ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

10月19日、高齢者同士のデモ行進

2020-10-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 10月19日、予定どおり、ベラルーシの各州から大型バスに乗って、退役軍人や元警官の年金生活者がミンスクに集合しました。元軍人が多いので、男性がほとんどです。軍服を着ている人もいます。

 

 そしてミンスクの年金生活者が3週連続の月曜日のデモ行進を始めました。こちらは女性が多いです。

 両者のデモ行進はミンスク市内中心部、中央郵便局付近でですれちがいました。おじいさん対おばあさんといった様相です。

 

 政府派デモ集会は国旗を掲げていますが、シュプレヒコールは特に上がらず、音楽だけが流れています。

 政府派デモ行進に対して反政府派デモの参加者は「(暴力的な治安部隊を支持するあなたたちは)恥知らずだ! 裏切り者!」などと抗議しています。

 政府派のほうは、内務省の号令に従って各地方から寄せ集められたせいか、黙々と行進しているように見えます。抗議の声に言い返す声は少ないです。

 反政府派デモは先週、治安部隊が高齢者に催涙ガスを吹きかけるといった鎮圧がされましたが、今週、それをひるむことなく参加した人が多く、先週より参加者が増えました。数千人はいるでしょう。

 あのニーナさんも白赤白の旗を持って登場!

 

 政府派のデモ参加者国会議事堂前に集合。内務省の方々が、参加に感謝を述べ、大統領への忠誠をうながし、「万歳!」などと声を上げました。

 政府派デモ行進では内務省の係員らしき人が、退役軍人に向かって「もう少し歩幅を小さく! もっと詰めてください!」などと号令をかけています。とにかく軍隊式です。

 参加者の多くが退役軍人なので号令に従って行進しています。しかし、高齢者なのにマスクをしている人があまりいないうえ、マスクをしていてもあごマスクだったり、鼻はマスクの外に出ていたりとコロナウイルス感染対策は十分ではないようです。

 一人の男性(政府派)が一人の女性(反政府派)に向かって「ルカシェンコ大統領は法に則った大統領だ。」と説得しています。

 このように高齢者の中に分断があります。

 

 午後1時に集まった政府派デモは勝利広場まで進むと献花して、3時半ごろ終了。また大型バスに乗って解散しました。

 

 反政府派のデモ行進は独立大通りに向かって進んでいきます。ところどころ、「ありがとう、おばあちゃん!」といったプラカードを持った大学生が出迎えています。

 ヤクプ・コーラス広場まで来るとボランティアが紅茶などをデモ参加者に振舞いました。

 

 ウォーゲーミング社が社員のうち300人をキエフに移転させました。また500人をリトアニアに移転させる予定だと発表しました。

 ベラルーシのIT企業の社員1200人がすでにウクライナへ、800人がポーランドに移転しました。

 

 各大学でも座り込みデモなどが行われています。デモに参加して授業を欠席した場合奨学金を取り消されるという決定に抗議してのデモですが、これに参加して授業を欠席したらやっぱり奨学金を取り消されるのですね。

 

 ビテプスクで手に花を持って平和的なデモに参加していた二人の女性が、花壇の花を抜き取って盗んだ罪により身柄拘束されました。

 

 野党調整評議会メンバーだったリリヤ・ブラソワ氏が今日釈放されましたが、インターネットの使用を禁止されるという条件付きです。また一方、この週末に逮捕されたジャーナリストの裁判が次々と行われ、有罪判決が出ています。

 今月25日までに約90人の政治犯が釈放されるでしょうか。

 


ベラルーシのコロナウイルス感染者88290人。死者数933人

2020-10-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 10月19日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は88290人になりました。1日の新規感染者数は592人です。少し減りました。

 死者数は933人です。

 80130人が回復しました。

 223万件の検査数となりました。

 

 職場の同僚がコロナウイルスの症状が出てから2週間以上経過しましたが、今のところ職場では集団感染も発生せず、私も何の症状もありません。


ベラルーシへの留学?

2020-10-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 日本にある日本人向けのロシア語留学斡旋業者が、ベラルーシへの語学留学をお勧めしています・・・。

 その宣伝によると・・・

 以下「 」内が宣伝文句で、( )内が私からの意見です。

「ベラルーシならいつでも行ける!」(←今は入国しないほうがいいです・・・。こんなに社会の中がもめているのに。)

「現在、ロシア語留学で唯一比較的自由に渡航できる国がベラルーシです。ミンスク言語大学では1か月から1年まで、短期・長期のロシア留学研修を受け入れています。」

(← 今ミンスク言語大学ではコロナウイルスの集団感染が発生。学生デモが国内で最も激しい大学で、教員が退職したり、ストライキをしているので、多くの授業が成り立たなくなっています。また学生デモを警戒して、大学の入り口に警官が常時配備されているようになっています。こんな大学はここだけです。)

「2020 年、新型コロナウイルスの影響により、 多くの国が、留学の門を閉ざしました。 そんな中、普段通りに外国人留学生を受け入れ続け ている、数少ない国がベラルーシです。」

(← 留学生からの学費をもらいたいがばかりに安全アピールしています。学費を払った後、教員が退職したりストライキしたりして、授業そのものが成立しなくなっても、学費は返してくれないでしょう。)

「良好な治安 政治的混乱により、生活上注意すべき事柄が増えて いますが、それでもなお、ミンスクは海外留学先と しては治安の良い町です。」

(← 今のミンスクのどこが? 連日デモ集会、毎日護送車、軍用車、放水車、パトカー、救急車が走り回っているのに。 デモ集会のすぐそばを偶然歩いていただけで、身柄拘束、拷問をともなう取り調べが行われていますよ。空き巣やスリが少ないことを治安が良いほうの町、と評価するならそうなのかもしれませんが、今のベラルーシの警察が善良な市民に行なっていることはどう評価するのですか? 道を歩いているだけで警官から警棒で叩かれるリスクがものすごく高くなっていますが。それでも治安はいいと言えるのですか?

 日本人も一人拘束され、日本国籍を持っていることが外国勢力との関係が疑われるとして逮捕されていますが。日本政府がそもそもアメリカ寄りでロシア寄りではないので、ベラルーシの一般市民は親日家が多くても、今のベラルーシ政府は日本を敵性国家と見なしている証拠です。ちなみに中国人で身柄拘束・逮捕された人は一人もいません。)

「普段のミンスクは大変治安の良い町です。2020 年は大統領選挙に伴う政治的混乱が発生し、多くの市民が当 局に拘束されるなど、日常生活にも少なからず影響が出ていますが、市民同士が傷つけ合うような暴動や略奪は 起きていません。今もなお、ミンスクは海外留学先としては比較的安全な町のひとつです。」

(←今月末以降、国内で内戦が起こる可能性があると言われているのに? こちらの日本大使館は、在ベラルーシ邦人の数が減るように、短期滞在者には早めの帰国を促す電話をかけて回っているんですが。私は永住予定者なので、このような電話はかかってきていないのですが、現在ベラルーシ在住日本人の連絡先、居場所など確認作業が行われており、ある日突然国外への退避勧告が発動されても、迅速に無駄なく連絡ができる体制を日本大使館は準備しています。

 もっとも、ベラルーシに住んでいる日本人は非常に少ないので、脱出のためのチャーター便は日本政府は用意してくれないでしょう。実際、国外への退避勧告が出たら、自力で陸路での国外への脱出してくださいと日本大使館から通達されるだけです。脱出先はリトアニアのビリニュスがよいとお勧めされていますが、あくまで自力で各自脱出しなさい・・・ですよ。ベラルーシで通用する車の運転免許もない日本人留学生の方々が陸路でミンスクからビリニュスに脱出するのは簡単なことですか? チャーター便は来ないことをこの留学斡旋業者は分かっているのでしょうか? 

 国外へ脱出するかしないかはあくまで任意ですが、それは優しい日本の法律が個人の意見を尊重しているからです。強制的に国外出国させることはできません。が、代わりに自力と自己責任で脱出するなりしないなり決めてください、ということです。留学斡旋業者はこういった問題が起きたときの保障をしてくれるんですか?)