波も穏やかでそよ風吹く館山湾。
海浜植物が砂丘を彩り始めました。
薄紫色のハマダイコン。
紫色のハマエンドウ。
黄色のハマニガナ。
砂丘から海を眺めていたら川の向こう岸でカルガモが休憩中でした。
上げ潮とここ数日の雨で増水していた川を渡る事が出来ない為、カルガモはあまりこちらを警戒していないようでした。
いつもならこの距離だと逃げてしまうのです。
砂浜を歩いていたカラスは、打ち上げられた漂着物の中から食べ物を探していました。
最初にソテツの実を1つ見つけ、嘴で咥えたまま歩き、更に他のを見つけたのでソテツの実を喉の奥の方に移動させ別のを咥え、またもう1つ見つけて咥えていたので、合計3個の木の実が口の中にあります。
3個見つけた後飛んでいき、小高い場所で下りていたので、安全な場所で木の実を食べるのだと思います。
初めて見たカラスの行動だったので、興味深く観察していましたが、ソテツやドングリだと、どれくらいでお腹が満たされるのかと考えたりしました。
カラスが居なくなった後に波打ち際をビーチコーミングしながら歩くと、上げ潮で打ち上げられたばかりのハツユキダカラがありました。
この冬はほとんどタカラガイを拾えていなかったので、かなり久しぶりです。
濃い色合いのハツユキダカラはとても綺麗な状態です。
今まで見てきたハツユキダカラはもう少し茶色が淡く、ベージュっぽい色のものが多いのです。
このような濃い色のは以前にも拾った事があります。
その時は別の館山湾内の海岸で同じ日に2つ見つけました。
このハツユキダカラはどうして色が濃いのかと気になり調べて見ました。
タカラガイブックによるとハツユキダカラが生息する水深により殻の変異があるそうで、浅場では青味を帯び、深場では黄色味を帯びる傾向があるとありました。
殻色が濃くなる理由が分からなかったので、自分なりに考えてみて、もしかしたら他のタカラガイとの混血なのかもしれないと思いました。
南房総の海岸ではハナマルユキと言う茶色に白色の多数の小さな斑のあるタカラガイをよく見るのですが、これと交配した時に殻色が濃くなりそうだと想像しました。
年々減少してきているタカラガイが生き残りをかけて、近い種との交配をしている可能性は十分あり得る話です。
この冬にビーチコーミングでタカラガイを見かけなかった事が、最近の暖かな海水温と関係して、寒さから生き延びた貝が多いと言う事なのか、それとも環境の悪化で絶滅寸前なのか、どちらにしても海に異変が起こっているのは間違いない事だと思います。