どこ吹く風

旅のことを主に書く。

オーロラの色

2007年12月18日 10時09分09秒 | オーロラ
 この旅の最大の目的オーロラはエドモントンからイエローナイフへ向かう飛行機から見えた。1時間ほど飛んだ頃に妻がトイレに立ったので窓から外を見た、晴れているので今夜のオーロラ出現が期待できそうだと目を前方に向けると雲がひと筋浮かんでいる。頬をガラスにくっ付けてよく見ると形がおかしい。何も無い空間に”つ”の字のような、或いはナイキのロゴマークのような雲がある。ムクムクとした感じではなくて縦に降りているような不自然な形なので若しやオーロラではないかと考えた。
 
 しかし写真で見るような色が付いていなくてフツーの雲の色なので半信半疑、断定はし難い。私の常識ではオーロラというのはミドリや青たまにはピンクに染まって天空にあると思っていたので、目の前の濁った白色の雲がオーロラであると確信が持てなかった。
それでも形から考えて「もしかしたらオーロラだよ。」と妻に見せた。義妹もオーロラが見えたとやや興奮気味、はるばるこの地までやって来た甲斐があった。

 オーロラ見物前に書いたオーロラビレッジで観測したが、そこのスタッフによると目を凝らして見つめていると色が付いているのが分かるようになる、つまり慣れれば判別できるようになると話していた。しかし人間の目にはほんの微かな発光しか感じられないけど写真に撮ると色が写ると言う。雑誌や映像では色付きのオーロラが見られるので目と写真機では何かが違うのだろう。感じる波長なのか集光能力なのか・・・
その説明を聞いて分かった、理解はできたが納得しなかった。天空に広がる光のショウーをアタマに描いていたので無彩色とも思えるオーロラを素直に受け入れることが出来なかった。

 オーロラを見に行こうと考えた頃からオーロラのサイトを行き当たりバッタリに訪ねて読んだ。それらの中に”オーロラを肉眼で見ても色は付いていません”と記述されたのは無かった。実際極北の地まで来た人も多いのにどうしてその事を書いていないのだろうか。予備知識があれば違う印象を持っただろう。
 それとも色が見えないのは私たちだけだったのか。ツアー仲間唯一の女学生も綺麗に見えたと発言していた、これは眼力の差なのか受ける印象の感度の差なのか疑問に思っている。

 多額の金を掛けて出かけるのだからガッカリしたとは言いづらい、それに慣れてきたら確かに僅かではあるが色を感じるようになる。それを持ってヨシとしているのだろうか。白っぽい雲も写真に撮れば美しいミドリのカーテンになることは確かだ、私としてはその落差にショックを覚えたが他の人たちはどう考えているのか。

 ガッカリしたことを強調気味に書いたが例えそうであったとしても、星空に刷毛を大胆に振るって北斗七星をも霞ませるオーロラは寒さに耐えて見る価値がある。時とともに動き形も変わる、クリスマスツリーを飾っている綿雪を引き千切ったように糸を引いたり、吊り下げられた舞台幕がカーテンコールの為に将に開けられようとするかのごとく、又天の川のように薄く伸びたりする。小さな湖を取り囲むように生えた木々の上にはオリオン座が、首を回すとオーロラが霞みのようにかかっている。
静かで冷たい夜でした。

勉強になるサイト
http://aulive.net/howto/index.html
Live! オーロラ

写真は私が撮った数少ないオーロラの写真です。