小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第453回小麦句会結果発表

2021年05月23日 19時47分39秒 | 15日句会

こんばんは。
久しぶりに晴れました。それでなくても毎日の歩数は数百歩。これから梅雨になったら数十歩になってしまいそうです。来月の人間ドックが恐ろしいです。

兼題:青
夫婦にも隠し事あり青嵐  泉
〇(楊子)青嵐より微風かもしれませんが。それが心地よい。
○(卯平)塀その通り。だから夫婦円満だと思うが。青嵐ではその逆か。

緋牡丹や瞳閉じれば青春劇場  瞳人

花空木河童の青い恋する眼  宙虫

欠伸して青野に座る老夫婦  幹夫
〇(宙虫)いい景色です。何を話すわけでもないのでしょうが。日射場や熱中症には気をつけて。

走り梅雨二階青果に譲りしは  吾郎

郊外にシティーマンション風青し  楊子

青葡萄日の滴りをたっぷりと  敏
◯(アネモネ)収穫の秋が楽しみ。
○(幹夫)中句「日の滴り」がいいですね。まだ食べられない青葡萄が瑞々しく満ちて実ることでしょう。

サリンジャーがいた青春麦の秋  メイ
〇(藤三彩)遠い昔のことのよう『ライ麦畑でつかまえて』を読み返せるかな
○(アダー女)「ライムギ畑でつかまえて」青春とはなんと美しく郷愁を誘う言葉か!森田公一の「青春時代」思い出しました。あとからしみじみ思うものですよね。「ライムギ畑の反逆児」見てみたい。
○(餡子)『ライ麦畑でつかまえて』のあたりはまさに、私も青春時代とかぶります。数奇な人生の作家だったらしいです。

駄菓子屋に抜ける小道や青田風  ルカ
○(あちゃこ)駄菓子屋屋は、小道の先にあり。懐かしさを感じる。

青嵐ベートーベンの口への字  めたもん
○(泉)「への字」という表現が面白い、と思います。
◎(アネモネ)上手い!取合せにやられました。
◎(珠子)音楽室にありましたネ。肖像画のどちらがショパンかシューベルトかと迷うことはあっても、ベートーベンなら迷いません。そして季語はこれしかないでしょう。
◯(ルカ)確かにそうです。
○(卯平)音楽室にあったこの肖像画。青嵐がよりその姿が明確になる。
〇(まきえっと)あの口といい、あの髪型と青嵐がよく合っております。

青天に眩む野良猫夏は来ぬ  仙翁
◯(道人)野良猫の暮らしぶりを長年見て来た作者なのであろう。「眩む」が秀逸。

銀座の柳青めし頃の懐かしく  アダー女

未記入の青色申告夕薄暑  卯平 

原発の町は十年青山野  多実生

青蛙都会の水に慣れぬまま  道人
○(幹夫)地方から出てきて都会で揉まれる青年もまた、馴染むのは難しい。
○(アダー女)本来は樹林に囲まれた池や田んぼに住む青蛙。そりゃあ都会の池にはなかなかなじめないでしょうね。作者自身、「長い都会生活なのに都会にはずっとなじめないんだ。」と言いたいんだと解釈。
〇(めたもん)都会に慣れないのは句の詠み手でしょうか、青蛙でしょうか。それとも両方でしょうか。下五の「まま」が効いて余韻が残ります。
〇(ちせい)都会の水と言う言い方が独特だと思いました。
〇(春生)都会の青蛙の心境ですね。納得しました。

青葉若葉や仙台牛タン元気だそう  藤三彩

青嵐鉄条網の赤き錆  まきえっと
○(仙翁)どこの鉄条網でしょうかね。歴史、侘しさを感じます。
〇(春生)「鉄条網」の中の生活が想像されます。 

麦秋や青の洞門てふパスタ  餡子
〇(楊子)言われてみれば青の洞門は仏教的なかんじですね。違和感がいいです。

陽水に掴まれる髄青嵐  珠子

青空の真只中の袋掛  春生
◎(泉)青空の下、気持ちのいい労働です。
◎(吾郎)爽快感満載。ストレートがなにより素敵。
〇(珠子)実家では林檎も作っておりましたので懐かしい景です。背景を青空だけに絞ったところがいいと思いました。あの膨大な数の袋作りは冬の間の母と祖母の仕事でしたネ。 
◎(藤三彩)甲州の葡萄や梨、桃などに袋をかけた光景が目に浮かぶ。行きたいな。
〇 (多実生) 両腕を心臓より高く上げる作業は、疲れそうなので青空に救われます。
◯(ルカ) 気持ちのいい句。
○(敏)袋掛の対象は林檎か桃か。いずれにしても幼い果実を包む袋は青空の下に咲いた白い花のように見えます。
◯ (アゼリア) 働き者のお母さんがラジオを友にお仕事に励んでいる様子が目に浮かびます。
〇(まきえっと)気持ちがいい。農作業をしている方に感謝です。

青嵐根を越え豪華な東屋へ  ちせい

修行僧の青き剃り跡雲の峰  アゼリア
〇(楊子)季語の置き方が清々しいです。
○(餡子)清々しい美男僧が浮かびます。檀家になっているお寺の住職さんも、若い頃養子に入ってきたのですがその頃は初々しい美男僧でした。
○(敏)あたかも夏雲の下を放浪する山頭火を彷彿させてくれますね。
〇(めたもん)修行僧の凛とした様子がいいですね。季語「雲の峰」により、清潔さ若さに力強さが加わります。       
〇(ちせい)僧侶と積乱雲はある程度の親和性があると思いました。

青蛙ひとりぼっちが板につき  あちゃこ
〇 (多実生) 確かにその通り、板につきが面白い。
○(仙翁)確かに、アオガエルは集団ではあまり見ませんね。
◯(道人)小さな青蛙の存在感・生き様を捉えて味わい深い。

青嵐映し床屋の壁かがみ  アネモネ

テーマ:おやつ
 粽解く兄弟げんか休戦中  春生
○(幹夫)「粽たべたべ兄さんが計ってくれた背のたけ♪」童謡「せいくらべ」を口遊んだ。
○(餡子)♪「背くらべ」の世界。男同士の喧嘩はすさまじいですが、後はけろっと・・・。良いですね。
◯ (アゼリア) 食べている時以外はいつも喧嘩していました。でも今は仲良しです。

おやつにはソーダの味のアイス欲し  ちせい

シュー皮のはち切れんほど南風  まきえっと
○(あちゃこ)シュークリームで作ろうと思っていましたが、してやられました。上五中七が季語とぴったり。

ペコちゃんのほっぺとんぼが水を切る  宙虫
○(アダー女)秋の季語であるトンボ。「蜻蛉生る」は夏の季語だと初めて知ったけど成虫のトンボも結構夏にもいますね。ペコちゃんといえばシュークリーム。我々世代にとって洋風なモダンなおやつの代表格。私も大好物でした。ぷっちり膨らんだペコちゃんのほっぺと水切るとんぼの取り合わせ、良いなあ!ノスタルジックな思い!
◯ (アゼリア) 不二家が町に出来、あのケーキを食べた衝撃は忘れられません。それまではケーキは町のパン屋さんで買っていたので。季節に合わせて着替えるペコちゃんの頭を撫でるのも楽しみでした。いつの間に不二家が町から消えてしまいました。懐かしさいっぱいの句です。
◎(卯平)この発見が素晴らしい。更に句またがりで浮き出たとんぼの行為。その組み合わせで詩となった。良吟。
◎(道人)「ぺ」の配置のバランスがいい。二物の放れ具合も佳い。

雨の日は家に籠りて柏餅  幹夫
〇 (多実生) 雨の日は本を読みながら、無意識な柏餅とお茶が良さそう。

嘘ついた後の白玉やわらかい  めたもん
○(吾郎)気持ち的にやはり不味いか。
〇(宙虫)どこかうしろめたさを白玉に見ることのおかしさ。
〇(ちせい)本当に美味しそうな感じの句で。
〇(まきえっと)うしろめたさが白玉のやわらかさに出ております。

永き日のおやつ懐かし味噌にぎり  多実生
〇(瞳人)そうなのです、粽もうすい塩あぢ、これですよね
(選外)(アダー女)永き日は春の季語だけど、いずれにせよ、日が永くなって夕食までの時間も長く感じられる頃、母親が腹持ちの良いおにぎりをおやつに握ってくれたという思い出。しかも香ばしい味噌握り。

蒲田らし今あの甘い白玉か  吾郎
〇(藤三彩)『蒲田行進曲』(つかこうへい)の映画のあの頃、あまい愛への憧れへの回文。
◎(餡子)蒲田のことをよく知りませんが、なんとなく雰囲気が伝わってくる。
〇(めたもん)回文と気が付かない程です。蒲田行進曲の中で銀ちゃんが白玉を食べるシーンがあったような気がしてくるから不思議です。
◎(まきえっと)蒲田行進曲でのイメージと白玉が合っている感じです。

柏餅夢で会ふ父母むつまじく  メイ
◯(アネモネ)いいですねえ。
〇(春生)幸せな子ども時代は生きる力ですね。  

甘過ぎた父よゼリーに浮かぶ海  あちゃこ
○(メイ)「ゼリーに浮かぶ海」をどう読むか悩みましたが、甘すぎたと言いながら外界から守ってくれた父の姿を象徴しているイメージで読みました。
◎(めたもん)甘すぎ・父・ゼリー・浮かぶ・海。意味的には距離のある言葉同士が触発し合って懐かしいような整理されないままの感情が湧き上がります。

串槍残るみたらし団子の五月闇  藤三彩

午後三時のひかりを添えて柏餅  敏

ドーナツ揚ぐ母の鼻歌若葉風  アゼリア
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。ドーナツが美味しそうです。
○(幹夫)季語「若葉風」が気持ちよく、お母さんの料理の様子が見えてきそうです。
◯(道人)「鼻歌」と「若葉風」の組合せで、どの年齢層の母にも合う楽しい句。
〇(ちせい)これも美味しそうな句かと。
〇(まきえっと)懐かしいです。よく食べました。

若葉風そっと駄菓子屋閉店す  道人
○(餡子)いわゆる十円店。おばさんが元気が良くて、あちこちにあったのですが、この句のように消えていってしまいました。今は、イオンモールの中などに駄菓子屋風のお店がありますが、雰囲気が違います。

駄菓子屋の蠅捕紙の記憶かな  泉
◯(アネモネ)懐かしい!
〇 (多実生) 生家の記憶はガラスの蠅取器で、捕らえた蠅は池の鯉が競って食べました。
◯(ルカ)共感します。
○(敏)そう言えば昭和時代の駄菓子屋さんに蠅取り紙は必須アイテムでしたね。その下で10円玉を握りしめていた頃を思い出しました。
○(卯平)今は遠き記憶。この景が脳裏にある年代に共感。そう言えばストアのお魚売り場にもあったな。此方は此方でまた別の句が導かれるだろう。

減塩のポテトチップス蝶の昼  アネモネ
〇(珠子)蝶の昼との取り合わせが何とも不思議で素敵。そういえばポテトチップも蝶の翅のよう? 
○(卯平)蝶がポテチップスから導かれる。それなりに技巧を凝らした句。

大納言つやつやとして初夏の菓舗  楊子
○(敏)大粒のあずきはいかにも美味しそう。

剥がれないケーキのセロハン聖五月  餡子
◎(アダー女)ショートケーキなど柔らかいケーキを囲むセロハンがピタッとくっついて剥がれない経験。可笑しいけど誰にもありますね。無理に剥がすとケーキは元の形態を壊し、無惨な姿となる。しかもマリアの月という厳かな「聖五月」との取り合わせが実に上手!
〇(宙虫)聖五月と言いながら。小さないらいらが面白い。
◯ (アゼリア) 取り合わせが上手と思いました。
〇(めたもん)「ケーキ」と「聖五月」が「剝がれないセロハン」でいい感じにくっついています。「剥がれないセロハン」は何かの象徴のようでもありますね。
〇(春生)おやつの句としての世界が出ました。 

柏餅いさ凧切合ひ合戦へ  瞳人

白玉や目鼻の薄き三姉妹  ルカ
◯(アネモネ)なかなか映像が浮かびませんが・・・。
〇(瞳人)これがかわゆいのです 
〇(楊子)それでも幸せに暮らしている仲良し三姉妹が見えます。

姫君もジェラートなめつホコ天を  アダー女

母の日の薄茶を点てる母の音  仙翁
◎(メイ)音に絞った表現から、この場面の静けさが伝わってくるところに惹かれます。"

明日にも明日つるりと葛桜  珠子 
◎(楊子)明日も明後日もという表現はよくみますが、「明日にも明日」は新しい納得です。そういうふうに生きたいものです。
◯(ルカ)さっぱりとした魅力。

乱立のポッキー喰らふ旱星  卯平
○(メイ)グラスに立てたポッキーは乱立状態、「喰らふ」の勢いが気持ち良い。
〇(めたもん)上五「乱立」が整わず落ち着かない気分を表現し、季語「旱星」からも少し荒んだような不安な雰囲気が伝わります。
(選外)(藤三彩)ひでり続きの夜ならチョコが溶けてしまう。冷蔵庫に入れておこう

雑詠
つぼみ妖し明日は血を吐く深紅の百合  アダー女

薄暑光指紋張り付くセロテープ  まきえっと
○(幹夫)指紋張り付くの景が見えます。季語「薄暑光」が適っていますね。
○(吾郎)実はなかなかにさわやか。
〇(珠子)確かにどうしても指紋がついてしまいます。季語が合っています。    
○(メイ)日常の経験が季語に照らされると句になると、改めて実感しました。
〇(宙虫)窓ガラスに貼ったセロテープだろうか。光に透けて。指紋に犯罪のにおい。
○(卯平)よく観察された句。薄暑光がこの句を際立たせている。
〇(春生)セロテープが手について厄介なこと、よくありますね。 

鉛筆の両端赤青夕薄暑  卯平

我先と群がりすがる蜘蛛の糸  仙翁
○(泉)新型コロナのワクチン接種の混乱ぶりを思いました。
◎(瞳人)ワクチン予約という蜘蛛の糸に、すがる? 

棋士雑な読みの鵜呑みよ夏座敷  吾郎
○(泉)雑な読みはダメですね。見事な回文だと思います。
◎ (多実生) ヘボ将棋は相手無視の雑な読みで、回文は見事です。
○(あちゃこ)ストーリー性があり、夏座敷にぴったりな回文。
〇(宙虫)それじゃ勝負にならない。暑さに負けたのか?
◯(道人)大きな対局。複雑に読んでもプロの棋士は雑な読みと自問自答していることであろう。「シ」音の調べもいい。

薫風を招くカーテン素直な日  あちゃこ
○(吾郎)素直な日がド・ストレートで、よいかと。

虎造の啖呵もあぢの新茶かな  瞳人
〇(藤三彩)広沢虎造の清水次郎長伝、「森の石松三十石船道中」は寿司食いねえ。静岡と新茶の味がマッチ。

口喧嘩はぐらかされてところてん  ルカ
◎(幹夫)なんか微笑ましい口喧嘩。季語「ところてん」がつるりと適っています。
〇(瞳人)けんかしたときの、仲直りはところてん、これにすぎるものなしです 
◯(道人)リズムも句意も「ところてん」にピッタリ。
◎(ちせい)心太で噎せ返ったのかも知れません。

コロナ下を帰国の吾子や新茶汲む  春生

江ノ電の警笛やさし四葩咲く  アゼリア
◎(あちゃこ)ずっと昔に乗った江ノ電。ノスタルジーを誘います。
◯(ルカ)江ノ電を懐かしく思い出しました。
◎(敏)江ノ電に四葩は良く似合いますが、その「警笛」に注目した作品に出合ったのは初めてです。
(選外)(藤三彩)警笛はやさしくなかった。4月26日午前7時50分ごろ小学3年生の女児(8)がはねられた。ゴミ出しの後でした。

子雀を撫でれば親の訝しむ  藤三彩

指鉄砲で枇杷泥棒を自白する  宙虫
○(アダー女)これまた懐かしい指鉄砲。女子もやっていました。でも枇杷泥棒は多分悪ガキ坊主でしょうね。「自白」という硬い措辞が絶妙。

少女死す自由求めてこどもの日  メイ
〇(藤三彩)どこの少女かわからないが、出入国管理施設に不法滞在で収容中のスリランカ人の女性がなくなられた。

人住まぬらし梅の実の落ち放題  餡子
○(吾郎)落ち放題がいいですね。先日蘇峰公園から落ちてる実を持ち帰りプティ梅酒に。
〇 (多実生) 生り放題、落ち放題もやむなしです。
〇(仙翁)空き家の庭の梅の木、ありそうな景色です。
〇(ちせい)人家は有れど人は居らずと言った感じでしょうか。

聖五月ジャングルジムに猫と鳥  敏
◯(アネモネ)コミカルに景がうかびます。
〇(珠子)ジャングルジムには猫も鳥も来ません!と突っ込んでみたのですが、ジャングルジムの隣には桜の木があるのでしょう。そして猫には鳥をからかう気もないのです。二者がたまたまそこに居合わせたのです。計画されたそっけなさ?に惹かれました。
(選外)(卯平)実際にそうであったのだろう。それも今の時期に。今一つ迫ってくるものがない。

洗浄の水流の午前薄暑光  ちせい

まだ残る母の日の肩たたき券  アネモネ
◎(ルカ)嬉しすぎてもったいなくて使えない、母の思い。
○(餡子)貰いましたね。抽斗の思い出小箱にまだ有りました。もう、うん十年前の物。幼い字。
〇(まきえっと)優しい。

朝顔が見送る大きなランドセル  泉
○(吾郎)やさしい眼差し。
○(メイ)大きなランドセルがスキップしているようで、爽やか。

筆談で客をもてなす聖五月  幹夫
〇(瞳人)なにを、どうもてなすのか、沈思黙考に入りしまま 
◎(春生)季語「聖五月」の斡旋が見事です。  
(選外)(卯平)そう言う人がいましたね。一躍有名になりました。それ以上でもそれ以下でもない景。 

不自由の死角の自由蟻の列  珠子
○(あちゃこ)死角としての自由?哲学的過ぎて発想が追いつきません。でも、現状の出口を探しているようにも思えて、頂きました。
◎(仙翁)そうですね。アリの行列からはみ出たアリ、いますね。
○(アダー女)蟻の列は一糸乱れず黙々と続く。その中で死角の部分では、結構蟻たちも気ままに羽を伸ばしてのらくらしてまた死角を出ると行儀良く行列について行進しているよという意味ですか?死角とは、誰から見ての死角か?親分蟻から見ての死角ですよね。擬人化が面白い句です。
○(メイ)蟻の列だけでなく、さまざまな死角を暗示しているように感じました。
◎ (アゼリア) 不自由の死角の自由に納得、でも蟻の列に自由はあるのでしょうか?

枕辺に遠足リュック早寝の子  楊子

余生とは言いたくないが五月闇  多実生
〇(藤三彩)買い物に外出はするが、さりとて目標に向かって何をするということもない。ご同感。
○(泉)作者の気持ちは、何となく分かります。

落葉松の風音ばかり浅き夏  道人
〇(珠子)若葉が出てくると風の音も出るようになります。落葉松のある高原?の貴重な爽やかな季節を楽しみたいものです。
○(敏)外出自粛の室内にいて外から聞こえてくるのは静かな風音ばかり、と言ったところでしょうか。
(選外)(メイ)カラマツノカザオトバカリ、短調の感じが好き。

老いの手に仄青臭くトマト苗  めたもん
〇(楊子)苗のときから青臭いトマトの匂いがするという気づきがいいです。
◎(宙虫)苗の生命力を「仄青臭い」と過剰なまでの表現が老いとの対比を鮮烈にする。

☆次回をお楽しみに。



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2021-05-24 11:42:14
まきえっとさん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

広島は新型コロナの感染が拡大し、雨の季節に入りました。梅雨入りとともに、毎日のように雨が降っています。厄災の時でしょうか?
照ノ富士が見事に優勝しました。横綱昇進は別としても、人間の可能性に驚きました。
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