こんばんは。熊本や名古屋でも初雪が。
兼題:冬
残像はパエリア冬の旧市街
やり過ごす冬将軍に抗わず
一刀に冬至南瓜を両断す
冬麗ら七千萬票それでよか
冬夕焼今日は夫が料理番
おひとりさま限定メニュー冬ざるる
へび笛の小さく冬日を巻き戻る
月光の突き刺さりたる冬の湖
冬蝶のおのれの影に来てとまる
苦しいよ抱く冬服だ良いシルク
第三の人生めきぬ玄き冬
性別に男女と「その他」冬牡丹
積み上げし漫画崩れて冬籠
脈のごと泡が一粒池の冬
冬と言う手強い敵とわが齢
星磨く冬木の梢わらべ唄
冬桜空に響けるホイッスル
この川を渡れば寡黙な冬の村
冬の夜にアルバム二冊の心理かな
冬日差す父の遺品の家族写真
喝采の海に波立つ冬の指
口笛を吸い込んでゆく冬北斗
テーマ:楽しみ
サンタクロース小児病棟へと駆ける
「はやぶさ2」の次の行く先冬銀河
イブの国今牛旨い肉の部位
双六のようやく江戸をでたところ
フラメンコを踊ってあげる冬林檎
楽しみは風呂に蜜柑を浮かべつつ
寒波来る蒸籠に並ぶ中華饅
極月の扉の固きミニシアター
極月や卒寿祝いのらくらくホン
枯葉舞ふ夫と腕組み夢のなか
幸せは冬の湯槽に浸かるとき
指折れば増える楽しみポインセチア
小道具の鬘かぶりて年忘れ
聖夜の灯一期一会をマスクして
双六やお手つき二回続きをり
待春をこころに酒を交わしけり
沢庵とむすびの昼餉海の釣
着膨れてテレビ観戦する至福
年酒汲む句会の皆に会いたいな
白昼夢ピタゴラスイッチから雪
百均をひとめぐりして年用意
野の鳥の屈託なきや寒椿
雑詠
数へ日のメモの余白に書く予定
マスクして帽子・ジーパン若返る
寒波来る締切り迫る雨が降る
軽く嘘スキーヤーキスそう来るか
狐火や都会の人は墓を捨て
荒れし手を祈る形に冬北斗
行く人の歌聴きくれて年の夜
黒皮の三年日記を買ひにけり
冴ゆる夜のささやくやうなくちげんか
マッチの火覗くひとりは雪女
子規庵を出て歳晩のホテル街
スパニッシュオムレツ取り分け滝が凍る夜
初霜やココアを含み潔癖性
想定の範囲拡ぐる師走かな
大嚏入れ歯飛び出すバンクシー
フェリーニの映画見にゆく冬青空
天上のロックの響き冬の雷
電車ドアぷしゅと息する師走かな
肉団子鍋の豆腐のすくひ網
日めくりは昨日の日付年の暮
落書の路面電車に乗る落葉
力石転がる村社冬ざるる
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
12月22日(火)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com