単独行で晩秋の穂高に行ったときの事だ。
10月の連休も過ぎ山小屋も冬支度を始めていて、水溜りには氷が張るほど冷え込んだ涸沢を一人出発し、奥穂高から涸沢槍を越え北穂高へ向かっていた。
涸沢槍付近の岩場は凍っていて、このまま北穂高へ行くのは無謀かなと思いどうしようか迷っていると突然北穂高側から独りの若い女性がやってきた。
その女性は当時にしてはずいぶん昔の服装で、背負っているザックも古びた横型のキスリングだった。
横型のキスリングはとてもバランスが悪く、そんなので穂高の岩場を歩くには不向きだし、その当時はもう縦型のザックが主流になっていたのに何でこんな古い装備で歩いているのか不思議に思った。
キスリング
「この先の道はどんな感じか?」程度の会話を交わし、ボクは北穂高側へ、その女性は奥穂高側へ向かった。
平日の誰もいない北穂高頂上を独占して満喫したあとは北穂高小屋へ泊ったが客はボク一人だけだった。
翌日になって観光客で賑わう上高地へ下ったとき再びその女性を見かけたのだが、小綺麗な格好した観光客とは対照的に古びた登山の格好がとても異様に見えた。
観光客で賑わう河童橋のたもとで一人ポツンと座っていたのだが、観光客はその女性に気が付いていないのか見向きもしなかった。
他の登山客と比べてもとても浮いていて、例えるならカラーの集合写真なのに一人だけモノクロで写っているようだった。
ここで当時は出会いの機会が少ない独身だったから「昨日北穂高付近で会いましたよね。」などと話しかけていたんだろうが、とても異様だったのでそんな気にはならなかった。
もしかして、遭難した当時の古びた格好で彷徨っていた人に出遭っていたんだろうか?と、後になって思った不思議な出来事だった。
10月の連休も過ぎ山小屋も冬支度を始めていて、水溜りには氷が張るほど冷え込んだ涸沢を一人出発し、奥穂高から涸沢槍を越え北穂高へ向かっていた。
涸沢槍付近の岩場は凍っていて、このまま北穂高へ行くのは無謀かなと思いどうしようか迷っていると突然北穂高側から独りの若い女性がやってきた。
その女性は当時にしてはずいぶん昔の服装で、背負っているザックも古びた横型のキスリングだった。
横型のキスリングはとてもバランスが悪く、そんなので穂高の岩場を歩くには不向きだし、その当時はもう縦型のザックが主流になっていたのに何でこんな古い装備で歩いているのか不思議に思った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/f7/d789ecd7a38426e425edd6afc6b89420.jpg)
「この先の道はどんな感じか?」程度の会話を交わし、ボクは北穂高側へ、その女性は奥穂高側へ向かった。
平日の誰もいない北穂高頂上を独占して満喫したあとは北穂高小屋へ泊ったが客はボク一人だけだった。
翌日になって観光客で賑わう上高地へ下ったとき再びその女性を見かけたのだが、小綺麗な格好した観光客とは対照的に古びた登山の格好がとても異様に見えた。
観光客で賑わう河童橋のたもとで一人ポツンと座っていたのだが、観光客はその女性に気が付いていないのか見向きもしなかった。
他の登山客と比べてもとても浮いていて、例えるならカラーの集合写真なのに一人だけモノクロで写っているようだった。
ここで当時は出会いの機会が少ない独身だったから「昨日北穂高付近で会いましたよね。」などと話しかけていたんだろうが、とても異様だったのでそんな気にはならなかった。
もしかして、遭難した当時の古びた格好で彷徨っていた人に出遭っていたんだろうか?と、後になって思った不思議な出来事だった。
![]() | 山の不可思議事件簿 |
上村 信太郎 | |
山と渓谷社 |
ビーサンおやじさんの文才を見ましたよ。^_^;
ノンフィクションですよ~。
某お笑い芸人のように作家になろうかと...
今度、酒飲みながらお話ししましょう。
閑話休題:K津市にある「Nじみ」という
ラーメン屋のおばちゃんは霊感強いらしく
食べに来た人の背後霊が見えるそうですよ。
ニガウリさまもお試しあれ…
ラーメン屋のおばちゃんが客を見て
「こいつ、犬みたいな食い方すると思ったらやっぱり...」なんて思うんでしょうか(笑)