こんばんは。
東京の桜は開花しましたね。
いよいよ春ですね。
世間はいろいろありますが、発表です。
兼題:玉
春塵にまぎれ玉川カルテット 宙虫
花冷えや気苦労多き玉の輿 泉
◎(アネモネ)女性ならずとも逆玉もそうらしいですよ。「花冷え」が効いています。
(選外)(藤三彩)女子アナって有力なスポーツ選手とよく結婚するけれど、別れるニュースも耐えないナ。
春光や不逞のこころ玉のやう 瞳人
〇(道人)春光を浴びると、不逞心も丸くなってしまいますね。納得。
玉乗りのすこしよろける弥生かな 瓦すずめ
○(泉)プロでも失敗はあるのでしょう。弥生のせいでしょうか。
〇(春生)弥生の頃の気分が良く描かれています。
〇(餡子)大道芸でしょうか。ピエロのわざとらしいよろけ方に思わず笑いが・・・。春めいてきます。
◯ (アゼリア)春先目眩がするのは私だけではないんだなんて妙な安心してしまいました。
◯(宙虫)弥生三月は不安定です。
〇(まきえっと)3月の不安定さをよく表現しております。
泡沫や嗚呼玉杯に桜花 幹夫
○(道人)旧制高校は超エリート集団とはいえ、寮歌は世代の差を超えて好きなジャンル。ただ「嗚呼玉杯に花受けて」の一高寮歌は、志は高くとも上から目線が強い。その意も含めて「泡沫や」が効いている。
泪の初恋玉葱剥きつツルゲエネフ 藤三彩
(選外)(道人)ツルゲーネフの重い「初恋」を玉ねぎの涙で詠い上げて愉快な句です。
玉貰う彼岸縁が日裏もまた 吾郎
けん玉の糸のよぢれに芽木の風 アネモネ
◎(幹夫)洒落た景が目に浮かんできそうです。
〇(藤三彩)けん玉も子どもが寄り集まって遊ぶような風景はもう見ない。が、一芸としてのオタク技はすごい。
〇(ルカ)早春の風を感じます。
○(あちゃこ)動きがあり春らしい一句。よぢれた紐は誰が直してくれるのでしょうか。
〇(まきえっと)季語が合っています。
勾玉を掘り当つ現場囀りぬ 敏
ビー玉の転がる先の紫木蓮 仙翁
○(幹夫)紫木蓮もまたビー玉と同様輝いています。
◎ (アゼリア)転がるビー玉を追っていったら紫木蓮が満開だったなんて素敵な展開ですね。
◎(吾郎)虹色に輝くビー玉との取り合わせが美しい
〇(まきえっと)きれいですね
靴に入り取れぬ玉砂利春愁い アゼリア
〇 (多実生) どんな小さな石でも敏感に判るものです。
水玉を落し氷柱の消える頃 多実生
○(泉)北国の春は、この様にして始まるのですね。厳しい冬がやっと終わります。
朧なる今宵赤玉ポートワイン ルカ
〇(瞳人)時代を懐かしく
◎(藤三彩)小雪のハイボールにそそられたが、朝ドラ「まっさん」の赤玉ポートワインのポスターに見る、方肌脱いだ芸子も侮れない。
○(泉)「赤玉ポートワイン」は懐かしいですね。今でも売っているのでしょうか?
〇(春生)「赤玉ポートワイン」の取り合わせが新鮮。
○(珠子)養命酒や梅酒みたいな甘さなのでしょうか。朧夜・・・と気取るには甘すぎる気がしますがネ。
〇(瓦すずめ)楽しそうですし、朧なので、ふかしぎなことが起こりそう。森見登美彦さんの小説を連想しました。
〇(餡子)いいですねえ。誕生してから110年。お値段もお手頃。「まっさん」でもやっていましたね。明日買ってきましょう。
勾玉の形(なり)に屈葬木の芽風 餡子
○(敏)現在では土葬は見られなくなったので、一句の景は、発掘現場での遺骨の形からの連想でしょう。季語「木の芽風」の斡旋が素晴しい。
○(あちゃこ)古墳群の一句でしょうか?江戸時代には、貧しい民は屈葬だったとか。三内丸山遺跡を思い出しました。
(選外)(道人)縄文の世も現在も「木の芽風」が心地良い。吟行句でしょうか。
琥珀玉繋ぐミサンガ風光る あちゃこ
〇(藤三彩)古の駱駝の商隊が長く旅する間、夫は貞女であれと妻の腕にミサンガを結んだという。近頃は男が知らずとミサンガさせられている。
○(敏)ミサンガは色によって、願い事が違うそうですね。琥珀色の願いって何でしょう?
子ら仰ぐ空の青さよ石鹸玉 春生
○(泉)景色が明確に浮かんで来ます。
〇 (多実生) 子供達が見ているのは青い空よりしゃぼん玉です。
〇(仙翁)情景が良く浮かびます。清々しいですね。
風光るビー玉揺れる瓶の中 まきえっと
三月の祷り仁王が目玉剥く 珠子
〇(瓦すずめ)仁王は何を見ているのか、そこに興味を持たせる句だと思います。
〇(仙翁)小鳥の声と仁王の目玉、何となくおかしい。
◯(吾郎)そんな時、なぜか目があってしまうのです
○(道人)ひ たすら声を出して神仏に祈りましょう。
日だまりやビー玉弾く猫の恋 道人
○(ルカ)光り輝くビー玉がいい味出しています。
◎(仙翁)猫は本当に陽だまりが好きですね。縁側でしょうか。
テーマ:むずむず
啓蟄の自信みちたるATM 瓦すずめ
◯(吾郎)未だにちょっとビビるんですよ、振込とか
ミステリーの結末言いたし風光る 餡子
○(アネモネ)なるほどなるほど。解説者は苦労するみたいです。
〇(瓦すずめ)むずむずした気持ちは伝わってきます
◎(宙虫)話したいことはたくさんあるのに。少しずつブレーキの効かない季節へと進んでいきます。
めかし添うニンフ花粉にウソしかめ 吾郎
○(敏)めかしこんだ乙女姿の妖精が、杉の花粉と知って顔をしかめたのですかね。面白いです。
(選外)(道人)最近初めての花粉症状でムズムズしています。妖精も花粉症なら安心しました。
鷹鳩と化してむずむず足の裏 幹夫
○(珠子)この季語は使ったことがありませんが、この取り合わせには「なるほど!」と思いました。暖かくなって足の裏さえむずむず。
〇(瓦すずめ)鷹が鳩にかわるくらいですから、それは鷹も世界も足の裏もむずむずするでしょうね。大げさに言えば、自分を越えて世界と一体化している感じ。
ものの芽や開かずの間には鍵がない あちゃこ
◎(泉)全くその通りなのですが、全く気が付きませんでした。
◯(宙虫)鍵がないから開かない。開けたくて鍵がないことに気づいた。鶏と卵みたい。
◯(吾郎)何もないことの怖さ
阿蘇牛の乳房にちょうちょちょうちょかな 宙虫
○(アネモネ)阿蘇の牛ならずともむずむずしてきます。
〇(瞳人)春ですねえ
◎(珠子)「乳房に」がいいなあ!10日ほど前に、紫シジミチョウ(だと思う)に出会いました。春は来ています。
◎(瓦すずめ)情景がはっきりと伝わってきます。ここには書かれていない、牧場から見える山々。高原の空気、風。光。そういったものまで見えてきます。ちょうちょちょうちょと繰り返すのは、乳房が二つあるからでしょうか
〇(仙翁)とっても不思議な、でもありそうな景色。
◯ (アゼリア)挿絵のようですね。レフレインも効いています。
○(あちゃこ)平仮名表記がなんとも面白い効果を出しています。音や動きが想像されます。
〇(まきえっと)春の長閑さを感じます。
啓蟄に擽られをり旅心 アゼリア
〇(春生)人の心の生まれる旅心をうまく捉えています。
出番待つ輿の担ぎ手春祭り 敏
○(幹夫)今か今かとむずむず・・・陽気な春祭の担ぎ手の様子が佳く詠まれています。
〇(餡子)用意万端。気持ちが逸る様子がよくわかります。むずむずよりうずうずでしょうか。
地虫出づ棒のごとくに身を細め 春生
◎(ルカ)写生句として抜群です。
春よ来い世界野球の野武士達 藤三彩
パスワード入れて開ける春の闇 まきえっと
(選外)(道人)春の闇の先にはどんな世界があるのでしょうか。パスワード毎に違う世界かも。 ムズムズよりワクワクのような感じがします。
初燕過ぎるときめき旅に出む 道人
○(幹夫)初燕に遭遇した時の作者のときめきが佳く詠まれています。
〇 (多実生) 桜と共に初燕を見ると春到来を実感します。
◯ (アゼリア)燕に旅情をそそられますよね。何か佳いことが待っていそうです。
けんけんぱうねうね太る蝌蚪の紐 珠子
○(アネモネ)「うねうね太る蝌蚪の紐」のリズムがいいです。
〇(藤三彩)田水が入ってからの光景なのだろうか。田植機の後しばらくして雑草取りに素足で入るような時の描写と思いたい。
〇(ルカ)写生句として、動きが生きています。
◯(吾郎)みぞみぞします(笑)
◎(あちゃこ)まざまざと子どもの頃の風景が広がりました。子どもの世界がうまく表現されています。ヒキガエルのたまご見たことあります?インパクトあり!
◎(まきえっと)楽しかったなぁ。。蛙になってしまい、大変でした。
(選外)(道人)句意よりもリズムに惹かれました。
雪なだれ門を閉じたるゴルフ場 泉
草萌えるゴルフ道具を出してみる 多実生
〇(餡子)ゴルフをやらない私には、実感がわきませんが。腕が鳴るのでしょうね。
叩かれて鼻腔くすぐる木の芽かな 瞳人
地虫出づ新しき旅始まりぬ ルカ
溶接の火花いくつもよなぐもり アネモネ
○(敏)溶接の火花と黄砂に被われた天空との繋がりはよくわかりませんが、どちらもむずむずしてくるものかも知れません。
◯(宙虫)町工場の景色と音が黄砂に。火花がいい感じでインパクトあり。
蠢いていのちを覚ます春の土 仙翁
〇 (多実生) 虫たちは土の変化を感じ取っているのでしょうか?
雑詠
諍いの後の「たら・れば」蕗の薹 アゼリア
○(珠子)よくあることですが、後悔の「たら・れば」はむなしい響きとなります。諍いの後味の悪さと蕗の薹のほろ苦さ が混じります。
◎(敏)本当にそのとおり。私もいつも「たら・れば」での後悔しきりです。蕗の薹のほろ苦さが良く合っています。
○(ルカ)東京タラレバ娘、というドラマを思い出しました。ドラマも面白いですが、季語も面白いです。
○(あちゃこ)アルアル。心の動きが伝わります。後悔先に立たずですね。
木から木へ芽吹きの風の吹き渡る 春生
○(幹夫)長閑な芽吹きの風・・・春の景が伸びやかに詠まれています。
〇 (多実生) 三月、四月は風の季節ですが、芽吹きの風はいいですね。
暮れ残る遺構の校舎春の波 あちゃこ
○(道人)東日本大震災から6年余。「暮れ残る」の措辞が佳い。
春雷や闘志剥きだす猫の足 まきえっと
○(アネモネ)笑いました。うちの馬鹿猫は障子に闘志むき出し。いやはやです。
〇(仙翁)闘志を剥き出す猫の足は、どんな格好をしているのでしょう。
風ぬくし鹿の擦り寄る島の昼 幹夫
○(アネモネ)いかにもいかにも。島の昼が上手い。
〇(春生)「鹿の擦り寄る」に春の心が表現されています。
〇(瓦すずめ)ぬくしは春。鹿は秋で季重なりだと思います。が、雰囲気がとてもいいですね。
○(あちゃこ)春らしい長閑さが島にあふれています。チョット怯えています?鹿は図々しいですから!
白れんの芽の指す天の瑞々し 敏
〇(春生)生き生きとした季節感が出ています。
春寄りな兄さん犀になりよるは 吾郎
○(敏)なにより「兄さん犀になりよるは」で一票。凄い発想!
〇(ルカ)不思議な魅力があります。
〇(餡子)「犀になったおにいさん」。面白いおはなしがうまれそうです。
〇(まきえっと)お兄さんが犀も良いかもしれないと思いました。
○(道人)粋な回文句。春が動いている感じがよく出ている。犀の瞳も大きくなりそう。
梅一輪思いのままに生きんかな 道人
〇(瞳人)そう言える勇気を敬いつつ
〇(仙翁)思いのままに生きられますか?だから、生きんかなか。
背伸びして目を閉じ梅の香を奪う 仙翁
(選外)(道人)思わず背伸びしそう。「香を奪う」がストイックで良い感じ。
村は時代を春野の雨に閉じこめる 宙虫
◎(餡子)何か、胸にじーんときました。この雨は春時雨でしょう。墨絵の世界ですね。
◯(アゼリア)私の故郷も時代を閉じ込めたまま時を止めてしまったようです。
◎(道人) 現代社会の閉塞感を、流れるように詩情豊かに言い止めている。
想い出す青い苦みを蕗の薹 藤三彩
針供養終りミシンが動き出す 泉
〇(瞳人)ミシンにも針がありますね
辛夷咲く郷に昔は電気館 多実生
春昼や風にまかせる歩の乱れ 餡子
○(幹夫)のんびり、ゆったり、うとうと・・・長閑な春昼ですねえ。
◯(吾郎)吟行最中日常茶飯事
指先を離るるひかり花種蒔く ルカ
〇(藤三彩)ポットに数粒置くような花種ではないらしい。この野原にいっぱい咲くような花なのだろう。
◎(春生)「指先を離るるひかり」が見事です。
◎ (多実生) 春は種子を蒔く季節でも有りますが指先を離るるに夢があります。
◯(宙虫)繊細な感じがいいです。
耕して平均寿命に畏まる 珠子
〇(瞳人)筆舌の力なくして田掻き牛という者です、わたくしは。
○(泉)解釈の仕方はいろいろ有ると思います。それにしても、日本の農業の未来は?
○(アゼリア)耕して百歳ーという俳句期待しています。
魚河岸に続くやつちや場風光る アネモネ
○(珠子)おじちゃんおばちゃんの元気な声が飛び交って。目に見えるようです。季語が効いています。
鬼平が女掏摸(めんびき)の芽摘む江戸の春 瞳人
〇(藤三彩)池波正太郎のグルメは知られている。『鬼平犯科帳』の女スリお富には蕎麦屋で一杯の巾着が似合いそう。
うららかや恋といふのはパピプペポ 瓦すずめ
○(珠子)楽しい句です。恋のさ中のパピプペポ、失恋しても時間がたてばパピプペポ。パピプペポバンサイ。
◯(宙虫)季語とパピプペポが弾みます。うきうき。
告知までしばしお待ちください。
広島はなかなか暖かくなりません。今日は冷たい雨になりました。昨日の稀勢の里の逆転優勝は、実に見事でした。感動しました。鉄の様な精神力だと思います。