
『他山(たざん)の石(いし)』

自分の石を研(みが)くのに役に立つ他の山の石という意味から転じて、自分の人格を磨(みが)く助けとなる他人の言行。自分にとって戒(いまし)めとなる他人の誤まった言行。

★「自分より劣っている人の言行でも自分の知徳を磨く助けとすることができる」とするとして、自分より優れた人の言行には使えない言葉とされる。が、一方、儒家には、「石」は「賢者」の喩えであるという解釈もある。

類:●人の振り見て我が振り直せ出典:「詩経-小雅・鶴鳴」「他山之石、可以攻玉」<たざんのいし、もってたまをみがくべし>

<松下幸之助一日一話> PHP研究所編

中小企業は社会の基盤
私は中小企業というものは、日本経済の基盤であり、根幹であると思う。それが健在であってこそ、大企業も持ち味を生かすことができるし、経済全体の繁栄も可能になる。とともに、中小企業は単に経済においてだけでなく、いわば社会生活の基盤にもなるべきものだと思う。つまり、いろいろな適性を持った人が、それぞれに色とりどりの花を咲かす、そういった社会の姿がより望ましいのであり、そこに人間生活の喜びというものもあるのではないだろうか。その意味において、たくさんの中小企業が、それぞれにところを得て、さかんな活動をしているというような社会の姿が一番理想的なのではないかと思う。