染色をさせてもらった能登川博物館で、ときどき自然観察会を行っているのだが、
私がやってるのは、博物館からすぐ近くの猪子山という標高267.5mの小高い山の裾の方だ。
猪子山古墳群という約40基からなる6世紀前後の横穴を基本とした古墳が分布し、
また、平安時代建立と言われている北向岩屋十一面観音や上山天満天神社があり
古くから信仰や、里山としての利用が盛んに行われていたと思われる場所だ。
元々その山の植物の観察会をやっていたのだが、
この山のキノコをまじめに調査し、観察会を担当されていた方が亡くなられたので代わりにキノコを自分がやっている。
そうか、もう代わりじゃないんだな。
その方が倒れたときにいつでも復活してもらおうと自分が引き受けたのだが...さびしいな。
観察会を開いたり、地元の自然保護に取り組んでいらっしゃるグループと一緒に調べていたようだ。
私じゃ役不足なのは重々承知なのだが、10年以上前のデータなんかは分類が変わってしまって
新たに使えるデータにしないといけなかったり、また今まで不明種だったキノコに学名がついて、
昔から生えてるキノコで不明種にしていたものの中に、新たに名前がつくものがあるはずだ。
また数年前にこの地域にも御多分に漏れず起こった大規模なナラ枯れが一段落し、
ナラ枯れの木はほとんど切り倒され撤去され、山の姿もこの2~3年でまた様変わりした。
ナラ枯れする前のデータと今のデータを見比べることにも意義がある。
なので10月頃にキノコの魅力とともに、こういう積み重ねを博物館で見てもらおうと思う。
原稿書きは基本8月いっぱいまでなんす、やっぱり時間がない。
さーまたここで原稿を書き溜めていって、本番で使おう(本の原稿の時それで随分楽だった♪)
また、私も地元の自然保護をやってるグループの方と調査したいなヽ(´▽`)/
今日猪子山で見かけたきのこ
コンクリートの側溝からなぜかウラスジチャワンタケ
ひだの色は白が成菌、赤いほうが老菌。
傘の周りの毛が特徴的。ひだを切ったが無反応、白い乳は幼菌の頃しか出ないようだ。アシボソチチタケ 。
傘のサイズが8cmほどある。典型的な形をしていないが顕微鏡で観察するとどうもイタチタケのようだ。
わかりにくいところに隠れおって(^_^;)。イヌセンボンタケ
ナギナタタケ
オオセミタケ 今回は置いてきた。数日後、子嚢胞子を飛ばしているところを撮りにいくぞヽ(´▽`)/!
クジラタケ幼菌と思われる
ぱっと見ヒョウモンウラベニガサと形が似てる。しかしこれがヒョウモン柄かといえば…?
図鑑を見ているとクロベニヒダタケやまだ学名のついていないオキナベニヒダタケなどが載っている、
その区別点を顕微鏡観察で追ってみた。
シスチジアに厚壁のものや、透明膜を被っているものは見当たらなかった⇒オキナ×
これは傘表面の断面。茶色い平行菌糸からそのまま茶色いシスチジアが飛び出している⇒クロヒダ×
いろいろ調べてみたが、該当するのはやっぱりヒョウモンウラベニガサだけだった。
ということで、このくらいの模様はヒョウモンウラベニガサの範疇に収まるらしい。
顕微鏡がなかったら、きっとクロヒダだと思っただろうな。
こうやって、一歩ずつ経験を積み重ねていくといろいろ分かっていくようになるんだろうなヽ(´▽`)/!
ではでは。
読者登録ありがとうございました。
顕微鏡で見るキノコは肉眼で見るのとは大きく雰囲気が違いますね。
これから時々訪問して勉強させていただくのが楽しみです。
写真で各地のきのこが見れるのが楽しいです。
またいろいろお写真を見せてくださいヽ(´▽`)/