お待たせいたしました。
ちょっと過ごしやすくなったと思っていましたが、じりじりと暑さがぶり返してきました。
兼題:秋
試合終え握手を交わす秋涼し 泉
トンネルの先は寒村秋時雨 楊子
〇(宙虫)寒村、さみしいだけではない。秋時雨の中に漂う安堵感。
○(餡子)東北、中国地方などにある風景。寒村、秋時雨と負のイメージだが実景だろう。
○(あちゃこ)トンネルの先に待つ明暗。季語がぴったり。
見なすらし掃きあう秋は白州波 吾郎
(選外)(藤三彩)白州波がわからない。サントリー白州はもう秋かな。
村の正義が他人を裁く秋の茄子 宙虫
○(泉)「正義」は常に変化します。他人に押し付けるなど、本当に傲慢だと思います。
○(餡子)恐いです。村八分・・・今は自粛警察?
〇(めたもん)「秋茄子は嫁に食わすな」が連想されます。確かに正義は他人を裁きたがるもの…かも。
〇(ちせい)地方の時代と言う言葉を思い出します。ポジティヴなニュアンスを感じました。
挨拶は折目正しく人の秋 幹夫
◯(道人)「人の秋」が爽やかです。
千秋楽プロレス観せし名古屋場所 瞳人
○(幹夫)大横綱の筈なのに、いつもながら実に勿体ない。
秋蝉や広島長崎雨に濡れ 藤三彩
〇(メイ)秋蝉が途切れずに鳴き、「広島長崎」という象徴の街が雨に濡れている。
秋未だ楽譜に汗の玉こぼれ アネモネ
自分史の空白多し今朝の秋 道人
○(泉)「空白」とは?後悔でしょうか?人生は空白がなければ、息苦しいでしょう。
○(卯平)己の来し方への思い。季語が将来への思い。起点から過去と未来を俯瞰している。
〇(藤三彩)時が経てば過去に特別な何をしていたといこともなく記憶も薄れます。
◯(ルカ)共感します。
〇(春生)「空白」もさわやかです。
〇(めたもん)自分は何をしてきたのだろうと立ち止まる日の想い。「自分史の空白」という表現がいいですね。
(選外)(メイ)ふと空白を思うのは、今朝の秋だなあと納得する季語です。
里の駅歩み急がす秋驟雨 仙翁
〇(楊子)歩みを急がせるのは決して秋驟雨だけではないかも。ふる里は帰るところ。
初秋や臨時列車の時刻表 卯平
◯ (アゼリア) 例年だったら旧盆には帰省の為の臨時列車が出たのでしょうに。早く元の暮らしに戻りたいですね。
秋めきて半値の夏帽つい買いし アダー女
〇(ちせい)知恵が働いていると思いました。
擦れ違う男と女秋麗ら 敏
秋霖にチャペルの鐘のくぐもりて 餡子
◯ (アゼリア) 学生時代、チャペルタイムによく学食で餡蜜食べたこと懐かしく思い出しました。雨に鐘の音がくぐもるなんて考えたこともありませんでした。観察が鋭いです。
〇(仙翁)音と景色が良く似合っていますね。
秋出水車輪天向く三輪車 ルカ
○(アダー女)全く今年の秋口も激しい梅雨の再来のようなゲリラ豪雨。各地で土石流などによる痛ましい災害が続出。三輪車の車輪が天に向いているという。持ち主の子供は無事か?無事だとしても大事な三輪車の被害に泣く子の姿が痛ましいです。
○(敏)線状降雨帯に遭遇した河川では自動車が天を向いている画像を見かけますが、一句の状況はそれほどの出水ではなかったのでしょうね。
(選外)(道人)仰臥する三輪車が痛ましい。「車」の重複は避けたいところ。
簡単に包む包装秋暑し まきえっと
◯(ルカ) 季語が効いてます。
地球儀の程よき傾ぎ今朝の秋 めたもん
◎(瞳人)秋きぬを、そこの感じましたか
◎(楊子)地球の傾きは宇宙科学的にきまった角度なのに「程よき」とは言い得て妙です。だから秋がくるのですね。
◎(吾郎)あの傾きは造形的に実に美しい。暑苦しさがないのかな。
〇(宙虫)地球がどたごた乱れている。いつもの「今朝の秋」がそこに。
◯(道人)地球儀の地軸はいつも23.5度傾いているが普段は気にならない。立秋の朝は特別。旅心も湧く。
◎(珠子)言われてみればあの傾ぎは「程よき」なのでしょう。あの傾ぎの理由をわかろうとしたことのなかった我が人生。何気なくこういう素材を持ってくる感性には恐れ入ります。
◯(ルカ)季語がいいですね。
〇(春生)この地球に安定が訪れますように。
◎(敏)23.4度の地軸の傾きがもたらしてくれる四季の変化を感じ取っての作句と思われます。
〇(まきえっと)言われてみるとという感じの傾ぎですね。「今朝の秋」と合っています。
◯(アネモネ)いいところに目を付けました。
秋うらら脳に一粒チョコレート メイ
○(瞳人)99%でそこに刺激を与えましょう
○(泉)脳は糖分しか取らないので、正しくチョコレートですね。
○(卯平)一粒のチョコレートで与える脳への刺激が夏に疲れた己を奮い立たせる。
○(幹夫)CMソングになりそう。素敵な取り合わせですね。
モノクロのスガモプリズン秋の雨 あちゃこ
◎(卯平)戦後を総括したスガモプリズン。この場所のモノクロの景と秋の雨が微妙に振れあっている。その景から戦後76年目の思いへワープ。
○(アダー女)戦犯の収容所だった巣鴨拘置所。今は池袋サンシャインシティ。そして戦犯が処刑された跡地は今、公園になっている。これらの生々しい場所が我が母校の近くであったことを今回初めて知った。モノクロとスガモプリズンの片仮名表記がまさに過去の歴史と謎を秘め、秋の雨とピタリ収まっている気がします。
人の世の脆さ危うさ秋出水 春生
〇(藤三彩)大雨や洪水の記憶があって対策がなされるのだろうが過去は忘却の彼方になりがち
◯(アネモネ)言い得て妙。
たかられて無くなる速さと秋の風 ちせい
立秋や亀に生涯寺の空 珠子
○(泉)亀も人間も、置かれた場所で精一杯生きるしかありません。
◎(アネモネ)みんな人生こんな感じです。
墓標旧り旧りぬ想いや御巣鷹の秋 アゼリア
テーマ:平和
「世界平和」七夕竹の天辺に 幹夫
〇(春生)「世界平和」は一番の願いですね。
◎(あちゃこ)素直な万民の願い。語り過ぎないのがいいですね。
◯(アネモネ)いまこそそう願いたい。
シンボルの鳩旋回すドーム夏 敏
平和裡に墓参がしたいロープ垂れ ちせい
パンダの子母に抱かれて涼新た 藤三彩
〇(メイ)パンダの聖母子像は、平和のひとつのかたち。
八月や耳目を閉ざす帰還兵 あちゃこ
○(泉)帰還兵は多くを語らない。余りにも過酷な体験は、語ることができない?
◎(ルカ)無言の重み。
○(餡子)やっと、語り出してくれている方達がいらっしゃいますね。母も「話したくない」と生前よく言っていました。帰還兵とならば余計でしょう。
(選外)(卯平)八月はどうしてもこのような景を詠みたい。十分に選に入る句。惜しむらくは「耳目」に理を感じた。
ひぐらしの森を乱して国連旗 宙虫
〇(ちせい)自然が何かを訴えているようです。
持て余す自粛の時間ちちろ鳴く まきえっと
〇(藤三彩)八月も下旬になれば庭のどこからともなく秋の虫が鳴き始める。虫は季節を知るが、人はコロナ禍でたまらない
○(敏)コロナ禍の大方の日常を言い止めています。
〇(めたもん)「ちちろ」の鳴き声は時間を持て余しているときに特に大きく聴こえるような気がします。
◯(アネモネ)得心です。
モノクロの八月六日灼けにけり 卯平
〇(仙翁)灼けにけり、いろいろ想いますね。
砂漠には戦渦の国も星月夜 アゼリア
◎(宙虫)アフガンの状況が心配される。平山郁夫画伯の「シルクロード」を思い浮かべながら、平和の尊さを考える。
感動で平和装う夏祭り 仙翁
仰向けに死んだふりして御器かぶり 瞳人
○(卯平)最近ラジオで聞く「ゴキブリ○イ○イ」のCM。ゴキブリの名前は「チャーリー」。ゴキブリとの友情も結局は破滅。時には仰向けで死んだふりもしているようだ。
○(吾郎)笑っちゃっていい光景かどうか微妙なんですけど、ま、面白いから。
○(アダー女)みんなに嫌われるゴキブリ!あのしたたかさが「仰向けに死んだふり」で一層憎たらしい存在に。このしたたかさが三億年も化石のように生き延びてきた強さなのでしょうね。
空蝉や憲法になき自衛隊 泉
◎(道人)シンプルな事実を並べているだけだが、上五と中七が呼応し合って上質の反戦護憲俳句となっている。
○(幹夫)だからこそ第9条にはしっかりとした明記が必要ですね。作者も私同様改憲推進派なのでしょう。
使われぬままの水筒広島忌 ルカ
〇(楊子)水筒という、いまや懐かしい響きもあります。命とつながっています。
◯(道人)心に沁みる広島忌の原風景。
○(餡子)どんなに、水が欲しかったでしょうか。一瞬にして未来が消えた。
◯ (アゼリア) コロナ籠りで実家の整理をして、戦死の伯父の遺品がそのまま仕舞われており祖父母の深い悲しみを改めて思いました。この水筒にもいろいろな思いが込められているのでしょうね。
○(あちゃこ)原爆記念館でかつて見た焼け残った水筒。水筒は雄弁な語り部。
〇(まきえっと)「水」ですね。
(選外)(卯平)この水筒が「資料館」の水筒であったら平凡。此処では作者が幼き頃買ってもらった水筒が、使わないまま現在に至っている事への作者の思いと広島忌との振れあいがそれなりの思いを伝えようとはしている。しかし、上五中七が予定的で当たり前。だから季語が生半可の位置で終わっていないか。
雨音が叩く八月十五日 珠子
◯(ルカ)大雨続きの終戦日。
○(敏)雨音が終戦記念日を叩く、この発想に魅かれました。
〇(まきえっと)「雨音が叩く」からいろいろなことが想像できます。
秋の蚊を払いつ打ちつ読む杜翁 道人
星月夜一番競ふ超高層 メイ
枕辺に雨だれを聴く敗戦忌 春生
〇(珠子)敗戦忌は日本中が雨でした。コロナ感染は猛威を振るい、あちこちで甚大な洪水被害。地震・クーデター‥‥その中で、あえて平易な言葉で仕上げたところに惹かれました。
〇(仙翁)いろいろ想いが廻りますね。
◎(ちせい)目覚め際の俳味でしょう。
大南風ラジオにサァフィンU.S.A アネモネ
桃熟れて奔放にしゃぶる至福かな アダー女
敗戦日酒一合の父の黙 めたもん
○(瞳人)黙して一合、何をおもうてや
○(卯平)戦争体験のある父。作者の思いが強く出過ぎてはいる感もないでもないが酒一合にその心情を深くする。このような句には弱い。
○(吾郎)一合の塩梅がよろしいかと。
○(アダー女)先の戦争の記憶をはっきりお持ちや実体験をされた方々にとって終戦の日は一層辛い日だと思います。記憶を語ることさえ辛くただただ寡黙にお酒を飲まれるのみ。一合の酒は父上の老いと亡くなられた方々への思いでやっとの一合なのでしょうね。
○(餡子)この句も、辛い経験されたお父様なのでしょう。晩酌も、この日ばかりは苦い酒でしょう。
◯ (アゼリア) 本当に辛かったことは、話す気になれないのでしょうね。
◎(春生)心にわだかまる苦しさが伝わってきます。
◎(幹夫)戦後76年が経ちました。平和な日本が続いています。
白シャツの繋ぐ聖火や空の青 楊子
◎(泉)賛否両論ありましたが、開催できて良かったと思います。
○(あちゃこ)遂に見られなかった聖火。爽やかな色のコントラスト。
八月の三日で終わる平和論 餡子
〇(藤三彩)8月6日、9日そして15日。
(選外)(メイ)夏が来ると、戦争の句を作ろうとする私です。
彼の那覇の陸に死に栗の花の香 吾郎
◯(道人)大戦の壮絶な沖縄戦を詠んだ名回文句。「栗に花の香」が何とも生々しく且つ哀しい。
〇(珠子)こういうことも回文で表せることに驚きます。多くの方が犠牲になった6月、栗の花のころだったのかもしれません。
◎(餡子)私の父も、沖縄にての戦死。平和の礎に、名前のみが刻まれています。匂いの強い栗の花と、合います。
◯ (アゼリア) 回文とは思えぬ佳句と思います。地上戦のあった沖縄が今コロナ禍と戦っていて、大変なことが多いですよね。
◎(めたもん)「栗の花の香」により「沖縄戦の死」が肉感的なリアリティーで伝わります。回文のアドバンテージ無しの特選です。
◎(まきえっと)季語の「栗の花の香」が効いています。
雑詠
カンナから離れて少しもの思う 敏
○(吾郎)カンナって何か言いたそうで、言い始めるとうるさそうな大阪のおばちゃん(笑)
○(アダー女)カンナのあまりにも元気過ぎる赤は、静かに物思うときには、ちょっと邪魔ですよね。
〇(宙虫)カンナの色に強迫観念を覚える。
〇(珠子)離れるのはカンナでなくてもいいでしょうが、この句の中のカンナには不思議な魅力を感じます。昔の出来事かもしれませんし。「少し」には功罪あるでしょう。
〇(めたもん)「もの思う」には情熱的な「カンナ」から少し離れる必要が。「カンナから少し離れてもの思う」としなかった経緯が知りたいです。
〇(メイ)「離れて少し」の静けさに惹かれます。
〇(まきえっと)カンナって確かにそう思えますね。
シャワー浴びけふのひと日の終わりけり 卯平
ひぐらしや風の立ち寄る慰霊の碑 あちゃこ
〇(楊子)戦後も遠くなりました。立ち寄るという軽さがそれを表しています。
〇(宙虫)風の立ち寄るがいい。静かなたたずまい。
◎ (アゼリア) 残暑きびしき折風に癒されますね。
◎(仙翁)風の立ち寄る、良い表現ですね。
〇(春生)祈りの心が出ました。
○(敏)この時季はことさらに慰霊の感情が昂ぶりますね。
〇(めたもん)構図のしっかりした水彩画のような句。ドヤ感がなく主張し過ぎないところが魅力です。
〇(まきえっと)風の立ち寄るがいいですね。
(選外)(卯平)悪くはない。が、何処か類似感が。
(選外)(道人)「風の立ち寄る」が旨い。吟行句であるなら最高点句水準。
唖蝉を放つ少年大人びる 楊子
○(吾郎)一人の夏を経験し少年は大人に。
〇(珠子)特に夏休みには大人びる体験をする時なのでしょう。
永遠に住む土地だ木立と蒸す庭と 吾郎
〇(宙虫)これから日本は亜熱帯の国になるのだろうか。
ダージリンと辻井伸行秋の雨 アゼリア
〇(ちせい)芸術と紅茶は相関性が高いと思いました。
(選外)(卯平)ダージリンと辻井伸行の関係はどのような関係か。それを示すヒントが欲しい。盲目のピアニストである「辻井」さんには確かにダージリンは似合おう。句としてのインパクトを求むればレイチャールズの方が鑑賞者である私好み。但しダージリンではないが。
(選外)(道人)至福の時。「ダージリン」がお洒落。
空白を埋めるひと言温め酒 餡子
黒い雨弁当箱といふ遺品 メイ
〇(楊子)この弁当箱はアルミでしょう。食べる物を入れる遺品が悲しい。
社長室を出てから部長の汗拭い 泉
(選外)(卯平)社長室から出てきたのは専務ではなくある部門の部長。「私が部長だ」と部下には威張っても社長の前では平社員。汗を拭う姿に何処かしら愛らしさと悲哀が。句としては散文的では。
落蝉の顔と足だけ残りけり ちせい
〇(仙翁)実際に、そんな落ちゼミ見ることがありますね。
首里城の龍が牙剥く秋旱 幹夫
○(あちゃこ)沖縄に群れる観光客。感染拡大に龍が牙を剥く。
棚経の僧は教へ子南無南無南無 アネモネ
◎(藤三彩)昔は若いお坊さんがお盆のお経を上げに自宅に来たものだったが今はない。教え子だったという出会いがおもしろい
◯(道人)一編全体で味わう最短詩の物語。
〇(珠子)ありそう・ありそう。あの泣き虫がねえ・あの漢字の読めなかった子がねえ・と、時々片目を開けて南無南無南無…。私の実家では親子二代にわたって菩提寺の僧と同級生であり、同じような南無南無南無…です。
単色のいのち大きな桃を剥く まきえっと
◯(ルカ)詩情があります。
鉄扉這いてっぺんを取る蝸牛 仙翁
○(敏)蝸牛があたかも鉄壁を攻略した日中戦争時代の兵士に思えてきます。
○(幹夫)蝸牛は大器晩成の生き物です。
黒傘をまるめ町家のつくつくし 宙虫
○(吾郎)日差しのすごさと、ほっとした瞬間が伝わってきます
◎(メイ)「黒傘をまるめ」の描写が簡潔。町屋を行く後ろ姿のイメージが広がった。M音の心地よさ。
蛇泳ぎ切るおぞましく美しく 珠子
〇(メイ)悠々とした蛇と、おぞましさに魅せられている作者の対比がリアル。
〇(ちせい)ある種の詩性が感じられます。蛇の詩性ですね。
武庫の嶺葉月の空の渡りけり 瞳人
秋桜母校へ昔のままの道 春生
○(瞳人)いつまでも、ずっと、咲かせてくれる人がいるのですね
◎(アダー女)ありのままのなんのいじくりもない素直なそれでいて情景も作者のノスタルジックな思いも伝わってくる良い句だなあとしみじみ思います。
〇(藤三彩)母校というが小中高のどれだろう。少子化で小中校は統合合併されたり廃校になったりしている。道だけが残った。
◯(アネモネ)泣けました!
風の中雨の中にも秋の蟬 道人
〇(仙翁)ヒグラシでしょうか、ツクツクボウシでしょうか。
○(あちゃこ)世の騒乱の中、変わらず蝉は鳴くばかり。
〇(メイ)歌うような繰り返しのリズムが、秋の蝉を讃えている。
油蟬落ちて呟くおまじない めたもん
○(幹夫)ジジジジ、バタバタ。七日目の蟬ですね。
落蟬に末期の梅酒そっとかけ アダー女
六才のリュックの名札終戦日 ルカ
○(瞳人)そんなリュックが残っていますか、こちら、用毛布を切っての、母手作りの幼稚園の肩掛けかばんが、脳裏にくっきりと
○(卯平)「使われぬままの水筒広島忌」より此方の方がより心情的に深くなる。何故なら此方の方が報告的でないからだ。「終戦日」ではなく[敗戦忌」であれば間違いなく特選候補。
〇(楊子)背嚢にも名札が記されていました。同じに背負うものの取り合わせ。かわいいリュックと想像できるが季語を合わせると悲しい。
〇(春生)あれから76年、一時の忘れられない映像ですね。
曼珠沙華立ったつもりの復興五輪 藤三彩
☆次回をお楽しみに。
広島は雨ばかりの毎日です。晴間が見えません。感染は拡大するし、大変なのですが、案外と日々は平穏に過ぎていきます。
しかし、オリンピックは無事に終わって、良かったです。菅総理も我慢の時でしょう。誰が総理でも、批判されます。
千秋楽プロレス観せし名古屋場所
○(幹夫)大横綱の筈なのに、いつもながら実に勿体ない。
秋うらら脳に一粒チョコレート
○(幹夫)CMソングになりそう。素敵な取り合わせですね。
空蝉や憲法になき自衛隊
○(幹夫)だからこそ第9条にはしっかりとした明記が必要ですね。作者も私同様改憲推進派なのでしょう。
敗戦日酒一合の父の黙
◎(幹夫)戦後76年が経ちました。平和な日本が続いています。
鉄扉這いてっぺんを取る蝸牛
○(幹夫)蝸牛は大器晩成の生き物です。
油蟬落ちて呟くおまじない
○(幹夫)ジジジジ、バタバタ。七日目の蟬ですね。