台風10号は当方ではさほど影響なく、無事に明るい朝を迎えました。
それでも、あちこちで災害が起きています。
全く災害がないということは不可能。
最低、自分たちで命は守らなければならないものだと感じます。
今回の気象庁の呼びかけに、かなりの人が敏感に反応していたようです。
結果発表・・・・・(2回にわけてお届けします)
新涼や目覚めのときを露天の湯 珠子
○(幹夫)まさに写真の景の通り!小原庄助さん張り、まったく極楽境地ですね。
〇(藤三彩)温泉宿に泊まればこうありたいものです。
○(仙翁)そんな旅をしてみたいですね。
初秋のショッピングモール潮の香に 春生
切支丹の裔路地裏に鰯干す アゼリア
◎(ルカ)隠れキリシタンだった時代から現代まで、物語的。
○(あちゃこ)三枚の写真からの発想が切支丹へと飛ぶとは。ミステリアスな歴史を感じます。
◎(楊子)地に根付いたキリスト教とはそのように自然なことでしょう。なにも特別に世界遺産などと言わずとも。
○(幹夫)秀吉以降切支丹が迫害を受けたのはもう遠い昔。「鰯干す」という質素な日常に共感を覚えました。
〇(藤三彩)「カインの末裔」を思わす聖書の物語を想起させ、「隠れ切支丹」の世俗の鰯がありそうな景色だ。
○(メイ)路地裏に切支丹の裔の生活が見えてきました。
〇(珠子)日本の津々浦々、こういう表に残らないひとたちが脈々と歴史を繋いできました。これからも。
○(敏)天草地方の風景とともに、隠れキリシタンの歴史を思い浮かべました。
◎(ちせい)季語は「鰯干す」。隠れキリシタンといえば島原辺りかもしれませんが、その子孫が鰯を干すと言う俳諧味のある句だと思います。
(選外)(道人)漁民として代々守っている基督教への信仰心と素朴な暮らしぶり。「鰯干す」がいい。世界遺産・天草の崎津教会の隠れ切支丹のことを思い出す。
秋燕や図書館までの長き階 ちせい
○(仙翁)疲れませんか、長い階。
○(餡子)今は図書館も素晴らしく近代的、またアットホームな所が増えているようです。子供が減り、高齢者が増えてきていますので 図書館も変わらざるを得ませんね。
〇(めたもん)年齢を重ね、なお知への階段を上っていることへの思い。
逝く夏の海はべた凪日曜日 敏
◯(アネモネ)「海はべた凪」に続く「日曜日」にびっくり。
秋暑し船乗り継ぎの出勤日 道人
〇(藤三彩)通勤、通学で島から船で出てくる小島の生活が見える。「コクリコ坂から」にもそんな情景がありました。
〇(卯平)渡船での出勤の景は詩情がある。季語からすると詠み手はいやいやながらの出勤か。しかし、海風でそれは解消されたのでは。
○(餡子)島から本土へ、そしてビル群のある会社へ・・・。大変な出勤日でした。温泉にでも浸かって帰りましょう。明日からはまたテレワーク?
ゆき合ひの空に燕の三番子 アネモネ
○(あちゃこ)単に季節の変わり目というより、もっと繊細で言葉に表せない季節感を「行き合い」という一語で見事に伝えています。燕との取り合わせも絶妙。
◎(敏)移りゆく季節の中に、確かな命の継承が捉えられています。
迷い出たA4出口残暑かな めたもん
○(泉)出口を間違えると、その後が大変です。
〇(楊子)4という数字が意外に効いています。ここはどこだろうとおもう駅から遠い出口。じりりと汗が首筋に。
○(卯平)都会の地下鉄の出口は複雑。見知らぬ地下鉄の駅で出た地上は別世界。季語が詠み手の心情を伝える。「A4出口」はよくある地下鉄の出口。その意味でもこの句は普遍性がある。
○(メイ) 出口を右か左か戻ったほうがいいのか。よくある景色だけど惹かれました。
○(餡子)地下鉄の出口はよく迷う。でたところに残暑!!踏んだり蹴ったりの外出となりました。
〇 (多実生) 出て見ると思わぬ所だったり、暑さだったり戸惑います。
〇(宙虫)地下鉄出口と見て、今年の暑さが堪える。A4という数字にいらっとする。
白日や露天風呂付秋の浜 卯平
◯(アネモネ)これはなかなか。行ってみたいです!
○(幹夫)上句「白日や」にインパクトがあります。写真の景が素直に詠まれており好感を抱きました。
残暑なお水平線の綻びぬ まきえっと
◯(アネモネ)「水平線の綻びぬ」が上手い。
◯(道人)すっきりしない「水平線の綻び」に厳しい残暑がよく表現されている。
○(餡子) 海はいつもの海では無くなりそうなこの残暑。海温30度では水平線もギザギザです。
〇(めたもん)「水平線が綻ぶ」という発想に詩を感じました。
○(敏)季節は秋となっても、水平線はまだしっかりと見えているのでしょう。
〇(ちせい)季語は「残暑」。水平線の綻ぶさまの意味が残響していると思いました。
〇(宙虫)水平線の綻びが誌的だ。何か少しずつ狂う感覚。
秋晴やここは極楽露天風呂 泉
大海に抱かれ露天湯風は秋 餡子
◎(瞳人)ああ、やっと、来たねえという、安どに同感
〇(春生)気分爽快ですね。
〇(まきえっと)日差しはまだ強いけれど、風は秋が伝わってきます。
(選外)(道人)海一望の露天湯、しかも晩夏の海風は柔らかそうだ。
雁渡し岬の声は澄みわたる 幹夫
◯(道人)「岬の声」に風情がある。鄙びた漁村に今年も渡って来た雁の鳴き声とも風の音とも。どちらも清澄。
〇(まきえっと)岬の声が澄みわたることで秋を感じさせているのが上手です。
人影が消えて九月をめくる音 宙虫
○(ルカ)詩情があります。
○(瞳人)といっても、当分、涼しくなりそうもないか
○(あちゃこ)めくるのは暦ではなく、新たな時を開く感覚と捉えました。
〇(楊子)夏の賑やかさとの対比がよく詠まれています。
◎(道人)九月という季節への移ろいの捉え方が巧い。眼目の「めくる音」は海潮音や風音など色々想像できる。
〇(藤三彩)不要、不急な外出はしなくなりました。コロナ禍で春、夏は過ぎ秋の暦になるのですね。
○(メイ) 八月から九月への奈落に人影が消え、有無を言わさず始まる九月。
〇(珠子)「めくる音」という「いい意味の独善」に惹かれました。
〇(めたもん)静かに九月が始まることへの感慨と、新しい月への微かな意気込み。
〇 (多実生) 通常は夏の賑わい、九月になると静かでめくる音が面白い。
◎(まきえっと)秋ですね。「九月をめくる音」がいいですね。
〇(ちせい)季語は「九月」。めくる音が印象的です。
駅前は人工広場風は秋 多実生
○(泉)都会はどこも、駅前は人工広場です。味気ない。
◎(アネモネ)下五の「風は秋」の力業に得心。
○(まきえっと)駅前を人工広場と見たところがいいですね。
重陽や空へと続くエレベーター ルカ
◯(アネモネ)「重陽」が効いてます。
〇(卯平)この写真のホーカスであればこうなるか。季語の位置は果たしてとは思うが。
◯(道人)快晴の菊日和。季語と中七の措辞でよく分かる。
◎(春生)季語「重陽」を斡旋したのがうまいですね。
秋潮の響きを聴ける貝の耳 藤三彩
○(ルカ)下五がいいですね。
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