今年は春先に楽器が異様に乾燥していた様に感じたので、梅雨入りした頃から楽器を夜寝る前にケースにしまわず出しっ放しにしてみた。
今までは、夜は必ず大切にケースに入れて来たから、考えてみればこんなに長く出しっぱなしなのは初めての事だ。
長い時間をかけて乾燥したものは、また潤いを取り戻すにも時間がかかる様な気がしたからだ。
楽器の健康状態には常に気をつけている。音を出す事はもちろんだが、軽くたたいてみたり、例えば、楽器の乾燥状態を見るなら、ネックの反りやフレット棒の飛び出しを触ってみる。
湿気を帯びてくると木が膨張して、ネックの反りが起きてくる。逆に乾燥すると木が痩せて少し順反りしてくる。同じ理屈で、フレット棒の端が飛び出してくる。
楽器は日々呼吸して生きているのだと感じる。
さて自分の体も健康診断してこようと思っている。
この仕事を始めてからもう何年もやっていない。
自分の体は自分が一番良く知っている気がしていても、客観的に細部までしらべる事は出来ない。
軽い恐怖心もあってなかなか病院に足が向かない。