雨が止んだのを知らせるように蝉がいっせいに鳴き始めてます。
法師蝉の鳴き声も聞こえます。
雨もまだ続いて降っております。どうぞ気を付けて過ごしてください。
兼題:秋
試合終え握手を交わす秋涼し
トンネルの先は寒村秋時雨
見なすらし掃きあう秋は白州波
村の正義が他人を裁く秋の茄子
挨拶は折目正しく人の秋
千秋楽プロレス観せし名古屋場所
秋蝉や広島長崎雨に濡れ
秋未だ楽譜に汗の玉こぼれ
自分史の空白多し今朝の秋
里の駅歩み急がす秋驟雨
初秋や臨時列車の時刻表
秋めきて半値の夏帽つい買いし
擦れ違う男と女秋麗ら
秋霖にチャペルの鐘のくぐもりて
秋出水車輪天向く三輪車
簡単に包む包装秋暑し
地球儀の程よき傾ぎ今朝の秋
秋うらら脳に一粒チョコレート
モノクロのスガモプリズン秋の雨
人の世の脆さ危うさ秋出水
たかられて無くなる速さと秋の風
立秋や亀に生涯寺の空
墓標旧り旧りぬ想いや御巣鷹の秋
テーマ:平和
「世界平和」七夕竹の天辺に
シンボルの鳩旋回すドーム夏
平和裡に墓参がしたいロープ垂れ
パンダの子母に抱かれて涼新た
八月や耳目を閉ざす帰還兵
ひぐらしの森を乱して国連旗
持て余す自粛の時間ちちろ鳴く
モノクロの八月六日灼けにけり
砂漠には戦渦の国も星月夜
感動で平和装う夏祭り
仰向けに死んだふりして御器かぶり
空蝉や憲法になき自衛隊
使われぬままの水筒広島忌
雨音が叩く八月十五日
秋の蚊を払いつ打ちつ読む杜翁
星月夜一番競ふ超高層
枕辺に雨だれを聴く敗戦忌
大南風ラジオにサァフィンU.S.A
桃熟れて奔放にしゃぶる至福かな
敗戦日酒一合の父の黙
白シャツの繋ぐ聖火や空の青
八月の三日で終わる平和論
彼の那覇の陸に死に栗の花の香
雑詠
カンナから離れて少しもの思う
シャワー浴びけふのひと日の終わりけり
ひぐらしや風の立ち寄る慰霊の碑
唖蝉を放つ少年大人びる
永遠に住む土地だ木立と蒸す庭と
ダージリンと辻井伸行秋の雨
空白を埋めるひと言温め酒
黒い雨弁当箱といふ遺品
社長室を出てから部長の汗拭い
落蝉の顔と足だけ残りけり
首里城の龍が牙剥く秋旱
棚経の僧は教へ子南無南無南無
単色のいのち大きな桃を剥く
鉄扉這いてっぺんを取る蝸牛
黒傘をまるめ町家のつくつくし
蛇泳ぎ切るおぞましく美しく
武庫の嶺葉月の空の渡りけり
秋桜母校へ昔のままの道
風の中雨の中にも秋の蟬
油蟬落ちて呟くおまじない
落蟬に末期の梅酒そっとかけ
六才のリュックの名札終戦日
曼珠沙華立ったつもりの復興五輪
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
8月22日(日)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com
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