、男はみるみる堕落してゆく。怠惰と快楽の日々の果てに罪を重ねては、また次の世界へと移る。その繰り返し。
一年も経たないうちに、男は苦悩し始める。どんな世界へ移動しても、長く居続けることができない。腐りきってしまった自分は、どこの世界だろうと拒絶される。
無限の世界を手に入れたと思っていたのは間違いだった。それどころか、このまま堕ち続ければ、いかなる世界にも居場所を失ってしまうのだ。
そう悟った男は、ただひとつの世界にとどまる決意をする。世界を越える力は封印し、二度と使わない。今この世界を唯一無二の己の世界と信じ、自身の役割を全うする。
決意を固めてから数年が過ぎた。自分に誓った通りに世界を越えることはせず、平凡ながらも精一杯に生きていた。その甲斐あって、仕事を評価されることも多くなった。
これでよかったんだ。
そう思う男の前に、突如、次元を越えて侵略者たちが現れる。
侵略者たちは「大ショッカー」と名乗り、その組織の頂点に立つのは、かつて自分に世界を越える力を与えたあの少年だった。
大ショッカーの大首領となった士は、世界を越える力をフルに使い、各世界の悪を大同団結させていた。そしてついにすべての世界の征服に乗り出したのだ。
男が唯一無二と心に決めた世界も、無残なまでに破壊される。
男は怨念と憎悪に奮い立つ。いまさら世界がどうなろうと関心はない。
ただ、己の運命と世界を破壊しつくしたあの少年、そして世界を越える力だけは、この地上から葬らなければならない。
『世界の破壊者』ディケイドとなり、ライダー討伐の旅に出た士を追って、男もまた旅立つ。「この世界にあってはならない存在」ディケイドを消し去るために。
……ディケイドという存在も、鳴滝という男も、なにかの暗喩なのかな。
一見意味不明な鳴滝にも、実はちゃんと意味があるのかな。
それともあまり深い意味はないのかな。
はじめは意味がなくとも、後付けで意味が付加されていった結果、確たる存在になるということもあるのかな。
『ディケイド』の放映期間は、キャラクターが意味を得るには短すぎたということかなあ。(平成『仮面ライダー』の放映期間は一年間が普通だが、後番組の放映開始時期を調節するため、『ディケイド』の放映期間は短かったのです)
何にしても僕は、今も『ディケイド』を愛してやみません。