菌類学、とくに分類ついての研究は
植物分類学で言うところのAPGシリーズが出てくる前の段階にあって
下位・上位の階級に関わらず、激しく混乱していることが明らかになってきた段階にある
クロンキスト以前のエングラーから直接APGに乗り込んでいる感じ
ただAPG-Ⅰの段階ですらない
その中でも高位の分類階級については子実体の形態形質の分類への用いられ方を見ていると
明らかに大昔に植物学の端っこに菌類学が置かれていたことに由来する弊害が
足をひっぱった跡が所々に見受けられる
未だに亡霊の様に古い研究家さんの間などにそういう空気が残っているが
菌類学でも研究に携わる方の年齢も科学思想も世代交代が確実に進んでいる
昔の偉い研究者を称えるのはその努力であって盲目に中身を称えるものではない
いま菌類学の研究は足場を失ったのではない、自由を手に入れたのだ
たぶんつかの間の自由だ、精一杯菌類学に携わる方々が大暴れするところを見てみたい
ややこしいことを書きました
さて、と。
アミガサタケなんですけどね。。。やっぱり混乱しているんです
菌類全般の分類学に言える混乱状況を前置きとして説明したくて上のことを書いたんです
で、キノコの名前でとくに和名については
初めて記載された時や新産種として国内で発見された時に
学名や標本に紐付けされてるのは容易に想像がつくかと思うのですが
上で説明したように大混乱時代の菌類分類学なので
和名に紐づけされた学名のキノコは日本では産出されないことがわかったり
学名のついたキノコが実はコンプレックス(複数種混ざってる)だったことがわかったけれど
登録されたタイプ標本がばらばらにした種のどれなのか後から確認しても不明な場合もあるのですが
(タイプの状態が悪い・そもそもタイプがどっかいっちゃった)
和名はどこに紐づけされているのか(学名?タイプ標本?)は決まっておらず
その時々の自由なので、和名が何を指しているのか混乱しまくっています
アミガサタケも分子解析の結果、図鑑に載っている種の数以上に
かなり多くの区別できる種がありそうだということがわかってきています
ここではこの前採集したアミガサタケや、自宅で標本にしていたアミガサタケを細かく観察して
肉眼で確認できる外見の違いが何から由来するのか
さらに微細構造を確認して追求してみようと思います
(続く)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます