クリスマスイブです。
今年もなんとか、ここまで辿り着きましたね。
ちっとも、楽な道のりではなかった方も多いと思います。
それでも、メリークリスマス。
昔話をさせて下さい。
子供の頃の鮮明なイブの記憶は、寒い夜、駅の改札口。
小学生だった私は1人で、おかやんの帰りを待っていました。
クリスマスイブだから、ケーキを買ってきてくれるかもしれないと。
よく言ってますが、うちは大変貧乏でした。
おかやんは1人で働いて、3人の娘を育てて。
その日も遅くまで働き、改札に現れたのは、完全に陽が落ちてから。
ケーキを持った沢山の人の中で、おかやんは手ぶらでした。
ものすごく無邪気でしたが、家の状況も分かっていたから、私はすぐにケーキなんかまっていないふりをします。
お帰りなさい!迎えにきたよと。
だけどおかやんはもちろん、すぐに分かっていました。
申し訳なさそうに「ケーキは明日ね。クリスマスは明日だからね」
「そんなのいらないよ」と言いましたが、翌日、約束通りおかやんはケーキを買ってきてくれました。
無理したんだろうなと思います。
おかやんがいなくなって、2度目のクリスマスイブ。
私は、自分はとても、幸せな子供だったと思っています。
この思い出は、あの寒さも申し訳なさも寂しさも含めて、すごく大切です。
メリークリスマス。