ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

10月14日、母親のデモ行進

2020-10-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 10月14日は母の日なので、今日はミンスク市中心部で母親のデモ行進が始まりました。しかし強い雨が降り、また平日の昼間は働いている母親が多いので、参加者数は数百人ていどのようです。

  夕方には政府派のデモ行進があり、警察に感謝の声を上げました。こちらも数百人ぐらいの参加者数です。

 同じようにデモ行進をしていても、反政府側は「解散!」「あななたちがしているのは犯罪行為です。」そして拘束されます。

 しかし政府側のデモ行進は犯罪行為ではないようです。

 

 今日も各大学で反政府派のデモ集会が行われました。

 

 ロンドン五輪競泳の銀メダリスト、アレクサンドラ・ゲラシメニャが反政府派支持を表明したところ、自身の水泳教室の運営を事実上止められ(借りていたプールを貸してもらえなくなった。)ますます反政府支持に回っていたのですが、今日、リトアニアに出国しました。

 今後は反政府派スポーツ選手の支援をするそうです。つまり、政府支持派の選手はベラルーシ国内にとどまり、ベラルーシ国旗の下、オリンピックなどの国際試合に参加するけれど、それを自分はよしとしない(ベラルーシ国旗の下でオリンピックに参加する気が失せた)というスポーツ選手は、ゲラシメニャの下、練習をして、将来大統領が代わったら、新しいベラルーシの選手として国際試合に参加したい、ということです。それを応援する受け皿をリトアニアに作ったということです。

 

 キックボクシングのチャンピオン、アレクサンドラ・シチンコワ選手が反政府デモに参加していたため、拘束、逮捕されました。今日、裁判で10日間の禁固刑の判決が出ました。

 有名なキックボクシングのトレーナー、ユーリー・ブラト氏も拘束され、オクレスチナ収容所へ。弁護士は「コロナウイルス対策のため」接見を禁止されています。

 

 在ベラルーシ・ウクライナ大使がベラルーシ外務省から呼び出しを受けました。その後、大使自身のフェイスブックで報告しているのですが、つまり、特に特殊技能を持っているベラルーシ人がウクライナへ就職のため出国するのをウクライナ政府が受け入れる法律ができたことに関することで、呼び出されたようです。

 ベラルーシ外務省は「ウクライナとベラルーシは兄弟国なんだから、ベラルーシ人がウクライナへ仕事に行くのを受け入れる法律を作ったこと」が不満だったようです。

 フェイスブックでは、「ベラルーシ人がウクライナで働きたいと要望した、ということはベラルーシに何か不満があるから、ということです。そんなベラルーシ人にとってウクライナは非常に魅力的な国です。言葉の壁がなく、ウクライナ国内に親戚がいるベラルーシ人も多い、今までに受けた教育システムに共通点も多い・・・といった点です。ウクライナはそんなベラルーシ人を受け入れる用意ができています。それこそ「兄弟国」だからです。」とウクライナ大使は自分の考えを述べました。

 

   アメリカのIT企業で、100人強のベラルーシ人の新入社員を受け入れる準備があると発表する企業も現れました。 

 

 10月25日までにルカシェンコ大統領が政治犯を釈放しなかったら、26日からゼネストに入るよう、チハノフスカヤ氏がベラルーシ国民、特に国営工場の労働者に呼びかけました。

  

 ルフトハンザ・テクニックの労働組合が、いままで請け負ってきたベラルーシ大統領の専用機の整備を断ることに決めたと発表しました。

 

 夕方、雨もやんだので団地デモが始まっています。

 

 国営テレビSTVのニュースに二人の治安部隊員が覆面姿で登場。氏名は明かされず、声も変えられた状態で、

「われわれ治安部隊は女性、高齢者、子どもを守るために、ミンスクの通りから出て行くことはない。反社会的勢力を鎮圧するためにこの仕事を選んだ。私や家族に対する脅迫は意味をなさない。」

などと視聴者に向かって語りました。治安部隊と家族に対する個人情報流出のことを脅迫と言っているのでしょうが、脅迫されても怖くない、絶対に反政府デモ参加者を厳しく取り締まるのを続けますよ、国民の皆さん任せてください、と言うなら、覆面をかぶるのはやめて、素顔、実名で出演すればいいのに・・・と思いました。

 私の夫が言うには、「これが正式の制服姿だから。」だそうです。

 それなら、顔が知れ渡っている内務大臣が同じことを言えばいいのに・・・と思ったのですが、すでに内務大臣は同じことを何度も繰り返し発表していますね。

 しかし、あのAI技術を使ったら、こんなふうにカメラ目線でテレビのニュースに出演した二人の治安部隊員の身元はすぐに分かってしまうでしょうね・・・。

 

 

 

 ソチ五輪金メダリスト、ダリア・ドムラチェワの兄、二キタ・ドムラチェフは偶然自転車でデモ集会の近くを通りかかっただけで、治安部隊に拘束され、その際に頭を警棒で殴られ、何針も縫う大怪我をしましたが、警察などから謝罪の言葉は兄も妹も今のところ一切ないと取材で答えました。

 今日、自身のフェイスブックで、二キタ・ドムラチェフは支援している人たちに感謝し、また外国へ行くつもりはなく、このままミンスクに住み続けることを希望している、と書き込みました。

 また、自分だけではなくベラルーシ人がみんな文明的な国に住みたい、新しいベラルーシに住みたいと願っていることを最後に書きました。


ベラルーシのコロナウイルス感染者85121人。死者数911人

2020-10-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 10月14日の書き込みです。

 ベラルウーシのコロナウイルス感染者数は85121人になりました。1日の新規感染者数は597人です。ほとんど600人です・・・。

 死者数は911人です。

 78218人が回復しました。

 211万件の検査数となりました。

 

 


ベラルーシで少子化が進む

2020-10-14 | ベラルーシ生活

 10月14日はベラルーシでは母の日です。

 それを受けてベラルーシで少子化が進んでいると発表されました。

 家族と母性支援センター「マトゥーリャ」によると・・・

 ベラルーシでは最近、1年間の出生児の数は平均10万人。(ベラルーシの人口は約950万人です。)

 ところが今年は87602人だった。

 ・・・とここまでニュース記事を読んで私は

「? 今年はまだ終わってないんですが?」

と思いました。どういう計算方法なのかよく分かりません。

 仮に今年1月から9月までに生まれた子どもの数が87602人だったとして、このペースで今年の12月まで子どもが生まれ続けると、全部で11万人生まれることになるので、ふつうなのですが・・・

 昨年10月から今年9月にかけての12ヶ月間に生まれた子どもの数が87602人だったのでしょうか。

 ともかくニュース記事を書いているジャーナリストの記事の書き方がきっちりしていないので、読んでいて困ることがあります。そもそもこのマトゥーリャセンター長の発表、として記事が書かれているのですが、このセンター長の表現がきっちりしていないのをそのまま記事にしているということでしょうか。

 

 次にこの記事によると、いわゆる出産可能な年齢の女性の数はベラルーシでは220万人。時間が経つにつれて、「もう出産できません。」という女性が増えてきますが、代わりに「出産できるようになりました。」という年齢の女性の層が少ないのが問題。

 もうすぐ(どれぐらいもうすぐ? 詳しい数字が記事にありません。)出産可能な女性の数は半分以下の100万人になる。その後もしかすると、50万人にまで減少するかもしれない。

 ベラルーシの人口を維持するためには一人の女性が3.1人の子どもを生涯で出産する必要がある。

 しかし、実際にはベラルーシ人の女性が生涯で出産する子どもの数は平均1.3人である。

 つまり少子化が進んでおり、これからベラルーシの人口は減少するから問題だ・・・そうです。日本と同じ問題を抱えていますね。

 今年(?)新生児数が大幅減(?)になったのは、衝撃的とマトゥーリャセンター長。その理由を、コロナウイルス感染拡大や社会不安によるものではないかと分析していました。

 

 確かにコロナウイルスのせいで、今年は妊娠を控えようと考えた女性や夫婦が増えた可能性はありますね。

 でも私から言わせれば、大統領選挙の後、若い世代に対して「この国の政治や選挙結果が気に入らないのなら出て行けばいい。」と平然と言うベラルーシ人がいることが問題ですよ。「はい、もう見切りつけました。デモ集会に参加したってこの国は変わらないだろうし、無駄な努力したくない。他の国へ行きます。ポーランドやリトアニアはベラルーシからの移民を歓迎しているんだし。」と若い人たちが出て行ってしまい、この人たちは外国で就職し、結婚し、家庭を作り、子育てするのですから、ベラルーシの人口は増えません。

 「国がネットを遮断するから仕事にならない。勤務していたIT企業そのものが外国へ移転することになったので、家族で引っ越します。」という若い世代もたくさんいます。

 こうして外国へ家族で引っ越し。子どもはその国の学校に通い、やがて就職、結婚します。ベラルーシ人だけどベラルーシを外国のように感じて成長します。もうベラルーシへは戻ってきません。

 こうして、ベラルーシから子どもが産める若い人がいなくなり、子どもが産めない世代は国内に残る傾向が続きます。

 今年の新生児数が減少したのはコロナウイルスのせいかもしれませんが、来年以降の減少はコロナウイルスのせいではなく、若い人が外国へ出て行ったのが理由の一つになるでしょう。

 このままだとベラルーシの国内は空洞化が進み、大変大きな問題が起こります。(日本もよその国のことは言えないのですが。)若い世代にとって住みやすく、魅力のある国を作らないと、まず出産できる可能性がある人がどんどん国外へ出て行ってしまいます。今は21世紀なのでスマホとパソコンを持って、若い人は簡単に外国へ移住してしまいます。