境界性パーソナリティ障害のI橋さん
結局2ヶ月たたへんうちにクビにしました。
理由はキレるキレへんの問題じゃなくて、仕事が覚えられへんから。
最後の方は毎日ボクがキレてました。
でも仕事中に怒るのはアカンから、グッとこらえてI橋さんに「ちょと何もせんといて」と言い、追い払ってボクが2人分の働きをすることに。
まともにI橋さんを使ってたら、通ってるオーダーと違った商品を作りだしたり、ショボショボの商品を作る可能性があるから。
結局ボクがI橋さんをずっと見とかなアカンねやったら、大変やけど自ら動いた方が早いし。
ただ、見てるだけで給料をもらえるほど仕事は甘くない。
そして、それで済ませるほどボクは甘くない。
ってことで、毎回終わってから呼び出し。
そして
ボク「なんでボクが言ってるオーダー通り作られへんの?」
I橋『すいません。聞こえなかったんで』
「聞こえへんかったら出てくる伝票見たらいいんちゃうの?」
と、ここでいつもの意味不明な返答が
『前にも言ったと思うんですが、私コンタクトをしてて急に目が痛くなるんです』
「あ、そうなん。仕事に支障をきたすんやったら、もう辞めなアカンな」
『違うんです。店長、私のことずっと見てくるじゃないですか?』
「いや、ちゃんと作ってるか見とかなアカンからな!見んでもちゃんと出してくれるんやったらええけど!」
『・・・私、じっと見られると目が痛くなるんです』
「え?なにそれ?そんなん聞いたことないわ」
『ほんとなんです。だから伝票見れないんです』
「ほな眼科行ったら?今すぐ行っといで」
『眼科は前に行ったんです』
「なんやったん?」
『なんにも異常はないって言われたんです』
「やろうな!!そんな病気ないからなぁ!!」
と、ツッコミどころ満載。
これも仕事が終わってから・・・
「親子丼って赤だしがつくの知ってる?」
『知ってます』
「じゃあなんで作らへんの?」
『すみません。忘れてました』
「今日何回通った?3回やで。んで3回中3回作らへんかったん覚えてる?」
『すみません』
「昨日も同じこと言うてるで。親子丼通ったら赤だし作るってことがなんで出来ひんの?」
『すみません』
「違う!なんで出来ひんのかを聞いてるねん」
『実は昨日、電車の中で――』
「うるさい!今は赤だし作れるか作られへんかの話をしてるねん。電車の中とかどうでもええ」
『だからその話を今からするんです!ちゃんと最後まで聞いてください!』
「わかった。ごめん。なに?」
『私まだ死にたくないんですよ』
「・・・」
『何年か前にオウムの地下鉄サリン事件あったじゃないですか?私そのころ外国にいってて――』
「ごめん!そんな話どうでもええ!!」
『なんでちゃんと聞いてくれないんですか!?』
「そんな話は今関係ないから!」
『私、長生きしたいんです!』
「ちょっと黙って!」
『オウム真理教が――』
「よし!ボクの質問に答えるか、その話して今すぐ辞めるか、どっちにするん!?」
こんな感じで、しょっちゅう関係ない話を挟んでくるんです。
結局「今月いっぱいで言われたこと出来ひんかったら辞めてもらうから」と毎日言い続けて、辞めてもらえることに。
色々と辞める辞めへんでゴタゴタするかなと思ってたけど、思いのほかスムーズに辞めてもらえることに。
今回のI橋さんの件、色々あったけどかなり成長できたと思う。