忘れそうなんで、もういっちょ。
このあいだのバイタケとはなんぞや?を解決しようと地元の方に声をかけてみた。
まず、水を張った田んぼのようなところを覗き込んでるおじさんに声をかけてみた。
おじさん、知らんなあ…。
あ、そうですかと答えると、反対側の山のてっぺんで昔は松茸とってたんや、教えてくれた。
松茸はマツ林の中でも、
松の枝も松の葉っぱもすっかり薪用などで持ち去られて栄養のほとんどない山でしか発生しない。
そんな栄養状態の悪い松の根っこに住み着いて栄養を松に送ってやっているキノコが松茸なのだ。
おじさんはそれもよく知っていた。
ほかにこのあたりのきのこの利用などご存知ないですかと尋ねたがご存知なかった、残念。
その代わり、わしの畑に集落のみんなでヨゴモを植えたんじゃと教えてくれた。
さっき、ネットでヨゴモを調べてみたらなんにもヒットしない。どうなってるんじゃここは!
このおじさんは集落の昔と現在の様子の違いやこの辺の経済活動等について細かく教えてくれた。
次に、このあいだ大きなケヤキの木を切っていた集落のすぐ入口に製材所があったことを思い出し
そこにバイタケのことを教えてくれた、この間のおじさんがいるかもしれないと思い行ってみた。
しかし木を切っていたのは別の製材所だったようで、この間の方はいらっしゃらなかった。
ここの製材所には写真の方と私と同い年くらいの男の人がいて、話を聞いてみた。
写真のおじいちゃんが「バイタケ知っとりゃ、#$%&…」方言がきつくて何言ってるのかわからん。
隣の人に翻訳してもらってこの方はバイタケに詳しいことがわかった!
どんなキノコですか?と聞いたら傘があってこんな丸いやつ、秋にどこでも生えているっぽいことを
言っていたがそんなキノコ数千とある。あの、ほかに特徴ないですか、ヌルヌルとか…と聞いてみたら
そうやヌルヌルや!と言った。よっしゃ食用菌として有名なヌメリイグチっぽい!
ほんでギザギザついとんねん…え、ギザギザ?ギザギザって何?はい、ヌメリイグチ消えた。
大きいですか、小さいですかと尋ねたら拳を作ってこんなん、と。
そして、ほらヒメジとかあるやろ!と言い出した。ヒメジ?ヒメジですか?…あ、シメジ!
そうか、この辺そういう方言があるんだ。ということはバイタケは元々ザイタケってことかな。
でもそんなキノコない、はい、振り出しに戻った。
おじさんの頭に思い描くキノコの姿が私に全く伝わってこない。
わかりました、これからここに来て私が見つけたキノコ全部ここに持ってきます。
その中にバイタケがあるかどうか、おじさんチェックしてください!と無理やりお願いした。
ここに調査に来る楽しみが10倍、いや100倍に増えた!
ご機嫌で帰ろうとしたら…
前に出てきた重機のそばに止まってた軽トラの後ろに書いてあった名前はこれだった
神社さんの境内を掘り返してる重機に見覚えのある名前が書いてあった、この間のこれだ!
お仕事してるおじさんの顔をチェックしたが、別人だ。
でもなにか知ってるかもと思い、お声をかけさせてもらった。
バイタケ?知ってるよ。やった~…でもうまく聞き出さないとさっきの二の舞だ。
わしらあまり食わん、食ってたのは大阪セメントの奴らや、とおじさんは言った。
大阪セメントは伊吹山をがたがたに変形させたセメント会社で今も少しは採掘しているが、
昭和五〇年代をピークに衰退する一方で使われていない採掘用ベルトコンベアーや施設が
伊吹山各地で廃墟と化している。前に掲載した長い建物?も廃コンベアーだ。
さっきと質問を変えて、おじさんにどうしてバイタケっていうんですか?と聞いてみたら、
そらバエの木に生えるからバイタケっちゅうんじゃい、と答えてくれた。
さーよいこのみなさん、バエの木をネットで検索してみよう!出てきませんね~。
…すいません、バエの木ってどんな木ですか?お前そんことも知らんのか!と怒られる。
はい、すいません、渋々謝りながらせめて針葉樹か広葉樹かだけでも聞き出そうとした。
おじさん、この木を指さして言った、
丸い実がなりよるんや、これやと思うんやけどこれ柔い、もっとチクチクするやつやと。
写真の木はイヌガヤ、松ぼっくりのような実がなる。
そしてこれにそっくりで丸い実がなってもっと硬い葉を付けるのは、“カヤ”だ!
間違いない、バイタケはカヤの木に生えるんだ。
おじさん、それカヤの木でしょ!といっても「?」となったがたぶんあってる。
カヤタケというキノコがあるがカヤには生えない、落ち葉分解菌だから別もんだな。
これだけ聞けたら大収穫、これからも少しずついろんな人に聞いてみよう。
みなさん、お忙しい中ご協力いただいて本当にありがとうございました。
さ、これからもがんばろうヽ(´▽`)/!!
バイタケを探してネット検索していたところこちらのブログにたどり着きました。
私自身伊吹山の山中出身で、過去にそのきのこは食べたことが有るはずなのですが、一体どのような物であったのか記憶に残っていないという。
おみそ汁の具になって居たような、調理前に襞に大量にこばえの蛆が入っていてぞっとしたような、そんな記憶は残っています。
確かに採取場所は大阪セメントの採掘現場付近ではあったような気がします。
ただ、熊が多く出現するようになったので、現地に向かわれる場合は熊対策を十分になさってください。
非常に欠けやすく、脆いカサなので商業ベースには乗せられないキノコとの事です。
・・・尚更わかりにくいですね。
cookpadのレシピは、https://cookpad.com/kitchen/7207182
です。よろしくおながいします(^^)