プロポーズ小作戦36
ジノの勘ではいざ顔を見れば天子のほうが動くと踏んでいた。
11も年下の女の子から逆プロされる・・・男としては幾分情けない光景だろうが、天子と星刻の公的な関係を考えに入れるとむしろその方が自然である。
それに、(姫天子ちゃんはもう子供じゃない)
つい、さっきのことだ。いつも庭の池に蓮の花を見に行く天子が今日はおとなしく本を読んでいる。星刻が置いていった本である。
「今日は花を見に行かないのかい」
「私ね、もう赤ちゃんを探さないの」
「(ヘッ)」
声にならないジノの反応。
「もう子供じゃないもの。赤ちゃんがお花にはいないってわかったの」
「・・・。(オイオイ、まさか今まで親指姫を信じていたのかい)」
「もう知っているもの。赤ちゃんがどうやってくるのか」
ここでジノが訊けば天子は答えただろう。自信を持って。
女の子が大きくなると、コウノトリが赤ちゃんを連れてくるのよ。
ここでジノは尋ねなかった。赤ちゃんがどうして生まれるのかを。これはジノのミスではない。男としてのデリカシーというものである。
天子の自信は揺るがない。だって、星刻が教えてくれたのだもの。
ジノの勘ではいざ顔を見れば天子のほうが動くと踏んでいた。
11も年下の女の子から逆プロされる・・・男としては幾分情けない光景だろうが、天子と星刻の公的な関係を考えに入れるとむしろその方が自然である。
それに、(姫天子ちゃんはもう子供じゃない)
つい、さっきのことだ。いつも庭の池に蓮の花を見に行く天子が今日はおとなしく本を読んでいる。星刻が置いていった本である。
「今日は花を見に行かないのかい」
「私ね、もう赤ちゃんを探さないの」
「(ヘッ)」
声にならないジノの反応。
「もう子供じゃないもの。赤ちゃんがお花にはいないってわかったの」
「・・・。(オイオイ、まさか今まで親指姫を信じていたのかい)」
「もう知っているもの。赤ちゃんがどうやってくるのか」
ここでジノが訊けば天子は答えただろう。自信を持って。
女の子が大きくなると、コウノトリが赤ちゃんを連れてくるのよ。
ここでジノは尋ねなかった。赤ちゃんがどうして生まれるのかを。これはジノのミスではない。男としてのデリカシーというものである。
天子の自信は揺るがない。だって、星刻が教えてくれたのだもの。