YEAR3210

風に転がる迷走日記

死刑について

2012-11-19 21:16:53 | 読書感想文




有力なこのブログの読者で相撲取り的読者のセキトリの増刷喜から急かれたから少しだけ書きます。
最近、日本の死刑に関する本を読んでいる。昨夜布団の中で読んだ本には死刑囚の生々しい心情、インタビュー、原文の手紙などや執行時のこと細かい場面が書かれていた。
そこに衝撃的な死刑囚の発言が書いてあった。
その人は四人もの人間に死亡傷害を与えて死刑が確定し既に執行されているらしいがその人曰わく、
「死刑は受け入れる、ただしそのかわりに事件のことについて反省はしない。被害者の家族にも謝罪はしない」と語っていたという。本心がどうかは別としてこの発言は日本の死刑制度を覆す重たい発言ではなかろうか。死をもって償うという理念に対しては間違っていないような気もしなくはないが究極の開き直りであろう。死刑囚への執行は当日の朝に伝えられる。
その日まで死刑囚は絶望的な独房の中で過ごし外部への手紙や面会も遮断される。家族への連絡は事後、引き取りを依頼する時に初めて伝えられる。
首にロープが掛けられ落とされてから心臓が止まるまで平均15分だそうだ。その間、意識があるかないかは誰もわからない。
脳に血液が通っているなら意識はあるのではあるまいか。そんな気がする。落とした直後、反動でバウンドするのでそれをその瞬間におさまえる役目の人がいるという。執行立会人のなかで一番辛い仕事らしい。
執行後、立会人は昼色会を行うらしいがそれはたいそうな精進弁当で肉類は入っていない。数年前、執行書類にサインした当時の法務大臣が執行に立ち会い話題になった。殺人現場を目撃した法曹は何を思ったのだろうか。
しかしいずれにしても死んでも死刑囚にはなりたくない。
誰でも大事な人や家族が理不尽な理由で殺められたら極刑を望むであろう。最近の執行事例では70代後半の車椅子生活者が執行されたという。この判断は果たして正しいのだろうか。
情状はどうあれ動かないのは法律。そう思った次第。