賣太(めた)神社。
住所は大和郡山市稗田町136。稗田という珍しい地名だが、ここは古事記の編纂に当たった稗田阿礼の出身地だという。このため、主祭は稗田阿礼その人である。
副神は猿田彦とアメノウズメの夫婦となっている。この夫婦の子孫は「猿女」という姓と養田を天皇から賜り、その田は「猿女田」と呼ばれ、いつしか猿の字を略して「めた」と呼ばれるようになったと社の由緒書きに書かれていた。
となると、当初はサルタヒコとウズメが主神であり、後から出てきた阿礼があまりに有名になったため、主祭になったということなのだろう。
ところでこの神社と集落は、200m四方にギュッと固まっており、周りは一面の田んぼである。そして集落の周りはぐるりと堀が囲んでいる。環濠集落と言うそうで、これだけほぼ完全に残っているのは稀だそうだ。
堀を覗くと大量の亀がいた。
やはり奈良には不思議な場所が残っている。