東京11R ヴィクトリアマイル
◎7.ルージュバック
○11.ミッキークイーン
▲8.クイーンズリング
△5.アドマイヤリード
△6.アスカビレン
×2.スマートレイアー
×10.デンコウアンジュ
東京はこれから晴れる予報だから、メインの頃には稍重ぐらいには回復するだろう。レッツゴードンキは今ならマイルでも折り合って差す競馬ができそうだが、キングマンボ≒ジェイドロバリーのニアリークロスでピッチで走るので東京マイルだと脚の使いどころが少し難しいか。スマートレイアーは昨年と比べてもしぶとい中距離馬になっているし、アドマイヤリードは母父がジェイドロバリーの全弟でG1タイプではない。となると、マイラーというよりは中距離馬のミッキークイーンをスローの東京マイルで斬れ味で負かせそうなのは、上がり11.4-11.5-11.6の毎日王冠でアンビシャスをナデ斬ったルージュバックと、上がり11.5-11.2-11.4のエリザベス女王杯を鋭く抜け出したクイーンズリングか。◎はここ3走は馬群の中で不発に終わっているが、東京で直線外に馬がいない形ならば毎日王冠やエプソムCのような斬れ味を発揮できる。ここは好位に付けられれば行く馬は内に揃ったので、揉まれず4角を回ってこられるのではないか。金鯱賞で出していったことが伏線になりそうだし、戸崎も昨年のリーディングジョッキーなのだから、何度も同じ負け方を繰り返すわけにはいかないだろう。先行したときのアスカビレンと、大箱のスローで斬れそうなデンコウアンジュがヒモ穴。
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同じ芝1600mの8Rがソコソコ流れて59.4-35.1で1.34.5、東京芝は時計一つかかるかどうかという稍重まで回復してきましたが、内数頭ぶんは荒れているようでみんな避けて走ってました
「ソルヴェイグ陣営が逃げたない言うてるけど、ほな何が逃げるんや?」というのがレース予想の枕詞でしたが、けっきょくスタートと出脚が違いすぎて引っ張ったままハナへ、60.1-33.8で1.33.9というのは、パンパンの良なら59.5-33.5で1.33.0ぐらいの感覚ですかね
デンコウアンジュについては「メイショウサムソン×マリエンバード(凱旋門賞)だからオークスが楽しみ」という見立てもありましたが、私は当時から、ビワハイジのようなCaerleon牝馬のマイラーという体型をしているし、案外大箱向き斬れ特化のマイラーじゃないかという説で、TARGETの成績をみてもJFとチューリップとローズと阪神牝馬しか印を入れてないです
DarshaanってのはShirley Heights産駒の仏ダービー馬ですが、キュンティアの父、オディールの母父、ダノンシャンティの母父父、ヒットジャポットの母母父、斬れ味がありすぎてマイルを斬れだけで差すような馬がわりと出るんですよね
でもマイラーっぽいと言ってもそこはメイショウサムソン×マリエンバードですから、デインヒルやStorm CatやタイキシャトルのようなA級マイラー血脈を父からも母からも引いてないですから、真の一流マイラーとしてのスピードや追走力が必要な高速決戦に対応できるほどのスピードはない
だからメジャーエンブレムを一気に差し切ったアルテミスS(レースラップ59.9-34.2)のように、60秒ぐらいで追走して33秒台で上がるレースにおいてこそ映える斬れ味というべきで、結果的には今回のヴィクトリアマイルのこの馬のラップは60.9-33.2ですから、あまり追走に脚を使わず斬れ味だけで勝負できるゾーンのレースになったということでしょう
スマートレイアーはこのペースで難なく番手ですから東京新聞杯のような勝ちパターンで運べたのですが、もうすっかり中距離Hyperionオバチャンになっているので、一年前ほどマイルではっちゃける脚は使えなくなっています(ヴィクトリアマイルの内容が年々渋くなっていったホエールキャプチャとソックリ…)
ルージュバックはスタート直後に寄られてポジションが下がってしまい、それからは北村宏フロンテアクイーンにずっと外に張り付かれて、けっきょくゴールインするまで馬群の中
考えられる最悪のレースになってしまいましたが、どう見ても全力で走ってないのに上がり2位の33.3、これだけ凡走がつづいても2人気に支持されたように、気分よく走ったときのあの豪脚を乗り役からもファンからもリスペクトされているがゆえに、ミルコにも田辺にも北宏にも、いつも大外へのヴィクトリーロードをブロックされてしまう
ただし今日のパドックは、馬体の張りや馬の覇気なんかにちょっと物足りなさを覚えたのも事実
アドマイヤリードは後方のイン、道悪をこなすので3~4角で内を通ってポジションを上げていけたのも大きかったですが、直線ではスマートレイアーとソルヴェイグの間をこじ開けるというよりはすり抜けるように差し切り
<母ベルアリュールはヴァントー賞(仏G3・芝1850m)勝ち馬で、叔父に愛セントレジャー(愛G1・芝14F)のJukebox Juryがいる。母父Numerousはジェイドロバリーの全弟でダービートライアルS(米G3・ダ8F)勝ち馬。母系の奥にはKenmareやIrish Riverなどフランス血脈特有の斬れのある血が入り、大箱の1600~1800mで見せる鋭い斬れ味はここでも通用するもの。ルメールとも手が合うタイプの差しだろう。ステイゴールド産駒はこれまでヴィクトリアマイルに6頭が出走して[0-0-0-9]と不振なのと、母父が大レース向きではないのがマイナスファクター>(競馬道Onlineの有力馬分析より)
母母父Kenmareはジャックルマロウ賞の勝ち馬でトニービンと同じKalamoun~Grey Sovereignへさかのぼる父系でNasrullah=Rivaz4・4×4、母母母父Irish RiverはRivermanの代表産駒で仏2000ギニー馬
Mare Aux Feesはこの仏マイルG1馬を通じるNasrullah=Rivaz5・5・5×5とMy Babu≒Klairon4×4で、まさにフレンチなマイルの斬れで固められていて、ステイゴールド産駒としてもちょっと異質な斬れ味特化の脚質はここ由来でしょう
ルメールのベストライディングにウオッカ(母父はRiverman直仔のルション)のJC勝ちをあげる人は未だに多いでしょうが、
<ちなみに「母系にRivermanを引く馬に騎乗したときの現役騎手ランキング(芝、騎乗数100以上)」を出すと、勝率(22%)連対率(36%)複勝率(49%)いずれもルメールが1位で、単回値も100を超えてます
1.ルメール…連対率36%、単回値113
2.武豊…35%、78
3.戸崎…32%、93
4.ミルコ…29%、58
5.柴田善…27%、100
6.蛯名…27%、97
7.横山典…27%、85
善臣がなかなか好成績ということは、のんびり構えてジンワリ追い出すのが合っているということですかね(・∀・)>(16/10/30のエントリより)
母系にRivermanの血を引き細身でナスキロ柔く斬れる牝馬を、長い直線で絶妙なタイミングでスピードに乗せて斬れ味を発揮させて馬群を割って差し切るというのは、今の日本ではやっぱりルメールが一番達者で、そりゃやっぱりそういう土壌で育ってきた乗り役ですから
ステイゴールドもサンデーサイレンス系の中距離型ですから産駒は後駆が少し非力だったり緩かったりというのが一つ弱点としてあって、最近ではレインボーラインが札幌記念を+10キロで好走して飛躍のキッカケにしましたが、3歳の夏休みでグンと成長して神戸新聞杯やセントライトをプラス体重で出てきて、明らかに腰やトモに肉がついてパンとしてきて…というのが大物牡駒の典型的な成長曲線
アドマイヤリードは398キロでデビューしたステイゴールド牝駒ですが、昨秋のローズSを+20キロで復帰して明らかに成長が見られたし、末脚の斬れにも凄みを増してきて、そこにRivermanを料理させたら右に出るものはいないフレンチの鉄人との出会いがあった
母系にジェイドロバリー=Numerousの血を引くステイゴールド産駒は、JRAに25頭出走し12頭が勝ち馬、このアドマイヤリードを筆頭に、ウインブライト=ウインファビラス全きょうだいやマイネルスフェーンなどが出ていて、ステイゴールド産駒としても成功率の高い配合パターンといえますが、ウインブライト=ウインファビラスは必殺のダイナサッシュ≒アドマイヤマカディのニアリークロスを持っていますからね
ダイナサッシュとNumberの間でNorthern DancerとナスペリオンとFlaresのクロスになるのがニックスのポイントだろう…というような説明もできなくはないのですが、「Kingmambo≒ジェイドロバリーのニアリークロスではないジェイドロバリー」がG1を勝ちきるとは、それだけ斬れ味だけで勝てる質のレースになったのだろうか…と苦しまぎれに言うしかないです