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『袖(そで)振り合うも多生(たしょう)の縁(えん)』
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見知らぬ人と袖が触れ合う程度の些細なことも、(または振り合うような間柄も、)前世からの因縁に依(よ)るものである。どんな小さな事、ちょっとした人との交渉も、全て深い宿縁に基づくものである。
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参考:多生の縁
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類:●一樹の陰一河の流れも多生の縁●躓く石も縁の端
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反:●兄弟は他人の始まり
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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やさしい心
あの人はどことなく豊かな、感じのいい人であるという場合、それはその人の心が、その人の動作ににじみでているからだと思います。これは非常に大事なことだと思います。ことに私は、女性の尊さというものは、やはり親切な心の表われているところにこそ、ほんとうの尊さというものがあるのではないか、という感じがします。ただ強いばかりではいけません。賢いばかりでもいけません。賢い、強いということも、もちろん大切ですが、それ以上に大事なことは、心のやさしさなのです。これはすべてのものをとかすとでもいうほどの力があるのではないでしょうか。その力を失ってはならないと思うのです。