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『大疑(たいぎ)は大悟(たいご)の基(もと・もとい)』
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大いに疑問を起こすことは、やがて大いに悟(さと)る基になるということ。疑問を持たなければ悟りは得られない。
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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徳性を養う
人間が人間を動かすことは、なかなか容易ではない。力で、あるいは理論で動かすことも、できないことではない。しかしそれでは何をやっても大きな成功は収められまい。やはり何といっても大事なのは、徳をもっていわゆる心服させるということだと思う。指導者に人から慕われるような徳があってはじめて、指導者の持つ権力その他もろもろの力も生きてくる。だから、指導者はつとめてみずからの徳性を高めなくてはならない。力を行使しつつも、反対する者、敵対する者をみずからに同化せしめるような徳性を養うため、常に相手の心情をくみとり、自分の心をみがき高めることを怠ってはならないと思う。