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『多芸(たげい)は無芸(むげい)』
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多芸であることは、一つの芸に深く通じることができ難(にく)いから、結局無芸に等しいということ。
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類:●器用貧乏●何でも来いに名人なし
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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豊かさに見合った厳しさ
暮らしが豊かになればなるほど、一方で厳しい鍛錬が必要になってくる。つまり、貧しい家庭なら、生活そのものによって鍛えられるから親に厳しさがなくても、いたわりだけで十分、子どもは育つ。けれども豊かになった段階においては、精神的に非常に厳しいものを与えなければいけない。その豊かさにふさわしい厳しさがなければ、人間はそれだけ心身ともになまってくるわけである。しかるに、いまの家庭にはそういう厳しさが足りない。政治の上にも、教育の上にも足りない。それが中学や高校の生徒がいろいろと不祥事件を起こしている一つの大きな原因になっているのではないだろうか。