いわさきあきらの音人的生活

京都のキーボーディスト岩崎明のブログです。音楽の知識、機材の紹介、日記など。

デジタルとアナログ その5

2009年08月17日 | シンセことば
(写真は、AKAIのサンプラー、S1000。ようやく手の届く、と言っても数十万、特に、メモリーがやたら高かった。フロッピーが標準なので、ロードに時間がかかった。)


 アナログとデジタル、
 どちらが音がいいかと言われれば、
 これも難しい問題で、
 けれど、同じ値段なら、
 デジタルの方がよく聴こえるんじゃないかと思います。


 それよりも、大きな違いは、

「質感」

 です。


 私もデジタルレコーダー以前は、
 マルチトラックのオープンテープを使って、
 音楽制作をしていましたが、
 例えば、ギターなどは、
 テープで録った方が、音が深くて良い音になります。

「味わいある音」

 とでも言うのでしょうか、
 これは、アナログシンセとデジタルシンセの違いでもあると思うのですが、

「なんだか、味わいのある音」

 になるんですね、アナログは。


 アナログしかなかった頃は、
 その音の変化がイヤで、
 デジタルがでてきて、
 最初に、DAT(デジタルオーディオテープレコーダ)を使った時は、
 感激したものです。

 けれど、その音の変化する良さというものが、
 デジタルが一般的になると、またほしくなるわけです。


 それで、ハイ・ファイ(高音質)に対する、
 ロー・ファイ(低音質)の音楽がでてきたりします。

 つまり、ロー・ファイ音楽は、音のスペックよりも、
 音の「質」、「雰囲気」にこだわった音楽と言えると思います。


 クインシー・ジョーンズのエンジニアは、
 一度、テープに入れていから、その後、デジタルにして編集する、
 というやりかたをしているらしいです。
(これは、ハイファイの中での、「質感」の取り入れですね)


 デジタルが発達してきても、
 アナログの雰囲気を出すのは難しいようですね。


 それでも、デジタルの中で、
 アナログのシュミレーションもどんどん発達していますし、

 最近、真空管という、昔のアンプ方式がヒットしているのも、
 そういう、質感を求めているのだと思います。

 単純に、音を記録するだけ、と言っても、深いものがあります。


 次回は、デジタルとアナログの最終回です。


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